少子高齢化と財政の役割
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
財政再建の成功例に見る日本に足りない3つのポイント
少子高齢化と財政の役割(6)予算問題と財政再建の処方箋
田中秀明(明治大学公共政策大学院専任教授)
明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授の田中秀明氏が、各種データから日本の財政の問題点を分析、解説するシリーズレクチャー。第6回目は、どうすれば日本の財政が再建できるかの核心に迫る。果たして、田中氏が指摘する財政再建の最大の難関とは何なのか。(全12話中第6話)
時間:13分06秒
収録日:2017年8月9日
追加日:2017年9月18日
カテゴリー:
≪全文≫

●予算制度問題を考える-あまり守られていない財政規律


 「少子高齢化と財政の役割」の第6回は日本の問題、日本はどうしたら財政再建ができるかについて、お話ししたいと思います。

 日本ももちろん何度も予算制度改革、あるいは財政再建の取り組みを行っています。しかしながら、これまでの改革はほとんど失敗しています。なぜでしょうか。結論を先にいえば、いろいろな改革をやっていますが、特に予算制度改革が不十分であるといえます。

 最初に予算制度の問題を考えるための枠組みについて、紹介します。この図は予算制度とプレーヤーの関係を簡単に説明しています。予算を巡るプレーヤーには、政治家、あるいは官僚たちがいます。先に紹介したように、政治家たちに財政規律を守るインセンティブはあまりありません。選挙で勝つためには、歳出を増やしたり、減税をしたいといった誘惑にかられるのです。


●ルールを守らせる仕組みが必要


 こうしたいわば誘惑を抑えるために、予算制度というものがあります。日本では、財政法という法律があって、「赤字国債の発行は認められない」といったことが書かれているのですが、法律に書いてあるからといって、プレーヤーたちがそれを守るとは限らないのです。日本の財政法にはまさに「財政収支は均衡しなければならない」と書いてあるのですが、守られてはいないのです。

 プレーヤーたちにルールをどうやって守らせるかということが、問題になっているのですが、ここではコミットメントが大事です。政治家たちにルールを守らせるような仕組みが必要であると考えられます。その仕組みは予算制度やいろいろな外的環境によるものです。これまでの諸外国の例を見てみると、経済危機が起こって政治家たちがルールを守らざるを得なくなったのです。したがって、コミットメントを働かせるような仕組みが必要だということです。


●財政再建成功例2つのポイントから日本の現状を見る


 そうしたコミットメントを働かせるような予算制度改革の鍵は、諸外国の改革を調べてみると2つあります。一つ目は権限を集中化させることです。つまり、各省のいろいろな人たちが、こういう予算を増やしてくれ、ああいう予算を増やしてくれと、それぞれの自分たちの利害に沿って要求したときに、それを調整する必要があり、調整するためには、誰かが集権的に決めるという仕組みが必要...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
禅とは何か~禅と仏教の心(4)与格への変容と関係論的世界観
「私が世界で、世界が私」…禅で体感する「縁起」の感覚
藤田一照