社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
『二千円札』はどこへ消えた?
みなさんは、二千円札を覚えていますか。お札といったら、千円札、五千円札、一万円札が一般的ですが、かつて二千円札というものが発行されていました。できてからしばらくは、「月に何回か目にしたことがある」という方も少なくないでしょう。集めようと思えば一年に20枚くらい集められるといった状況でしたが、今はすっかり見なくなってしまいました。では、一体どこに行ってしまったのでしょうか?
二千円札はどのくらい発行され、人の手に渡ったのでしょうか。製造された数はおよそ8億8千万枚だそうです。すべてが出回ったというわけではないと思いますが、一時期は5千円札よりも流通したといいます。しかしその後、流通する二千円札の数はどんどん減っていき、2003年から製造中止となってしまいました。
日本では、それまで千円札の次は五千円札でした。一方、海外では20セント硬貨、20ポンド紙幣といったように、2のつくお金が日常的に使われています。もし日本にも二千円札があれば、おつりを出すときに役立ちます。二千円分買ったときは二千円札を1枚出せば済みますし、千円買って五千円札を出したときは二千円札2枚、というふうにやりとりすると、お札の枚数は少なくて済む、ということです。つまり、アメリカでいうドル札が10、20、50とあるように、より合理的に計算ができるのでは、というのもひとつの狙いだったのかもしれません。
さらに、ATMによる二千円札の対応の遅れや、両替機や自動販売機の未対応といった事態に、「使い勝手が悪い」というマイナスイメージも定着してしまいました。
「日本人は2という数字に弱いのでは」という説もあるそうですが、昔は二銭、二十円紙幣などがあったので、その真偽は謎のまま。
二千円札発行と同じ年にサミットが行われた場所であること、沖縄の守礼門が描かれていることからか、沖縄では二千円札普及のために力を入れているのだとか。また、本土復帰前には米ドル(20ドル札)を使っていたことから、県民がその利便性をわかっており、使い慣れていたのかもしれない、ということでした。調べていくと、結構複雑な事情もからんでいそう。奥が深いです。
それから、ごくたまにですが、都内の私鉄に設置されている自動券売機で手に入ることもあるそうです。もし出てきたら大事にしまっておきたい、かも。
二千円札は記念紙幣ではない
二千円札が発行されたのは2000年7月のこと。第26回主要国首脳会議(沖縄サミット)と同時に生まれました。西暦の数字とマッチしていることから記念紙幣のように思えますが、そうではなく、その後も発行を続けるということを見越したものでした。二千円札はどのくらい発行され、人の手に渡ったのでしょうか。製造された数はおよそ8億8千万枚だそうです。すべてが出回ったというわけではないと思いますが、一時期は5千円札よりも流通したといいます。しかしその後、流通する二千円札の数はどんどん減っていき、2003年から製造中止となってしまいました。
意外と便利な二千円!?
では二千円札にはどんな意味があったのでしょうか。ネットや書籍などでも見かけますが、それは「2」という数字に関するものです。日本では、それまで千円札の次は五千円札でした。一方、海外では20セント硬貨、20ポンド紙幣といったように、2のつくお金が日常的に使われています。もし日本にも二千円札があれば、おつりを出すときに役立ちます。二千円分買ったときは二千円札を1枚出せば済みますし、千円買って五千円札を出したときは二千円札2枚、というふうにやりとりすると、お札の枚数は少なくて済む、ということです。つまり、アメリカでいうドル札が10、20、50とあるように、より合理的に計算ができるのでは、というのもひとつの狙いだったのかもしれません。
なぜ製造中止になったのか?
そんな狙いもあった?二千円札でしたが、なぜ製造中止になったのでしょうか。調べていくと、いろいろとわかってきました。実は二千円札が出回り始めてから、おつりがわかりづらい、という苦情が多くあったそうです。お客さん側の不満が大きいので、コンビニや飲食店では二千円札を出さないという決まりをつくるところもあったとか。それではますます二千円札が出回らなくなりますね。さらに、ATMによる二千円札の対応の遅れや、両替機や自動販売機の未対応といった事態に、「使い勝手が悪い」というマイナスイメージも定着してしまいました。
「日本人は2という数字に弱いのでは」という説もあるそうですが、昔は二銭、二十円紙幣などがあったので、その真偽は謎のまま。
二千円札が4000万枚以上流通している県がある
でも、二千円札の数は変わらないのだから、どこかに存在しているはず。実は、二千円札が4000万枚以上流通していると言われている県があります。それは沖縄県。自動販売機でも対応していて、お店やATMでも手に入れることができるそうです。二千円札発行と同じ年にサミットが行われた場所であること、沖縄の守礼門が描かれていることからか、沖縄では二千円札普及のために力を入れているのだとか。また、本土復帰前には米ドル(20ドル札)を使っていたことから、県民がその利便性をわかっており、使い慣れていたのかもしれない、ということでした。調べていくと、結構複雑な事情もからんでいそう。奥が深いです。
それから、ごくたまにですが、都内の私鉄に設置されている自動券売機で手に入ることもあるそうです。もし出てきたら大事にしまっておきたい、かも。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
“死の終りに冥し”…詩に託された『十住心論』の教えとは
空海と詩(4)詩で読む『秘蔵宝鑰』
“悠々たり悠々たり”にはじまる空海『秘蔵宝鑰』序文の詩文。まことにリズミカルな連呼で、たたみかけていく文章である。このリフレインで彼岸へ連れ去られそうな魂は、選べる道の多様さと迷える世界での認識の誤りに出会い、“死...
収録日:2024/08/26
追加日:2024/11/23
国家は助けてくれない…「三田会」誕生への大きな経験
独立と在野を支える中間団体(6)慶應義塾大学「三田会」の起源
中間集団として象徴的な存在である慶應義塾大学「三田会」について考える今回。三田会は単に同窓会組織として存在しているわけではなく、「公」に頼れない場合に重要な役割を果たすものだった。その三田会の起源について解説す...
収録日:2024/06/08
追加日:2024/11/22
日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化
日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化
大転換期の真っ只中にいるわれわれにとって、日本の特性を強みとして生かしていくために忘れてはいけないことが二つある。一つは日本が森林山岳海洋島国国家であるというその地理的特性。もう一つは、日本文化の根源としての縄...
収録日:2020/02/05
追加日:2020/09/16
国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題
教養としての「人口減少問題と社会保障」(4)増え続ける社会保障負担
人口減少が社会にどのような影響を与えるのか。それは政府支出、特に社会保障給付費の増加という形で現れる。ではどれくらい増えているのか。日本の一般会計の収支の推移、社会保障費の推移、一生のうちに人間一人がどれほど行...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/11/19
謎多き紫式部の半生…教養深い「女房」の役割とその実像
日本語と英語で味わう『源氏物語』(1)紫式部の人物像と女房文学
日本を代表する古典文学『源氏物語』と、その著者である紫式部は、NHKの大河ドラマ『光る君へ』の放映をきっかけに注目が集まっている。紫式部の名前は誰もが知っているが、実はその半生や人となりには謎が多い。いったいどのよ...
収録日:2024/02/18
追加日:2024/10/14
対談 | 林望/ロバート キャンベル