松下幸之助の人づくり≪1≫真のリーダーとは
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松下幸之助の人づくり≪1≫真のリーダーとは(5)あんた、姿見持っとるか―運と愛敬
松下幸之助(パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者)
松下幸之助は、リーダーの条件として、「運と愛敬」のある人、と語っている。松下政経塾入塾の際の選考基準も、実はこの「運と愛敬」であり、幸之助は面接の際に「君は、運と愛敬があるか?」と志願者に尋ね、「ある」と答えた人が合格したといわれている。しかし、運と愛敬の有無など、どうやって見分ければよいのだろうか――。元パナソニック株式会社代表取締役副社長で公益財団法人松下政経塾理事長兼塾長・佐野尚見氏と松下政経塾第1期生で第95代内閣総理大臣・野田佳彦氏の二人が、「運と愛敬」を定義する。(第1章5話目)
時間:11分00秒
収録日:2015年6月17日
追加日:2015年11月23日
カテゴリー:
≪全文≫

●良いところを探す


 見方、考え方を相手が変えるのではなく、自分の側から変えていくということも必要。相手が変わるという場合も、自分から変えていくということも必要。両方とも必要。

 ということは行き詰まるということは、必ず通じる。どんなことにも通じる。だから一方的に見ず、各面から見る。そうしたら必ず、良いところがある。その良いところを使おう。そうしないと、世間が狭くなる。世間が狭くなったらいけない。世間はもう広大無限だから、いくらでも君一人ぐらい容れることは日本でできる。日本で容らないなら、今度は君、サハラ砂漠に行ったらいくらでもできる。そこでもいい。

 だから、自分の小さい頭で判断して、決定したらいけない。僕らでも一応決定しないといけないことは決定するけれど、次の瞬間には、間違っているんじゃないかと反省して、間違っていたら取り替える。そうして、私の今日がある。だから、君もそう思うなら、前途洋々たるものだな。


●「あかん」でも「ええ」と思う


 君の言う通りだと思いますね。運の強さをそう信じることによって、楽になる。「俺はもうあかん、何をしてもあかん」などと思ったらいけない。「あかん」でも「ええ」と思うようにする。

 第一、ここの塾に入ったということは、もう運が強い証拠です。私はそう思う。自ら悲観して、自らを不幸せにする人は、結構な状態にあっても「いや、もう俺はあかん」と言う。そんなことになったら、もうおしまいです。といって、あまりに信じすぎて、それが重荷になってもいけない。正当に判断することが大切ですね。

 私の場合、なんでもないのに「運が強い」というわけではない。私は二回、経験している。当然、死んでいるところだった。にもかかわらず、こうやって生きて、ここまでやってきたということは、これは「運が強い」というふうに思わなかったらうそです。正直に、素直に考えてそうなのであって、誇張でもなんでもない。


●毎日姿見を見て、おじぎの仕方や笑い方を練習しろ


野田 実際に政治家になるのは、非常に難しいとは思いますけれども、まあ地道に努力していくしかないと思っています。

松下 今からその準備をしているの?

野田 はい。

松下 うん。なかなかね、政治家になるのは、仕事よりも(難しい)。

野田 はい。

松下 政治家になるということは、難しい。政治そ...

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