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実は生産終了になっている人気車種
自動車業界は今「100年に一度の変革期」と言われるような大きな変化が起きています。CASEと呼ばれる、電動化や自動化を中心とした動きが中心にあります。この状況に対応するために自動車のプラットフォーム自体も新しくする必要が生まれています。こうした流れを受けてここ数年、廃止される車種が多岐にわたっています。ただし廃止される細かい理由はメーカーや車種によっても様々です。ここでは、惜しまれつつも生産終了になった車種はどんなものなのかみてみましょう。
トヨタ・エスティマは2019年10月に生産を終了しました。Lサイズミニバンの代表として1990年の発売以来およそ30年間にわたり販売されました。2000年には年間売り上げ12万台を越えて年間売り上げ3位という人気ぶり。現在、ミニバンのメインストリームにいるアルファード/ヴェルファイアも、エスティマのエンジンやプラットフォームをベースにしています。2015年にアルファード/ヴェルファイアがモデルチェンジされて人気を高める一方で、エスティマは廃止の方向となりました。
この理由は、少子高齢社会の日本では、ミニバン需要は今以上に伸びないということも絡んでいるようです。この先は売れている、もしくは売りやすい車種に絞るという選択がされたと考えていいでしょう。また販売系統が異なる点以外は、アルファードとほぼ同じ車種であったヴェルファイアに関しても、今後廃止の流れにあります。
日産キューブは1998年発売。名前の通り四角くて可愛いイメージのある車で、背が高くて乗りやすく、また運転もしやすいコンパクトカーとして大人気でした。日産はノートやセレナなど国内市場でもかなり売れている車種があります。しかし、国内でのメーカー別販売順位(軽自動車を含む)では、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツについて5位と、やや低迷しています。こうした状況から国内市場では車種を絞り込んで合理化したい思惑があるようです。
この3大軽トラの一角だったホンダ・アクティは2021年4月に生産を終了しました。6月までは生産すると思われていたようですが、前倒しの生産終了となっています。軽トラックは安いもので約70万円程度から販売されている薄利多売の車種である上に、用途が特殊です。また2020年の軽トラックの届出台数は1990年の40%とのこと。市場がここ30年で大きく縮小していることがわかります。これは日本の農業就業人口の減少と関係しています。
また、ダイハツとスズキはOEM生産をおこないますが、ホンダは日本の自動車メーカーでは唯一、OEMを行わないこだわりのメーカーです。この先もアクティがOEMで他社から出ることもなさそうです。こういった背景から、2019年に生産終了がアナウンスされると、2020年度の届出台数は前年比1.5倍になりました。
このように自動車メーカーは今、大胆な選択と集中を行い、変革期を乗り越えるべく闘っています。これまでにも多くの車種がリストラされてきました。今後ももう少しこの流れは続くようです。しかし数年後、あたらしい時代の車の姿がはっきり見えてきた時、またきっとワクワクするはずです。今はそういった、再生の谷間の時代と言えるのかもしれません。
トヨタエスティマは2019年に終了
トヨタは2017年に約60車種あったモデルを2025年までに30車種までに絞り込むと打ち出したのち、2020年5月からは全ての販売店で全車種を購入できるようにしました。この先は電動化に向けて大きくシフトするようです。この流れを受けて、多くの車種を廃止(生産終了)しました。例えばエスティマ、マークX、ウィッシュ、アイシス、SAI、プレミオ、アリオン、プリウスα、タンク、ポルテ、スペイドといった車種は近年廃止された車種がすでに廃止されています。トヨタ・エスティマは2019年10月に生産を終了しました。Lサイズミニバンの代表として1990年の発売以来およそ30年間にわたり販売されました。2000年には年間売り上げ12万台を越えて年間売り上げ3位という人気ぶり。現在、ミニバンのメインストリームにいるアルファード/ヴェルファイアも、エスティマのエンジンやプラットフォームをベースにしています。2015年にアルファード/ヴェルファイアがモデルチェンジされて人気を高める一方で、エスティマは廃止の方向となりました。
この理由は、少子高齢社会の日本では、ミニバン需要は今以上に伸びないということも絡んでいるようです。この先は売れている、もしくは売りやすい車種に絞るという選択がされたと考えていいでしょう。また販売系統が異なる点以外は、アルファードとほぼ同じ車種であったヴェルファイアに関しても、今後廃止の流れにあります。
日産キューブ、ホンダオデッセイ、三菱パジェロ
日産ではキューブ、ジューク、ティアナなどが廃止。ホンダではオデッセイ、レジェンド、クラリティ、シビックなどに加え、看板スポーツカーNSXも2022年12月で終了することが発表されています。また三菱を代表するオフロードSUV、パジェロはパリ・ダカールラリーで優勝するなどして有名でしたが、2019年8月に販売終了しています。日産キューブは1998年発売。名前の通り四角くて可愛いイメージのある車で、背が高くて乗りやすく、また運転もしやすいコンパクトカーとして大人気でした。日産はノートやセレナなど国内市場でもかなり売れている車種があります。しかし、国内でのメーカー別販売順位(軽自動車を含む)では、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツについて5位と、やや低迷しています。こうした状況から国内市場では車種を絞り込んで合理化したい思惑があるようです。
3大軽トラだったホンダ・アクティ
軽トラックの世界でも同様のことが起きています。軽自動車は日本の8つの自動車ブランドが販売してきました。しかし実際のところ、オリジナルの車種はダイハツ・ハイゼットトラック、スズキ・キャリイ、ホンダ・アクティの3車種だけで、あとはOEM生産。日産のNT100クリッパートラック、三菱ミニキャブトラック、マツダスクラムトラックの3種はスズキ・キャリイのOEM、スバル・サンバートラック、トヨタ・ピクシストラックはダイハツ・ハイゼットトラックのOEMです。この3大軽トラの一角だったホンダ・アクティは2021年4月に生産を終了しました。6月までは生産すると思われていたようですが、前倒しの生産終了となっています。軽トラックは安いもので約70万円程度から販売されている薄利多売の車種である上に、用途が特殊です。また2020年の軽トラックの届出台数は1990年の40%とのこと。市場がここ30年で大きく縮小していることがわかります。これは日本の農業就業人口の減少と関係しています。
また、ダイハツとスズキはOEM生産をおこないますが、ホンダは日本の自動車メーカーでは唯一、OEMを行わないこだわりのメーカーです。この先もアクティがOEMで他社から出ることもなさそうです。こういった背景から、2019年に生産終了がアナウンスされると、2020年度の届出台数は前年比1.5倍になりました。
このように自動車メーカーは今、大胆な選択と集中を行い、変革期を乗り越えるべく闘っています。これまでにも多くの車種がリストラされてきました。今後ももう少しこの流れは続くようです。しかし数年後、あたらしい時代の車の姿がはっきり見えてきた時、またきっとワクワクするはずです。今はそういった、再生の谷間の時代と言えるのかもしれません。
<参考サイト>
ついに完売目前!! エスティマはなぜ見捨てられたのか?|ベストカーWeb
https://bestcarweb.jp/news/102382
トヨタ「ヴェルファイア」がほぼ廃止へ? アルファード人気に押された姉妹車の行く末|くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/369186
販売終了した日本車メーカーの車種まとめ!ロールーフミニバンやセダンなど|cobby
https://cobby.jp/integrated-model.html
ついに完売目前!! エスティマはなぜ見捨てられたのか?|ベストカーWeb
https://bestcarweb.jp/news/102382
トヨタ「ヴェルファイア」がほぼ廃止へ? アルファード人気に押された姉妹車の行く末|くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/369186
販売終了した日本車メーカーの車種まとめ!ロールーフミニバンやセダンなど|cobby
https://cobby.jp/integrated-model.html
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