IoTとは何か~モノのインターネットの本質
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ロンドン五輪の遺産となったオープンデータ
IoTとは何か~モノのインターネットの本質(8)データ公開に乗り出した日本企業の試み
坂村健(YRPユビキタス・ネットワーキング研究所 所長/東洋大学情報連携学学術実業連携機構機構長/東京大学名誉教授)
2012年のロンドン五輪では、さまざまなデータが公開され、それを活用したソフトウエア開発が進んだ。YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長で東洋大学情報連携学部学部長の坂村健氏によれば、日本でも、自社のデータをオープン化してイノベーションを模索する民間企業が現れている。この回では、交通や物流の企業と連携した取り組みを紹介する。(全9話中第8話)
時間:10分58秒
収録日:2016年12月2日
追加日:2017年4月16日
≪全文≫

●ロンドン五輪がもたらした、新たな情報公開のスタイル


 ロンドンでやった例ですが、2012年のオリンピック・パラリンピックがきっかけになり、ロンドン市当局が、外国から訪れた人を対象に、競技場に行ってもらったりホテルに行ってもらったりするための情報サービスをやろうとしました。道路が混雑している所から、ロンドンの地下鉄の動的データまで、いろいろな情報を出しました。

 例えば、どこがホームかとか、どうすればホームに出られるかといった情報を地図の上に出したり、車椅子の人がエレベーターに乗る場合はどこに行ったらいいのかを示したりするのは、スタティック(静的)なデータです。これに対して動的データというのは、電車が現在どこにいるのかといった運行データが、リアルタイムにどんどん来るようになることを言います。これは、ものすごく役に立ちます。

 日本と違って特にロンドンなどは、電車が来るのか来ないのか分かりませんから、すごくいら立ちますね。日本の場合だと、時刻表通りに来ることが割と多いですが、日本でもバスを待つときには、交通の状況によって、もう出てしまったのか、まだ待っていれば来るのかといったことをやはり知りたくなりますよね。

 そういう動的な交通情報が欲しくなるのですが、ロンドンはオリンピックの時に、思い切ってそういうものを全部オープンデータにしました。そして、それをいろいろな企業に公開します。さらにロンドン市自身も作ったデータもありますが、それよりももっと面白いのは、いろいろな人がそのデータを活用して、どうやったらロンドンの中を、外国から来た人が自由に移動できるのかを案内するソフトがたくさん公開されたことです。


●オープンデータは五輪のレガシーになった


 この効果が非常に高かったということで、オープンデータもオリンピックの重要かつ貴重なレガシー、遺産になりました。今でも、多くの交通系アプリやサービスが、このオープンデータをもとに続々と生まれています。ロンドンは、最初の1年だけでも経済効果が25~98億円ぐらいあったではないかと言われています。とにかく、ものすごくいろいろな影響を与えたのではないかと思います。

 これと同じことが、2016年にリオデジャネイロ(以下、リオ)でもありました。data.rioという形で、リオでもいろいろなデータが公開されています。もう交通だけではなく、歴...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫
進化的人間考~ヒトの性質と異様な現代社会(1)進化のスパンと現在の人間生活
ヒトの進化史を文明の発展の時間軸から考える
長谷川眞理子
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『貞観政要』を読む(2)著作に登場する人物たち
房玄齢・杜如晦・魏徴・王珪―太宗の四人の優れた側近
田口佳史
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(2)“変わり者”の生かし方と後継者選び
「人材の組み合わせ」こそ「尖った才能」を輝かせる必勝法
水野道訓
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己