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なぜ路線バスには「シートベルト」がないのか
自動車に乗ったら運転手も同乗者を問わずシートベルトを着用する、という意識が今では当然となっています。もちろん後部座席でも同様です。一方で、よく見てみるとシートベルトが備え付けられていない車もあります。例えば「路線バス」です。しかし「高速バス」にはシートベルトがあり、着用を促すアナウンスもあります。同じバスでも状況が異なっていることがわかります。ではなぜ路線バスにはシートベルトがないのでしょうか。
なぜシートベルトの設置義務がないのかと言えば、大きくは「高速走行が想定されていない」ことに加えて「利便性が損なわれる」という点が関係しているようです。たしかに、路線バスは短い距離で停留所が設置されており、比較的スピードは出ません。また多くの人が頻繁に乗り降りします。シートベルトをするのは合理的ではないと言えるでしょう。
一方で高速道路を走行する「高速バス」や「貸切バス」では道路交通法でシートベルトの着用が義務付けられています。特に平成28年(2016年)1月15日に長野県で起きたスキーバス転落事故では15人が死亡、26人が負傷する大事故となりました。この事故では乗客がシートベルトをしていなかったことも、被害が拡大した要因の一つとみられています。このことを受け、国土交通省の有識者会議では「車内でシートベルト着用を促すアナウンスを行うこと」や「貸切バスや高速バスは座席にシートベルトを設置し、いつでもシートベルトを着用できるようにすること」を決定しています。
また実用的な面では、幼児が自分でベルトを着脱することが困難であることがまず問題点として挙げられます。つまり、シートベルト着用を義務化すると、幼稚園教諭などの着脱補助作業が発生する上、緊急時に脱出が困難になることが考えられます。さらに幼児は体格差が激しいことから一律の大きさの座席ベルトの設定も困難です。こういったことから幼稚園バスではシートベルトの着用が義務づけられていません。
その代わり、平成25年(2013年)には幼稚園バスでは座席に対する安全対策に関するガイドラインが発表されています。シートバックの後面に緩衝材を装備し、シートバックを高くするというものです。幼稚園バスでは前の座席の背もたれや、前に座る子供の後頭部に頭をぶつけて怪我をする、というケースが多いことから考えられたものとのことです。
ということで路線バスや幼稚園バスはいわば例外と考え、それ以外の車両ではシートベルトを忘れずに着用する、と意識しておきましょう。また路線バスで走行中に立ち上がることは大変危険です。立って乗る時には吊革にしっかり掴まりましょう。もし車内事故ともなれば、自身が怪我をするだけでなく乗り合わせた人にも怪我をさせるリスクがあります。路線バスではシートベルトがないからこそ、安全に配慮した行動をとることを心がけましょう。
路線バスではシートベルトの着用義務がない
シートベルトは2008年6月以降、後部座席も含めて全席で着用が義務付けられています。ただし、国土交通省による「道路運送車両の保安基準」の第22条3の記載では「専ら乗用の用に供する自動車であって、乗車定員十人以上のもの(高速道路等において運行しないものに限る)」の場合、「運転者席及びこれと並列の座席」に限ってシートベルトを備える必要があることがわかります。裏を返せば、一般利用者が座る座席にはシートベルトを設置する義務はないことになります。なぜシートベルトの設置義務がないのかと言えば、大きくは「高速走行が想定されていない」ことに加えて「利便性が損なわれる」という点が関係しているようです。たしかに、路線バスは短い距離で停留所が設置されており、比較的スピードは出ません。また多くの人が頻繁に乗り降りします。シートベルトをするのは合理的ではないと言えるでしょう。
一方で高速道路を走行する「高速バス」や「貸切バス」では道路交通法でシートベルトの着用が義務付けられています。特に平成28年(2016年)1月15日に長野県で起きたスキーバス転落事故では15人が死亡、26人が負傷する大事故となりました。この事故では乗客がシートベルトをしていなかったことも、被害が拡大した要因の一つとみられています。このことを受け、国土交通省の有識者会議では「車内でシートベルト着用を促すアナウンスを行うこと」や「貸切バスや高速バスは座席にシートベルトを設置し、いつでもシートベルトを着用できるようにすること」を決定しています。
幼稚園バスもシートベルト着用義務はない
同様に幼稚園の送迎に使われるバスにもシートベルトやチャイルドシートの設置義務はありません。これに関しては、まず幼稚園バスが事故に遭う確率が少なく、死傷者の発生も少ないというデータがあるようです。実際に国土交通省の調査では、幼稚園バスの事故発生率はマイクロバスの半分程度とのことです。また実用的な面では、幼児が自分でベルトを着脱することが困難であることがまず問題点として挙げられます。つまり、シートベルト着用を義務化すると、幼稚園教諭などの着脱補助作業が発生する上、緊急時に脱出が困難になることが考えられます。さらに幼児は体格差が激しいことから一律の大きさの座席ベルトの設定も困難です。こういったことから幼稚園バスではシートベルトの着用が義務づけられていません。
その代わり、平成25年(2013年)には幼稚園バスでは座席に対する安全対策に関するガイドラインが発表されています。シートバックの後面に緩衝材を装備し、シートバックを高くするというものです。幼稚園バスでは前の座席の背もたれや、前に座る子供の後頭部に頭をぶつけて怪我をする、というケースが多いことから考えられたものとのことです。
シートベルトがないところでは自身で安全を守る行動を
このように路線バスや幼稚園バスでは義務付けられていないシートベルトですが、国土交通省では貸切バス事業者向けにもシートベルトを常時使用できる状態にしておくことを啓発しています。同省が示している警察庁の資料によるとシートベルトを着用しない場合、高速道路で約9倍、一般道路まで含めると約14倍、命の危険性が高まるとしています。ということで路線バスや幼稚園バスはいわば例外と考え、それ以外の車両ではシートベルトを忘れずに着用する、と意識しておきましょう。また路線バスで走行中に立ち上がることは大変危険です。立って乗る時には吊革にしっかり掴まりましょう。もし車内事故ともなれば、自身が怪我をするだけでなく乗り合わせた人にも怪我をさせるリスクがあります。路線バスではシートベルトがないからこそ、安全に配慮した行動をとることを心がけましょう。
<参考サイト>
(Q114)どうして路線バスにはシートベルトがないのですか?│長電バス株式会社
https://www.nagadenbus.co.jp/qa/2020/12/q46.php
貸切バスのシートベルトの着用徹底について(国土交通省)│広島県バス協会
https://www.bus-kyo.or.jp/topics/gyousei/topics-5774.html
バスでシートベルトを付けるのはどんなとき?路線バスでは不要?|グーネットマガジン
https://www.goo-net.com/magazine/knowhow/carlife/44607/
「幼稚園バス」なぜシートベルトの装備なしでOK? 園児を事故の危険から守る対策とは|くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/174154
バス乗車の際はシートベルトを締めましょう!!|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000052.html
(Q114)どうして路線バスにはシートベルトがないのですか?│長電バス株式会社
https://www.nagadenbus.co.jp/qa/2020/12/q46.php
貸切バスのシートベルトの着用徹底について(国土交通省)│広島県バス協会
https://www.bus-kyo.or.jp/topics/gyousei/topics-5774.html
バスでシートベルトを付けるのはどんなとき?路線バスでは不要?|グーネットマガジン
https://www.goo-net.com/magazine/knowhow/carlife/44607/
「幼稚園バス」なぜシートベルトの装備なしでOK? 園児を事故の危険から守る対策とは|くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/174154
バス乗車の際はシートベルトを締めましょう!!|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000052.html
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