日本 呪縛の構図~日本の重要性と懸念
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
戦後日本の経済的奇跡は時代の特異な環境がもたらした
日本 呪縛の構図~日本の重要性と懸念(2)日本の発展モデル(英語版)
筑波大学名誉教授R・ターガート・マーフィー氏は、戦後日本の経済復興と高度成長を、あの時代の特異な環境がもたらした成果だったと位置付ける。その上で同氏は、日本が産み出した成長モデルこそ、その後のアジア地域に広まり、そして米ドルを基軸とする体制と表裏一体となって、現在の政治経済を支えてきたと述べる。(2016年12月6日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「日本 呪縛の構図~この国の過去、現在、そして未来」より、全6話中第2話、英語版)
時間:5分51秒
収録日:2016年12月6日
追加日:2017年2月9日
≪全文≫

●日本の「経済的奇跡」は、「奇跡」ではない


So the first lesson that I wanted people to take away from this book, the first lesson was the so-called economic miracle of the 1950s and 1960s, maybe it wasn't a miracle, but it is really the key to understanding the contemporary, not just contemporary Japan, but the contemporary global political and economic and financial order.

 私がこの本『日本 呪縛の構図』を通して知っていただきたかった最初のことは、1950年代から60年代にかけてのいわゆる「経済的奇跡」(戦後復興と高度成長)です。これはおそらく「奇跡」などではなかったのですが、現代の日本のみならず、グローバルな政治経済、そして金融の在り方を理解する上でも、この「奇跡」はキーになるものです。

The economic miracle so-called was rooted in the peculiar circumstances of the early 1950s and I am really hoping that scholars and other interested people will revisit those days and the early postwar world. There is a tendency now among a lot of analysts to pooh-pooh what happened. You know, they say, well Japan was really unique, West Germany was doing the same thing, METI was arrogantly picking winners, which turned in the long ― out in the long turn to be a bankrupt strategy.

 日本の「経済的奇跡」の発端は、1950年代初頭の特異な環境にありました。私は、研究者や日本に興味がある人々に、ぜひこの戦後の歴史を振り返ってもらいたいと思います。多くの経済アナリストが、この時代に起こったことを軽んじる傾向があります。彼らは言います。「日本は確かにすごかったが、西ドイツだって同じことをやった。通産省は傲慢にも、成功しそうな企業だけを援助したのだ」と。後になって、そのやり方には意味がないと分かったのですが。

But we really need to look back at the circumstances of those years. First of all, Japan was facing a harrowing balance of payments situation. Secondly, the U.S. was becoming increasingly impatient after drain of helping Japan. Thirdly, the obvious escape or the obvious solution to these problems, which were export sales to China were closed, because the U.S. would not ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
中国の「なぜ」(1)なぜ「中国は一つの国なのか」
武力で負けても文化で勝つ? 恐るべし「中原」の同化力
石川好

人気の講義ランキングTOP10
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
編集部ラジオ2025(30)西野精治先生に学ぶ「熟睡の習慣」
熟睡できる習慣や環境は?西野精治先生に学ぶ眠りの本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
中国共産党と人権問題(2)中国共産党は超法規的存在?
国家の上に存在する中国共産党はどのような組織なのか
橋爪大三郎
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
『孫子』を読む:行軍篇(5)敵の動向と窮寇の見極め
窮寇の見極め―慎重に、真摯に、冷静に敵を観察せよ
田口佳史