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DATE/ 2021.10.05

車に「買取」の張り紙は盗難の危険!

 車やバイクの窃盗件数はここ数年減少傾向ではありますが、警戒の手を緩めていい理由にはなりません。むしろ、所有者の防犯意識の高まりが窃盗をしにくくさせているという背景もあるでしょう。ところで、駐車しておいた車やバイクに「買い取ります」といったような文言と連絡先の書かれたチラシが挟まっていたり、貼られていたりしたことはないでしょうか。ネット上ではこのチラシは窃盗のサインである、という話が聞かれます。どういうことでしょうか。

窃盗グループのマーキングの可能性もある

 チラシは、「買い取らせてください」「高価買取」「この車の査定額○○万円」といった文言とともに連絡先電話番号が記載されている場合が多いようです。勝手に貼られていい思いがするものではないので、見つけ次第廃棄するひとは多いとは思われます。しかし、貼り紙されること自体は特に大きな害とまでは言えないので、放置してしまう人もいるかもしれません。しかし、要注意です。この貼り紙は持ち主からの連絡を待っているのではなく、窃盗グループがその車やバイクは盗めるかどうか、持ち主の行動を探るために貼っているという話があります。

 しばらく貼り紙がそのままになっている車はあまり使われていないと考えられるので、盗むリスクが低い車だということになります。また盗みたい車に貼られるということもあるようです。このように、窃盗グループがリスクを見極めるために貼り紙をしているという話です。つまり、チラシはマーキングツールとして活用されているとのこと。ただし、そうではない事例もあるようです。実際に連絡すると実在する会社の買取事業だったりすることもある、という話も見つかりました。しかし、この手法は利用者からすればやはりいい気がするものではありません。基本的には危ないと考えておきましょう。

怪しいかどうかネットで情報を調べること

 実例をいくつか見ると、実際に貼られた買取業者を装ったチラシには、電話番号や古物商許可番号といったものまで記されていることが多いようですが、これらは虚偽の情報の場合があります。電話番号や古物商許可番号はネットから検索することができます。同様に会社名や住所も探してみましょう。ただし、時に実在の会社の名前を騙っていることもあるようです。会社名がヒットしたら、チラシに記載されている情報と照らし合わせましょう。もし、虚偽の情報が記載されていれば、そのチラシは警察に届けましょう。ただし、実際に貼り紙によりこうして盗まれた、といったように因果関係が明確な事実はそこまでヒットしません。しかし、虚偽の情報が掲載されたチラシが貼られる時点で、何か裏があることは想像に難くありません。巻き込まれないように注意する必要はあります。

「見ている」姿勢を示すこと

 盗難のリスクを減らす対策としては、駐車場を変えるのも一手ですが、そう簡単にいかない場合もあります。こういった場合に有効な防犯グッズは監視カメラや警報機。また、ハンドルロックやタイヤロックといったように物理的に車を動かせないようにする対策も有効です。たしかにどのような対策をしていても窃盗グループは巧妙にすり抜けて盗みます。しかし、窃盗に時間がかかる、厄介そうな車は盗むのに時間を必要とすることから避けます。つまり、こちらが対策をしている「見ている」という姿勢を示すことで盗まれるリスクは下がります。貼られたチラシをそのままにすることはハイリスクです。

防犯対策は日ごろから

 それでも盗まれることはあるかもしれません。盗難された場合、まず警察に盗難届を出しますが、スマホ連動のGPSアプリ(GPSトラッカー)があると盗難車を追跡できます。車は盗難された後、パーツを抜き取られてしまうこともあります。早めに見つけることができれば被害は小さくできるかもしれません。また任意の自動車保険によっては、盗難が保険の範囲に含まれるものもあります。確認しましょう。何よりも盗難に対して私たちが日ごろから意識をもっておくことが何よりも肝心です。盗難対策は日ごろから行っておきましょう。

<参考サイト>
愛車にこの貼り紙があったら超危険!窃盗グループの犯行手口の可能性大!|MOBY
https://car-moby.jp/article/car-life/useful-information/beware-of-criminal-tricks/
【警告】張り紙「車を買取します」は盗難の前兆…4つの対策で愛車守れ|VOITURE
https://voiture.jp/car-knowledge/theft-precursor/
「自動車盗、車上ねらい」の防犯対策|警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/guard/car_bohan.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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