社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
世界で最も高齢化が進んでいる国は?
日本は少子高齢社会です。少子高齢社会とは総人口に対して15歳以下の年少人口の割合が低く、65歳以上の老年人口の割合が高い社会を意味しています。では日本以外の国ではどうなのでしょうか。ここでは世界における高齢化の現状を確認してみましょう。
1位 日本 28.40
2位 イタリア 23.30
3位 ポルトガル 22.77
4位 フィンランド 22.55
5位 ギリシャ 22.28
6位 ドイツ 21.69
7位 ブルガリア 21.47
8位 マルタ 21.32
9位 クロアチア 21.25
10位 プエルトリコ 20.83
日本がトップとなりました。2位イタリアとの差は5.1%。2位以降の差はそれぞれ1%未満であることから考えて、日本はずば抜けて高齢化率が高いと言っていいでしょう。トップ10では1位の日本と10位のプエルトリコ以外は全てヨーロッパとなっています。どちらかといえば経済的にも社会的にもある程度落ち着いている国々といった印象があります。
世界保健機構(WHO)の定義によると、高齢化した社会の呼び方は、高齢化率の段階によって次の3つに分けることができます。65歳以上の人口が7%を超える「高齢化社会」、65歳以上の人口が14%を超えると「高齢社会」、65歳以上の人口が21%を超えた場合、「超高齢社会」。つまりこのランキングでいくと、9位のクロアチアより上位の国は「超高齢社会」ということになります。
この背景にあるのは、長寿化と少子化があげられます。つまり寿命が延び、新たに子供が生まれる数が少なくなったことが急速な高齢化の理由と考えられます。長寿化した理由の一つには医療水準が高いことに加えて、国民皆保険制度や健康診断制度が充実していることが考えられます。また、現段階では年金制度も機能していて、民間の医療保険などへの加入率も高い状況があります。
こういったことから、日本では医療機関を受診することをためらう状況が他国に比べて少ないと言えます。このように日本では、高い医療水準を誰もが享受できる体制ができています。このことが長寿化の裏にありそうです。一方、少子化に対してはいまのところ有効な策はありません。また少子化以前の問題として結婚する人の数も減少しているという点もあります。こういった状況が少子高齢化に拍車をかけています。
この流れを食い止めるには、出生率をあげるか移民を受け入れるしかありませんが、実現するには働き方や家族の在り方の見直しなど、抜本的な社会制度改革が必要であることは言うまでもありません。ちなみに世界全体の高齢化率は2015年の時点で8.2%。2060年には17.8%と推計されています。つまり今後は世界的にも高齢化が進展すると考えられています。特に韓国、シンガポール、中国といった国は日本を上回るスピードで高齢化率が上がっているようです。
高齢化率の高い国ランキングトップ10
以下のランキングは、世界銀行のデータ(2020年)における高齢化率の高い国のトップ10です(右の数値は実際の高齢化率)。1位 日本 28.40
2位 イタリア 23.30
3位 ポルトガル 22.77
4位 フィンランド 22.55
5位 ギリシャ 22.28
6位 ドイツ 21.69
7位 ブルガリア 21.47
8位 マルタ 21.32
9位 クロアチア 21.25
10位 プエルトリコ 20.83
日本がトップとなりました。2位イタリアとの差は5.1%。2位以降の差はそれぞれ1%未満であることから考えて、日本はずば抜けて高齢化率が高いと言っていいでしょう。トップ10では1位の日本と10位のプエルトリコ以外は全てヨーロッパとなっています。どちらかといえば経済的にも社会的にもある程度落ち着いている国々といった印象があります。
世界保健機構(WHO)の定義によると、高齢化した社会の呼び方は、高齢化率の段階によって次の3つに分けることができます。65歳以上の人口が7%を超える「高齢化社会」、65歳以上の人口が14%を超えると「高齢社会」、65歳以上の人口が21%を超えた場合、「超高齢社会」。つまりこのランキングでいくと、9位のクロアチアより上位の国は「超高齢社会」ということになります。
なぜ日本は断トツでトップなのか。
日本での高齢化は一気に起こりました。日本の高齢化率は1970年に7%を超え、14%に達したのは1994年。つまり7%から14%になるのにかかった年数は24年でした。この年数はドイツでは40年、イギリスで46年、アメリカ72年、スウェーデン85年、フランス126年となっています。つまり日本は、急速なペースで高齢化したことがわかります。この背景にあるのは、長寿化と少子化があげられます。つまり寿命が延び、新たに子供が生まれる数が少なくなったことが急速な高齢化の理由と考えられます。長寿化した理由の一つには医療水準が高いことに加えて、国民皆保険制度や健康診断制度が充実していることが考えられます。また、現段階では年金制度も機能していて、民間の医療保険などへの加入率も高い状況があります。
こういったことから、日本では医療機関を受診することをためらう状況が他国に比べて少ないと言えます。このように日本では、高い医療水準を誰もが享受できる体制ができています。このことが長寿化の裏にありそうです。一方、少子化に対してはいまのところ有効な策はありません。また少子化以前の問題として結婚する人の数も減少しているという点もあります。こういった状況が少子高齢化に拍車をかけています。
高齢化が進むとどうなるか
このまま高齢化が進めば高齢者を支えるための社会保障費が高くなり、働く世代が国に収めなければならないお金が膨らみます。つまり、労働する人がどれだけ働いても収入が増えない事態に陥る可能性があります。そうなれば国の経済成長は滞り、優秀な人材は国外に出ていくことになるでしょう。これが連鎖することによって国は貧しくなっていきます。この流れを食い止めるには、出生率をあげるか移民を受け入れるしかありませんが、実現するには働き方や家族の在り方の見直しなど、抜本的な社会制度改革が必要であることは言うまでもありません。ちなみに世界全体の高齢化率は2015年の時点で8.2%。2060年には17.8%と推計されています。つまり今後は世界的にも高齢化が進展すると考えられています。特に韓国、シンガポール、中国といった国は日本を上回るスピードで高齢化率が上がっているようです。
<参考サイト>
Population ages 65 and above (% of total population)|The World Bank
https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.65UP.TO.ZS?
end=2020&most_recent_value_desc=true&start=1960&view=chart
世界の高齢化率(高齢者人口比率) 国別ランキング・推移|GLOBAL NOTE
https://www.globalnote.jp/post-3770.html
第1章 高齢化の状況 2 高齢化の国際的動向|内閣府
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/html/zenbun/s1_1_2.html
5.国際比較でみる高齢者|総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1135.html
日本は世界一の高齢社会|健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tyojyu-shakai/sekaiichi.html
Population ages 65 and above (% of total population)|The World Bank
https://data.worldbank.org/indicator/SP.POP.65UP.TO.ZS?
end=2020&most_recent_value_desc=true&start=1960&view=chart
世界の高齢化率(高齢者人口比率) 国別ランキング・推移|GLOBAL NOTE
https://www.globalnote.jp/post-3770.html
第1章 高齢化の状況 2 高齢化の国際的動向|内閣府
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/html/zenbun/s1_1_2.html
5.国際比較でみる高齢者|総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1135.html
日本は世界一の高齢社会|健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tyojyu-shakai/sekaiichi.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
55年体制は民主主義的で、野党もブレーキ役に担っていた
55年体制と2012年体制(1)質的な違いと野党がなすべきこと
戦後の日本の自民党一党支配体制は、現在の安倍政権における自民党一党支配と比べて、何がどのように違うのか。「55年体制」と「2012年体制」の違いと、民主党をはじめ現在の野党がなすべきことについて、ジェラルド・カ...
収録日:2014/11/18
追加日:2014/12/09
5Gはなぜワールドワイドで推進されていったのか
5Gとローカル5G(1)5G推進の背景
第5世代移動通信システムである5Gが、日本でもいよいよ導入される。世界中で5Gが導入されている背景には、2020年代に訪れるというデータ容量の爆発的な増大に伴う、移動通信システムの刷新がある。5Gにより、高精細動画のような...
収録日:2019/11/20
追加日:2019/12/01
マスコミは本来、与野党機能を果たすべき
マスコミと政治の距離~マスコミの使命と課題を考える
政治学者・曽根泰教氏が、マスコミと政治の距離を中心に、マスコミの使命と課題について論じる。日本の新聞は各社それぞれの立場をとっており、その報道の基本姿勢は「客観報道」である。公的異議申し立てを前提とする中立的報...
収録日:2015/05/25
追加日:2015/06/29
BREXITのEU首脳会議での膠着
BREXITの経緯と課題(6)EU首脳会議における膠着
2018年10月に行われたEU首脳会議について解説する。北アイルランドの国境問題をめぐって、解決案をイギリスが見つけられなければ、北アイルランドのみ関税同盟に残す案が浮上するも、メイ首相や強硬離脱派はこれに反発している...
収録日:2018/12/04
追加日:2019/03/16
健康経営とは何か?取り組み方とメリット
健康経営とは何か~その取り組みと期待される役割~
近年、企業における健康経営®の重要性が高まっている。少子高齢化による労働人口の減少が見込まれる中、労働力の確保と、生産性の向上は企業にとって最重要事項である。政府主導で進められている健康経営とは何か。それが提唱さ...
収録日:2021/07/29
追加日:2021/09/21