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DATE/ 2022.09.08

「交通量調査」は何のためにやっているのか?

交通量調査の目的とは?

 道路の際でパイプ椅子に座って、手にしたカウンターをカチカチと鳴らしている人を見かけることがありますよね。この人たちが行っている業務は、「交通量調査」と呼ばれます。その内容は、読んで字のごとく交通量の調査なのですが、一体なんの目的で道路の交通量を調べているのでしょうか。

 交通量調査の目的は、国や地方自治体と民間企業とで異なります。それぞれの目的は以下のようになります。

 国や地方自治体:道路の計画や建設のほか、修繕や維持の管理など、道路そのものに関わるデータの基礎資料を得ることが目的。国の官庁では国土交通省の依頼が最も多い。
 民間企業:小売業や外食産業が出店計画の参考用にデータ収集を依頼するほか、広告代理店が屋外に出した広告の視認率を調査することも。ショッピングモールのような大型商業施設を建設する場合は、周辺の交通状況にどれくらい影響するかを調査することもある。

 交通量調査が行われるのは、渋滞している道路が多いです。渋滞が深刻な区間を割り出したら、その渋滞を解消するための新しい道路を建設し、今度は新しい道路によってきちんと渋滞解消効果が出ているかを調査する……というように、継続的に交通量調査が実施されているのです。

謎が多い交通量調査の実態に迫る

 多くの場合、交通量調査は9月から11月の秋季に実施され、「道路交通センサス」と呼ばれる国の交通量調査もこの時期に行われます。道路交通センサスは原則的に5年に一度実施されますが、2020年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で延期されました。実施される曜日は平日も休日もありますが、月曜日や金曜日は交通量に差が出やすいため、なるべく通常時に近いデータが取れるように、平日は火曜日から木曜日、休日は日曜日に実施することが多いです。時間帯は朝の7時から夜の19時までの12時間調査がよく行われるほか、交通量が多い幹線道路では朝7時から翌日の朝7時までの24時間調査も行われます。

 勤務中は椅子に座り、「数取器」とも呼ばれるカウンターで、指定された対象が通るたびにカウントします。カウントの対象は基本的に歩行者と自動車で、自動車は乗用車・バス・普通貨物車・小型貨物車の4車種に分類されることが多く、ここに二輪車を加えた5車種で調査することもあります。

 かなりの長丁場になるので、同じ地点を1人だけで担当することはありません。2~3人のチームで時間帯を分担し、交代で休憩を取ります。2時間調査して1時間休憩というローテーションが多く、拘束時間は長いですがしっかり休憩できます。

 ただし、じっと椅子に座りっぱなしの仕事なので、動き回る仕事が好きな人は馴染めないかもしれません。特に、交通量が少ない道路だと手持ち無沙汰になってしまい、睡魔と闘うこともあります。また、夏や冬に実施された場合は、屋外の仕事なので暑さや寒さに耐えなければならないことも。交通量が多い道路だと排気ガスにさらされ続けて気分が悪くなってしまう人もいます。やはりどんな仕事にも厳しい面はあるのですね。

交通量調査員といえばバイトの定番ですが…

 そんな交通量調査ですが、どうすれば調査員になれるのでしょうか。

 実はアルバイトの定番ともいわれており、椅子に座った状態を保てる人なら誰でもなれます。実施される時期が限られているため単発バイトが多く、面接や履歴書は不要の場合も。仕事が継続するアルバイトではないので、会社員の副業に向いているでしょう。また、調査のときに組むチームはその場限りのものなので、人間関係に疲れやすい人もやりやすい仕事です。

 交通量調査員がアルバイトの定番として人気の理由は、実働時間のわりに給料がいいことも上げられます。たとえば、求人ポータルサイトの求人ボックスで東京都の交通量調査員のアルバイト募集を検索すると、以下のような求人が見つかります。(2022年8月15日現在)

・「交通量調査スタッフ募集」:時給1,200~2,000円:学歴不問・単発・日払いOKなど
・「交通量調査スタッフ募集」:時給1,200~2,000円:学歴不問・単発・WワークOKなど
・「交通量調査スタッフ」:時給1,041~1,050円:未経験OK・面接なし・単発・履歴書不要など
・「大人気・交通量調査員」:日給8,000円~:学歴不問・単発・日払いOK・未経験OKなど

 「日給8,000円~」の募集は、最も少ない勤務時間が6時間となっており、6時間で8,000円なら時給は約1,300円となります。交通量調査員の時給は1,200円前後が相場といえるでしょう。東京都の2021年の最低賃金は1,041円なので、割のいい仕事といえます。

 しかし近年、交通量調査員の募集は減少傾向にあります。なぜなら、2021年から道路交通センサスで調査する約4万4,000区間のうち、約7,600区間での調査員による観測が廃止されたから。それでは、廃止された区間はもう調査しないのかというとそうではなく、交通監視カメラが記録した映像を人工知能で解析するという新たな手法が導入されました。こうすることで人件費が削減できるだけでなく、業務の効率化も期待されています。現状では映像の精度に課題があるため、急に調査員がいなくなることはありませんが、今後は人工知能を導入する自治体も増え、徐々に減っていくと予想されます。効率化は大切ですが、カチカチと調査している人がいなくなってしまうのは少し名残惜しくもありますね。

<参考サイト>
・FNNプライムオンライン 定番バイトがなくなる? 国交省、秋の「交通量調査」の調査員廃止へ…理由を担当者に聞いた
https://www.fnn.jp/articles/-/241299?display=full
・GAZOO 「交通量調査」っていったい何を、どうやって調査しているの!?
https://gazoo.com/column/daily/22/03/20/
・転職スタディ 交通量調査バイトの評判まとめ!知らないと後悔するかも?意外にきつい実態
https://tenshokustudy.com/content/6250/
・求人ボックス 交通量調査 単発 バイトの求人情報 - 東京都
https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/

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