テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.11.12

世界で最も「平均年収が高い」国は?

 日本は世界で第三位の経済大国です。しかし、その豊かさはどうでしょう?GDPの総額が国の豊かさや幸福度を表しているとは言いがたい現状があります。個々人の豊かさの指標としてあるのが年収です。世界の国々でもっとも平均年収が高い国はどこになるのでしょう?

世界の平均年収ランキング

 世界の平均年収は、OECD(経済協力開発機構)の調査によって明らかになっています。

 2021年の国別ランキングをみてみましょう。2021年の平均為替レートとして1ドル110円で計算しました。

<順位:国名:平均年収>
1位:米国:\8,221,180
2位:ルクセンブルク:\8,102,270
3位:アイスランド:\7,925,170
4位:スイス:\7,585,270
5位:デンマーク:\6,746,410
6位:オランダ:\6,701,530
7位:ベルギー :\6,501,000
8位:ノルウェー:\6,421,470
9位:オーストリア:\6,400,790
10位:オーストラリア:\6,226,000

 1位のアメリカは、GDPの総額も1位であり、先進国のなかでも年収の上昇率の大きな国のひとつです。2020年のデータと比較しても大きく上昇しています。米国は都市部と地方での格差が大きいことから、ニューヨークやサンフランシスコなどの都市部の平均年収はさらに高いことが推察されます。

 2位のルクセンブルクと3位のアイスランドは2020年の順位が逆転し、4位以降ヨーロッパ諸国が続きます。

日本の平均年収は24位

 日本は2000年時点では、アジア諸国でもっとも平均年収が高い国でした。しかし、2020年に韓国に抜かされています。ちなみに韓国は20位、約470万円の平均年収になります。

 日本は、GDPの総額が世界3位であるのにも関わらず、2021年より順位を落とし、24位、平均年収は約437万円という結果でした。日本の平均年収は、この20年間ほぼ横ばいで、世界の先進国の多くが右肩上がりとなっていることから、日本経済の停滞感は否めません。

 参考までに、日本の前後のランキングも抜き出してみると、このような国々が並びます。

22位:リトアニア:\4,622,970
23位:イタリア:\4,484,370
24位:日本:\4,368,210
25位:スペイン:\4,312,220
26位:ポーランド:\3,692,260

 経済的な幸福度は、物価と連動する可処分所得との関連になりますが、平均年収の高いヨーロッパ諸国の税金の高さに応じた社会福祉制度の充実もあるので、暮らしやすさなど生活者としての実感や実態と重ねて見る必要がありそうです。

 2015年にノーベル経済学賞を受賞した米国プリンストン大学のアンガス・ディートン教授の研究によると、年収が800万円を超えていくと、年収と幸福度の相関があまり見られないとのこと。年収800万円までは年収が上がるに従い幸福度が上昇するものの、それ以降、年収が増えても幸福度はあまり変わらないということです。米国の平均年収がまさにそのボーダーに差しかかっており、米国民の幸福感が気になるところです。

<参考サイト>
・OECD:平均賃金 (Average wage)
https://www.oecd.org/tokyo/statistics/average-wages-japanese-version.htm
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

55年体制は民主主義的で、野党もブレーキ役に担っていた

55年体制は民主主義的で、野党もブレーキ役に担っていた

55年体制と2012年体制(1)質的な違いと野党がなすべきこと

戦後の日本の自民党一党支配体制は、現在の安倍政権における自民党一党支配と比べて、何がどのように違うのか。「55年体制」と「2012年体制」の違いと、民主党をはじめ現在の野党がなすべきことについて、ジェラルド・カ...
収録日:2014/11/18
追加日:2014/12/09
2

5Gはなぜワールドワイドで推進されていったのか

5Gはなぜワールドワイドで推進されていったのか

5Gとローカル5G(1)5G推進の背景

第5世代移動通信システムである5Gが、日本でもいよいよ導入される。世界中で5Gが導入されている背景には、2020年代に訪れるというデータ容量の爆発的な増大に伴う、移動通信システムの刷新がある。5Gにより、高精細動画のような...
収録日:2019/11/20
追加日:2019/12/01
中尾彰宏
東京大学 大学院工学系研究科 教授
3

マスコミは本来、与野党機能を果たすべき

マスコミは本来、与野党機能を果たすべき

マスコミと政治の距離~マスコミの使命と課題を考える

政治学者・曽根泰教氏が、マスコミと政治の距離を中心に、マスコミの使命と課題について論じる。日本の新聞は各社それぞれの立場をとっており、その報道の基本姿勢は「客観報道」である。公的異議申し立てを前提とする中立的報...
収録日:2015/05/25
追加日:2015/06/29
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授
4

BREXITのEU首脳会議での膠着

BREXITのEU首脳会議での膠着

BREXITの経緯と課題(6)EU首脳会議における膠着

2018年10月に行われたEU首脳会議について解説する。北アイルランドの国境問題をめぐって、解決案をイギリスが見つけられなければ、北アイルランドのみ関税同盟に残す案が浮上するも、メイ首相や強硬離脱派はこれに反発している...
収録日:2018/12/04
追加日:2019/03/16
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
5

健康経営とは何か?取り組み方とメリット

健康経営とは何か?取り組み方とメリット

健康経営とは何か~その取り組みと期待される役割~

近年、企業における健康経営®の重要性が高まっている。少子高齢化による労働人口の減少が見込まれる中、労働力の確保と、生産性の向上は企業にとって最重要事項である。政府主導で進められている健康経営とは何か。それが提唱さ...
収録日:2021/07/29
追加日:2021/09/21
阿久津聡
一橋大学大学院経営管理研究科国際企業戦略専攻教授