少子高齢化と財政の役割
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「こども保険」はそもそも「保険」と言えるのか?
少子高齢化と財政の役割(11)教育と育児
田中秀明(明治大学公共政策大学院専任教授)
明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授・田中秀明氏の連続講義「少子高齢化と財政の役割」。第11回目は、「こども保険」の提案で注目の集まる教育と育児問題が議論される。子どもの教育や育児の重要性を否定する人はいないが、「こども保険」とはどんなリスクに備えるためのものか。そして、その財源は?(全12話中第11話)
時間:15分12秒
収録日:2017年8月28日
追加日:2017年10月3日
カテゴリー:
≪全文≫

●話題の「こども保険」をどう考えるべきか


 第11回は、最近話題の教育と育児について議論したいと思います。最近の話題というのは、自民党の「2020年以降の経済財政構想小委員会から出てきた「こども保険」の提案です。われわれの年金保険料を上乗せ徴収して、育児教育や保育所などのためにそのお金を使ってはどうかという提案がなされました。

 子どもの教育や育児の重要性を否定する人は誰もいません。ご承知のように保育所が足りない問題も顕在化しています。果たして皆さんはこども保険について、あるいは、やはり自民党から提案されている高等教育の無償化について、どう思われるでしょうか。

 教育の問題を議論する前に、教育関係のデータを簡単に紹介したいと思います。

 まず、公的・私的に教育費として使ったお金をGDP比で見たものが、この図になります。残念ながら日本は、先進諸国の中で非常に低い状況になっています。低いだけではなく、日本の教育費は、私的負担と呼ばれる家計負担の割合が非常に高いことも問題です。

 皆さんがそれぞれ思い当たるように、例えば塾に結構お金を使いますし、大学の進学費用もあります。日本の場合、学生数で見れば国立大学より私立大学の方が非常に多く、私立大学の授業料負担は非常に高いのです。つまり、諸外国に比べても、個人的に家庭が負っている負担は、非常に高いということです。


●所得の高い家の子ほど進学率も学力も高い


 大学についてお話し申し上げると、昔と違って今や大学は極端にいえば、いきたいと思えば誰でも入れます。定員より希望する人の方が少ないからです。大ざっぱにいえば、私立大学の約半分は定員が埋まっておらず、その傾向は特に地方の私立大学で強いのです。

 それから、特に高等教育は、家庭の所得水準と関係があることが統計的に分かっています。4年制大学に進学する割合は、所得が高い家庭ほど高いのです。特に私立については、授業料が100万円から200万円ほどかかります。もちろん奨学金はそれなりにありますが、所得の高い家庭ほど4年制の大学にいく割合が高くなっています。

 さらに、なかなか興味深いデータとして、所得の高い家庭にいる子どもほど学力が高いことも、統計的に分かっています。簡単に申し上げると、所得の高い家庭の子どもは塾にいけるからです。つまり、教育は確かに非常に重要な問題ですが、所得...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
なぜ中間団体が重要か…家族も企業も学校も自治会も政党も
片山杜秀
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
百人一首の和歌(1)謎の多い『百人一首』
『百人一首』の歌が選ばれた理由とは?今も残る3つの謎
渡部泰明
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(4)注目されるタスクベース・アプローチ
AIは「まあまあの技術」?…タスクベース・アプローチでわかること
宮本弘曉
ウェルビーイングを高めるDE&I(4)人的資本経営の核となるDE&I:後編
日本は不寛容な国か?完璧主義の弊害とDE&Iを進める必要性
青島未佳
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(3)占守島での「戦後の激闘」
ソ連軍に断乎反撃せよ…終戦後の占守島侵攻をなぜ撃破できたか
門田隆将
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(1)政治家・石原慎太郎の源流と核の問題
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿…対比で見えてくる現代的課題
片山杜秀
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(4)2段階の教育
プラトンが『ポリティア』で書いた2段階の教育論とは
中島隆博
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎