社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
覚えのない宅配は「代引詐欺」?対処法とは
コロナ禍のステイホーム期間を機に、通販サイトで買い物をする機会が増えたという人は多いでしょう。そうした中、玄関先でお金を支払う代引サービスを悪用した「代引詐欺」と呼ばれる詐欺が横行し、相談件数が増えているといいます。
今回は「代引詐欺」に遭わないための注意点、遭ってしまった場合の対処法を解説します。
最近は決済方法が多様化したことで、代引サービスを積極的に利用する機会は減ってきているかもしれません。しかし代引は注文したあとで支払うので、今月はクレカを使いたくない、商品が届くタイミングでお金を準備したい、確実に荷物を受け取りたい、といった時には便利です。
しかし昨今は、「宅配業者から“代引の商品をお届けします”といわれたけど、注文した覚えがない」「私が家にいない間に家族から、自分宛の代引の荷物を受け取ったという連絡が来た。帰宅して中身を確認したら、頼んでもいないものでびっくりした」といったように、注文していないはずの荷物が突然届き、つい支払ってしまった……という事例が増えているといいます。これが代引詐欺です。
中でも特に増えているのが、Amazonからの荷物を装った代引詐欺。いくつかの被害事例を見てみると、以下のような特徴があるようです。
・支払料金は数千円~数万円程度
・伝票に架空の連絡先が記載されている
・Amazonの注文履歴に頼んだ形跡がない(誰かが自分の名前を使っている)
荷物の中身を見ればすぐに「詐欺だ」と気づけますが、とはいえその場で荷物を開封するわけにもいかず、そのまま受け取ってしまう人がほとんどでしょう。Amazonはもともと利用者が多くリピートして使う人も多いため、突然荷物が届いたとしても、あまり警戒心を抱かずについ支払ってしまうかもしれません。
消費者庁が運営する国民生活センターによると、こうした代引詐欺は年々増えており、また送られてくるものも衣料品から雑貨、スマートフォン用品など多岐にわたっているとしています。
ギフトなのに代引を設定……というのは違和感がありますが、システム上可能なので、犯人はそれを悪用しているわけです。
では、犯人はなぜこのようなことをしているのでしょうか。一説には「Amazonポイントを不当に得ること」だといわれています。
Amazonポイントは、購入金額に合わせたポイント数が、支払いが完了したタイミングで付与されるものです。誰かへのギフトとして購入した商品なら、通常は発送者=購入者ですので、当然、購入かつ発送した本人にポイントが付与されます。
しかしこれが「代引設定」されると、発送者≠購入者ではなくなります。その結果、Amazonポイントは購入者(代引で支払う人)ではなく、犯人(発送者)に付与されることになるのです。代引で支払った後に詐欺だと気づいて返品・返金の手続きが完了する前に、付与されたAmazonポイントを使いこもうという手口なのです。
とはいえ、金額に対して付与されるAmazonポイントは、せいぜい数十円、多くても数百円程度。詐欺としてはあまり効率的とは思えません。そのため、代引詐欺は単なる「イタズラ目的」ではないかという見方もあります。
しかし被害が増えているとはいえ、被害金額がさほど高額ではないために、あまり表沙汰になっていないのが実情。そもそもアカウントやクレカを乗っ取って搾取するのと違い、どこかの会社の商品を送りつけて支払わせたところで、犯人に金銭的なメリットはほとんどありません。それが、この代引詐欺の不気味なところです。
警察も、このようなトラブルが多発していることは把握しているものの、捜査状況を公表していないため「誰が」「何のために」やっているのかは、今のところ不明となっています。
もしも荷物を受け取って料金を支払ってしまった場合は、通販サイトに連絡して、返品・返金の手続きをしてもらいましょう。Amazonではこうした代引詐欺に対するサポートがあり、返金は同額のAmazonギフト券か、または銀行口座への振込のようです。
それでも解決しない、ひっきりなしに代引詐欺の荷物がやってくるなどという場合は、国民生活センターか近くの消費者センター、あるいは警察に相談しましょう。
犯人の意図がどうであれ、金銭的な被害があり、かつ被害者にストレスを与えている時点で、代引詐欺は非常に悪質です。同様の被害がこれ以上増えないためにも、対処方法はしっかり押さえておきましょう。
今回は「代引詐欺」に遭わないための注意点、遭ってしまった場合の対処法を解説します。
代引詐欺とはどんなもの?
宅配で荷物が届いた時に、その場で宅配業者に現金で支払う代引サービス。今ほどネットショップが一般的でなかった時代からあるサービスなので、家族の誰かが荷物を代引で注文後、たまたま自分が受け取ることになり、(しぶしぶながら)立て替えた……なんて経験をした人も多いのではないでしょうか。最近は決済方法が多様化したことで、代引サービスを積極的に利用する機会は減ってきているかもしれません。しかし代引は注文したあとで支払うので、今月はクレカを使いたくない、商品が届くタイミングでお金を準備したい、確実に荷物を受け取りたい、といった時には便利です。
しかし昨今は、「宅配業者から“代引の商品をお届けします”といわれたけど、注文した覚えがない」「私が家にいない間に家族から、自分宛の代引の荷物を受け取ったという連絡が来た。帰宅して中身を確認したら、頼んでもいないものでびっくりした」といったように、注文していないはずの荷物が突然届き、つい支払ってしまった……という事例が増えているといいます。これが代引詐欺です。
中でも特に増えているのが、Amazonからの荷物を装った代引詐欺。いくつかの被害事例を見てみると、以下のような特徴があるようです。
・支払料金は数千円~数万円程度
・伝票に架空の連絡先が記載されている
・Amazonの注文履歴に頼んだ形跡がない(誰かが自分の名前を使っている)
荷物の中身を見ればすぐに「詐欺だ」と気づけますが、とはいえその場で荷物を開封するわけにもいかず、そのまま受け取ってしまう人がほとんどでしょう。Amazonはもともと利用者が多くリピートして使う人も多いため、突然荷物が届いたとしても、あまり警戒心を抱かずについ支払ってしまうかもしれません。
消費者庁が運営する国民生活センターによると、こうした代引詐欺は年々増えており、また送られてくるものも衣料品から雑貨、スマートフォン用品など多岐にわたっているとしています。
犯人の狙いはAmazonポイントか
犯人はどのようにして荷物を送ってきているのかというと、Amazonの『ギフト』という発送方法を利用しているのではと考えられています。犯人は何かしらの方法で送り先の氏名と連絡先を入手すると、『ギフト』という形で商品を購入、支払方法を『代引』に設定して発送しているのです。ギフトなのに代引を設定……というのは違和感がありますが、システム上可能なので、犯人はそれを悪用しているわけです。
では、犯人はなぜこのようなことをしているのでしょうか。一説には「Amazonポイントを不当に得ること」だといわれています。
Amazonポイントは、購入金額に合わせたポイント数が、支払いが完了したタイミングで付与されるものです。誰かへのギフトとして購入した商品なら、通常は発送者=購入者ですので、当然、購入かつ発送した本人にポイントが付与されます。
しかしこれが「代引設定」されると、発送者≠購入者ではなくなります。その結果、Amazonポイントは購入者(代引で支払う人)ではなく、犯人(発送者)に付与されることになるのです。代引で支払った後に詐欺だと気づいて返品・返金の手続きが完了する前に、付与されたAmazonポイントを使いこもうという手口なのです。
とはいえ、金額に対して付与されるAmazonポイントは、せいぜい数十円、多くても数百円程度。詐欺としてはあまり効率的とは思えません。そのため、代引詐欺は単なる「イタズラ目的」ではないかという見方もあります。
代引詐欺の明確な意図は不明
こうした代引詐欺が横行する背景には、やはり通販サイトの利用増加が一因とされます。しかし被害が増えているとはいえ、被害金額がさほど高額ではないために、あまり表沙汰になっていないのが実情。そもそもアカウントやクレカを乗っ取って搾取するのと違い、どこかの会社の商品を送りつけて支払わせたところで、犯人に金銭的なメリットはほとんどありません。それが、この代引詐欺の不気味なところです。
警察も、このようなトラブルが多発していることは把握しているものの、捜査状況を公表していないため「誰が」「何のために」やっているのかは、今のところ不明となっています。
代引詐欺に遭わないためには?
まずは大前提として「不審な荷物は受け取らない」ということ。届いた荷物に心当たりがない場合、宅配業者(ドライバー)の人にそのように伝えればそのまま持ち帰ってもらえることができます。家族や同居人にも、届く予定の荷物があるかないか、ない場合は受け取らない旨を、しっかり共有しておくことが何よりも大切です。支払方法を「クレジットカード」限定にしておけば、代引の荷物が来ても「おかしい」とすぐ気づけるので、オススメです。もしも荷物を受け取って料金を支払ってしまった場合は、通販サイトに連絡して、返品・返金の手続きをしてもらいましょう。Amazonではこうした代引詐欺に対するサポートがあり、返金は同額のAmazonギフト券か、または銀行口座への振込のようです。
それでも解決しない、ひっきりなしに代引詐欺の荷物がやってくるなどという場合は、国民生活センターか近くの消費者センター、あるいは警察に相談しましょう。
犯人の意図がどうであれ、金銭的な被害があり、かつ被害者にストレスを与えている時点で、代引詐欺は非常に悪質です。同様の被害がこれ以上増えないためにも、対処方法はしっかり押さえておきましょう。
<参考サイト>
・代引きで身に覚えのない荷物が送られてきた(独立行政法人国民生活センター)
https://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2019_05.html
・代引きで身に覚えのない荷物が送られてきた(独立行政法人国民生活センター)
https://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2019_05.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
国家は助けてくれない…「三田会」誕生への大きな経験
独立と在野を支える中間団体(6)慶應義塾大学「三田会」の起源
中間集団として象徴的な存在である慶應義塾大学「三田会」について考える今回。三田会は単に同窓会組織として存在しているわけではなく、「公」に頼れない場合に重要な役割を果たすものだった。その三田会の起源について解説す...
収録日:2024/06/08
追加日:2024/11/22
日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化
日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化
大転換期の真っ只中にいるわれわれにとって、日本の特性を強みとして生かしていくために忘れてはいけないことが二つある。一つは日本が森林山岳海洋島国国家であるというその地理的特性。もう一つは、日本文化の根源としての縄...
収録日:2020/02/05
追加日:2020/09/16
謎多き紫式部の半生…教養深い「女房」の役割とその実像
日本語と英語で味わう『源氏物語』(1)紫式部の人物像と女房文学
日本を代表する古典文学『源氏物語』と、その著者である紫式部は、NHKの大河ドラマ『光る君へ』の放映をきっかけに注目が集まっている。紫式部の名前は誰もが知っているが、実はその半生や人となりには謎が多い。いったいどのよ...
収録日:2024/02/18
追加日:2024/10/14
対談 | 林望/ロバート キャンベル
次の時代は絶対にアメリカだ…私費で渡米した原敬の真骨頂
今求められるリーダー像とは(3)原敬と松下幸之助…成功の要点
猛獣型リーダーの典型として、ジェネラリスト原敬を忘れてはならない。ジャーナリスト、官僚、実業家、政治家として、いずれも目覚ましい実績を上げた彼の人生は「賊軍」出身というレッテルから始まった。世界を見る目を養い、...
収録日:2024/09/26
追加日:2024/11/20
国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題
教養としての「人口減少問題と社会保障」(4)増え続ける社会保障負担
人口減少が社会にどのような影響を与えるのか。それは政府支出、特に社会保障給付費の増加という形で現れる。ではどれくらい増えているのか。日本の一般会計の収支の推移、社会保障費の推移、一生のうちに人間一人がどれほど行...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/11/19