IoTとは何か~モノのインターネットの本質
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
IoT時代に必要なのはAPIのオープン化
IoTとは何か~モノのインターネットの本質(3)家電をネットにつなぐために必要なこと
坂村健(YRPユビキタス・ネットワーキング研究所 所長/東洋大学情報連携学学術実業連携機構機構長/東京大学名誉教授)
かつて日本では、家庭用の電化製品をネットにつなげる試みが流行した。しかしその時に生じた大きな問題は、それをクローズなシステムにしてしまったことであると、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長で東洋大学情報連携学部学部長の坂村健氏は述べる。IoT時代に必要なのは、自社の製品をネットで囲い込むのではなく、誰もが制御可能になるよう、APIを公開することだ。(全9話中第3話)
時間:6分36秒
収録日:2016年12月2日
追加日:2017年4月6日
≪全文≫

●日本の家電メーカーがしていた「勘違い」


 一昔前に、わが国で「スマートホーム」とか「未来のうち」というものが流行したことがあります。実は私も、そういう研究を随分長らくしていました。私は研究者ですので、常にオープンに、家の中にある家庭電化製品でコンピューターを入れたモノを、全て自由につなげるようにしようということを研究していました。研究者としては、そういうことをやるわけですが、問題はそれをビジネスに移行しようとしたときに、日本の家電メーカーが何をやったかということです。

 残念なことに、ここではオープンではなく、クローズな戦略が取られてしまいました。どういうことかというと、例えば「A社の家電製品はA社同士ではつながるが、他社のものとはつながらない」とか、「そういうものをコントロールするプログラムは、その会社が提供するスマホのプログラム以外では制御できない」というようにしてしまったのです。これがクローズということです。

 しかしよく考えてみれば分かるように、どこか特定の電機会社の家電製品だけしか買わない人はいませんよね。しかも最近のスマホで言えば、いろいろな人たちがいろいろな携帯を持っています。それを使いやすくするためのソフトウエアがつくられます。だから、たとえ同じことやるにしても、ソフトウエアは、スマホに合わせてたくさんつくられます。それでは選ぶことができません。あるA社という会社の家電製品をコントロールするには、A社のプログラムでしかできないとなったら、他のプログラムからは同じことはできないわけです。

 ここが非常に重要なことです。IoTとは、モノがオープンにつながることで、初めてうまくいきます。それと、非常に相反するわけです。今の日本の家電メーカーがやっているのはそういうことです。A社のものはA社のものでしかつながらないし、A社のソフトでしかコントロールできないというようになっています。


●IoT化の核となるAPIのオープン化


 モノをコントロールするときに一つ覚えておいていただきたい言葉が、「API」です。コンピューターの専門家もよく使いますが、最近では一般的になってきましたので、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。

 APIとは、Application Program Interfaceの頭文字を取ったものです。例えば「スイッチをオンにしなさい/オフにしなさい」という命令を、ネッ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(4)「国のかたち」を守った男たち
全責任をかぶることを恐れず本義を貫く…樋口季一郎の決断と行動
門田隆将
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(4)注目されるタスクベース・アプローチ
AIは「まあまあの技術」?…タスクベース・アプローチでわかること
宮本弘曉
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(1)因果関係とは何なのか
原因と結果の迷宮―因果関係と哲学
一ノ瀬正樹
百人一首の和歌(1)謎の多い『百人一首』
『百人一首』の歌が選ばれた理由とは?今も残る3つの謎
渡部泰明
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
50代からの親の介護~その課題と準備(3)仕事と介護の両立のために
介護離職は最後の手段、介護休業制度を上手に活用すべし
太田差惠子
いま夏目漱石の前期三部作を読む(8)『門』の世界観と日本の近代化
伊藤博文暗殺…日本近代化で本当にいいことがあったのか
與那覇潤
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳