テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2023.12.28

古いお守りはどうやって処分すべき?

 神社やお寺でいただけるお守り(授与品)。しかしお守りはいつまで持っていればいいのか、また役目を終えたあとのお守りはどうすればいいのか、判断に迷いますよね。持ち続けるわけにもいかず、さりとてそのままゴミ箱に捨てるのは気が引けるものです。お守りはいつ、どのように処分するのがよいのでしょうか。

お守りの有効期限

 厳密に有効期限が決まっているわけではありませんが、お守りやお札は概ね1年程度で手放したほうがよいとされます。もちろん安産守りや合格祈願守りなど目的が決まっているものの場合は、それが終了したタイミングでお守りも手放すほうがよいでしょう。

 気に入ったお守りは手放しにくいかもしれませんが、時が経つにつれてお守りのパワーは弱まっていきますし、古いものには邪気や穢れが溜まりやすくなるので、長く持ち歩くのは避けたほうがよいとされます。

古いお守りはさずかった寺社へ直接返納

 古くなった授与品の正しい処分方法は「実際にお守りをさずかったお寺・神社へ直接行き、指定した場所へ納める」です。授与品はその土地の神様・仏様の力を形にして分けていただくものですので、これまで心身を守っていただいた御礼をこめて、元の場所にお返しするように心がけましょう。

 神社は「古札(こさつ)納め所」、お寺では「納札所」という名の場所があり、そこで古いお守りやお札を集めています。おみくじや絵馬、破魔矢もOKです。

 集められた古い授与品は12月31日の大晦日の夜に行われる「お焚き上げ」や、小正月である1月15日の「どんど焼き」といった形で燃やされます。燃やすことで古札を清め、煙とともに神様に天に帰っていただくという意味があるそうです。どんど焼きの場合は、その年のお正月で使った正月飾りなども持ち込むことができます。

 引っ越しのため遠くなってしまった、旅行先で訪れたなど、寺社が遠方であるために直接返納しにいくのが難しい場合は、近隣でも同じ神様をまつる神社、同じ宗派のお寺であれば、そこへ返納する形でも問題ありません。また、寺社によっては古いお守りの郵送を受け付けているところもあります。

返納する際の注意

 お守りを寺社に持ち込む際は、以下の点に注意してください。

・神社とお寺を混同しない
 神社は神道、お寺は仏教の施設です。似たものと考えがちですが、信仰対象が違いますので混同せず、それぞれの場所でそれぞれのお守りを納めるようにしましょう。またお寺の場合は浄土宗、曹洞宗など宗派があるので、もしも別のお寺のお守りを納める場合は、同じ宗派であるかを確認しましょう。

・納め所がない場合もある
 小さな寺社には納め所が設置されない場合があります。また年末年始のみなど、設置されるのは一時期だけということもあるので注意が必要です。

・不燃物は外す
 古いお守りは焼却されるため、プラスチックや金属など、燃やせないものはあらかじめ外してから納め所に入れるようにしましょう。

・有料になる場合もある
 寺社によっては、複数のお守りを預かる場合や郵送で受け付ける場合、有料となるケースがあります。

 いずれの場合でも、迷ったら必ず寺社に確認するようにしましょう。

家でお守りを処分する時は

 さまざまな事情から寺社に返納ができないという場合は、家で処分することもできます。この時、白い紙の上にお守りを置き、その上から塩をふりかけて浄化させましょう。その後、紙につつんでそのまま可燃ゴミとして出して構いません。自宅での野焼きは、火災の原因となりますので控えましょう。

<参考文献・参考サイト>
・『神さまとつながる100の開運神社めぐり』(白鳥詩子 著/三笠書房)
・お守りの返納・処分方法、違う神社に返納しても良い?正しい捨て方を解説(お焚き上げコラム)
https://www.yutokusan.jp/media/16/
・古いお守りの正しい返納・処分方法とタイミング(いい葬儀)
https://www.e-sogi.com/guide/18482/
・お守りの処分方法は?自宅でOK?6つの処分の仕方と注意点(そうぞくドットコム)
https://so-zo-ku.com/article/funeral/other-funeral/5132
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために

百年後の日本人のために、共に玉砕する仲間たちのために

大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(4)百年後の日本人のために

硫黄島の戦いでの奇跡的な物語を深く探究したノンフィクション『大統領に告ぐ』。著者の門田隆将氏は、「読者の皆さんには、その場に身を置いて読んでほしい」と語る。硫黄島の洞窟の中で、自分が死ぬ意味を考えていた日本人将...
収録日:2025-07-09
追加日:2025/08/15
門田隆将
作家 ジャーナリスト
2

なぜウェルビーイングが大事?DEIとの関係と価値の多様化

なぜウェルビーイングが大事?DEIとの関係と価値の多様化

DEIの重要性と企業経営(2)人的資本経営とウェルビーイング経営

今、企業の中に「人的資本経営」が急速に浸透している。経産省の定義によると、人的資本経営とは、人材を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方のこと。類似する概念と...
収録日:2025-05-22
追加日:2025/08/15
山本勲
慶應義塾大学商学部教授
3

全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機

全ては経済?…米中対立の現状とリスクが高まる台湾危機

トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(2)米中対立の現在地

世界第一、第二の経済力を誇る米中の対立は由々しい問題である。第1次トランプ政権下で始まった対立はバイデン政権に継承されてきたが、トランプ第2次政権では主題はもっぱら経済に集中している。われわれも米中協議の行方を注...
収録日:2025-06-23
追加日:2025/08/14
佐橋亮
東京大学東洋文化研究所教授
4

日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本

日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本

戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来

日本陸軍は戦前の歴史をどう動かしたのか。シリーズでは陸軍の皇道派と統制派がどのような考えのもとに動いたかを論じる。第1話の今回はまず、第一次大戦が世界史的にいかなる意味を持ったかについて解説する。(全7話中第1話)
収録日:2018-12-25
追加日:2022/08/12
中西輝政
京都大学名誉教授 歴史学者 国際政治学者
5

なぜ社会的時差ボケになる?若者の夜型傾向とうつの関係

なぜ社会的時差ボケになる?若者の夜型傾向とうつの関係

睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(3)夜型人間と社会的時差ボケの関係

「夜型人間ほど社会的時差ボケは大きい」――つまり社会的時差ボケには、いわゆる夜型の生活習慣が大きく関わっているということだ。また、実はそうした睡眠のリズムは、持って生まれた遺伝子の影響も無視できないという。クロノ...
収録日:2025-01-17
追加日:2025/08/16
西多昌規
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 早稲田大学睡眠研究所所長