日本 呪縛の構図~日本の重要性と懸念
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
日本の将来で最も懸念するのは「日米安保体制」
日本 呪縛の構図~日本の重要性と懸念(5) 憲法改正と安全保障問題(英語版)
筑波大学名誉教授R・ターガート・マーフィー氏が日本の将来に対して最も懸念するのは、日米安保体制だ。トランプ氏が新大統領となり、もはや世界のリーダーを担いきれないことをアメリカ自身が自覚し始めた現在、日米安保体制見直しの必要性が問われている。しかしその前に、やるべきことがあるとマーフィー氏は言う。それはいったい何か。(2016年12月6日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「日本 呪縛の構図~この国の過去、現在、そして未来」より、全6話中第5話、英語版)
時間:4分23秒
収録日:2016年12月6日
追加日:2017年3月2日
≪全文≫

●日米安保体制を見直すべき理由


Finally, now that I have finished talking about lessons, let me just finish what I worried about, what I hope Japanese readers might take away from this book.

 最後に、今回の話を終えるにあたり、私が懸念し、日本の読者にぜひ知ってほしいことを述べたいと思います。

I suppose the most controversial part of the book at least for Japanese readers is my suggestion that relying forever on the U.S. to provide for Japan security, may ultimately be dangerous.

 私が本の中で提案したことの中で、最も議論を呼びそうなのは、日米安保のことでしょう。日本の安全保障をアメリカにずっと頼るのは、究極的には危険なことだと本の中で述べました。

The cost to the U.S. of maintaining a worldwide network of military installations and alliances, the cost of having the U.S. service the market of last resorts, the cost of having its currency serve as the world’s currency, today these are largely been hidden. But I think, they are becoming more obvious and I think this is the ultimate explanation for the increasing unpredictability of American politics that culminated in the election of Donald Trump, which confounded the entire American policy establishment as well as the American media and academic establishment.

 世界中の国に展開する米軍とその基地を維持していくコスト、世界経済の最後の頼みとしてアメリカが支払うコスト、世界の基軸通貨としての機能を維持するためのコスト、今日これらがどのくらいの規模に相当するかは、ほとんど測りきれないくらい膨大です。しかしアメリカ人は、もはやアメリカがその役割を担いきれないことに気付き始めています。そしてそのことが、ドナルド・トランプ氏を新大統領にしてしまうといった、アメリカ政治における不確実性増大の理由を、最終的に説明すると思います。あれ(アメリカ大統領選挙の結果)は、アメリカのメディアや知識人のみならず、政治的支配層全体が大きく困惑した出来事でした。


●憲法改正と安保体制見直しの前にやるべきこと


So this may suggest that I should be a supporter of the Prime Minister Abe’s attempt to rewrite the constituti...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫

人気の講義ランキングTOP10
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(5)『秘蔵宝鑰』が示す非二元論的世界
雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命
鎌田東二
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子