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DATE/ 2021.05.16

若手社員にありがち「社二病」とは?

中二、大二に続くイタい2年目社会人

 「社二病」という言葉をご存知でしょうか。これは入社2年目の若手社員が陥りやすい、ちょっと調子に乗ってしまった状態を指します。「病」とついていますが本当にそのような病気があるわけではなく、見ていて痛々しかったりかわいそうに思えてしまったりする一種の「社会人あるある」を揶揄した言葉なのです。中学2年生頃に陥りやすい「中二病」、大学2年生頃に陥りやすい「大二病」とあわせて、「人生の三大病」といわれることもありますが、これももちろん冗談の話です。

 社二病が“発症”してしまう行動心理には、仕事や社会人生活への慣れが影響しているようです。社会人も2年目になれば仕事のサイクルが大体は把握できて、いっぱいいっぱいだった1年目より余裕が出てきますよね。そうなるとついつい“仕事ができる自分”アピールをしたくなって、本物のベテランから見ればイタくて薄っぺらい行動を取ってしまうのです。

 このとき社二病の標的にされるのが、入社1年目の新入社員。なにしろ社二病の人は入社2年目ですから、えらそうに先輩風を吹かせられる相手は新人しかいません。もうこの時点でイタいといわれてもしかたありませんが、こうやって標的にされた新人も次の年には社二病っぷりを発揮してしまう側になるかもしれないのです。

社二病の主な“症状”

 それでは具体的な社二病の“症状”の代表例を見てみましょう。

 新入社員に苦労を語る:新入社員をつかまえて、「自分が入社した頃は……」などといかにも勝手知ったる顔で苦労を語り、先輩風を吹かせます。似たパターンに、本当は少し手伝っただけの仕事を全部自分がやったかのように盛り盛りにした武勇伝を語ることも。度が過ぎると新入社員だけでなく、周囲の同僚や上司にまで呆れられてしまいます。

 新入社員に説教する:新入社員の仕事ぶりを見て「そんなやり方じゃだめだ」と説教し、先輩風を吹かせます。さらにここから「今の環境は恵まれている、自分が入社した頃は……」と苦労話のコンボにつなげる“重症患者”もいます。「だめだ」と言うだけで、どうすればいいのかの説明はないので、新人にとって有益な話はひとつもありません。

 ビジネス用語を多用する:エビデンスとかプライオリティとかコミットとか、社会人になってから覚えた小難しいビジネス用語をやたらと使いたがります。小学生くらいの子どもが新しく覚えた言葉を使いたがるのは微笑ましいですが、大の大人にやられても“ウザい”ですよね。わかりやすい言葉で伝えられる人こそが、仕事のできる人だと気づいてほしいものです。

 ハードワークをアピールする:「資料作りで徹夜をしてしまった」などの“寝てない”アピールをしたり、大量のエナジードリンクの写真をSNSにアップして“社畜”アピールをしたりなど、「仕事が忙しい」、「仕事を頑張っている」ところを見せたがります。あまりにひどいと、周囲から「また言ってる」と冷めた目で見られるようになってしまいます。

こんな人は社二病になりやすい

 社二病の言動を見て、「こういう人、まわりにいるな」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。なぜ、このような“症状”に陥ってしまうのでしょうか。社二病になりやすい人の特徴からその理由を探ってみましょう。

<承認欲求が強い>
 本当は自信がなかったり、自己評価が低かったりする人ほど社二病になりやすいです。「認めてほしい」「褒めてほしい」という思いが強いので、仕事ができるアピールをして注目を集めようとしてしまうわけです。このようなタイプの人は、自己研鑚に積極的な“デキる人”のふりをしたがる「意識高い系」であることも多いです。

 仕事内容や職場に不満がある:仕事の現状に不満があって真面目に取り組んでこなかった結果、特に目立った実績を上げていない人も社二病になりやすいです。わざと上司や同僚に反抗的な態度を取ったり、小難しい話をしたりして「自分はこの程度の場所にいるべき器ではない」「こんな環境ではモチベーションが上がらない」と主張しているのです。

<視野が狭い>
 社会人2年目ならしかたありませんが、知っている社会がまだ狭いので、周囲に社二病の先輩などがいると影響を受けて社二病になってしまう人も。なる人とならない人の差は、謙虚さにあります。「自分はまだ社会をよく知らない」という自覚がない人ほど、社二病の“症状”を「かっこいい」と感じて“重症化”してしまいます。

 多くの社二病“患者”は、ある程度成長すれば「恥ずかしい」と気がついて“自然治癒”していきます。それでも、周囲にこのような人がいると煩わしいですよね。社二病の人たちは基本的に承認欲求が強いので、「その態度、イタいよ」などと正論をぶつけずに、うまくおだてておきましょう。機嫌を取っておけばこころよく協力してくれますよ。

<参考サイト>
社二病とは?社会人2年目に訪れる流行病に注意せよ│退職Assist 
https://www.taishoku-a.net/trouble/worker-2year-ill.html
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テンミニッツTV編集部
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