少子高齢化と財政の役割
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
社会保障制度改革には「公私の役割分担」が必要
少子高齢化と財政の役割(10)社会保障制度改革
田中秀明(明治大学公共政策大学院専任教授)
明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授・田中秀明氏の連続講義「少子高齢化と財政の役割」。第10回目では、社会保障制度改革の問題が、熱く取り上げられる。「公私」の役割分担を取り入れることで、日本の社会保障は大きく変わるというのだ。(全12話中第10話)
時間:13分03秒
収録日:2017年8月28日
追加日:2017年10月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●2020年よりも2050年に向けた準備が必要な理由


 「少子高齢化と財政の役割」第10回は、社会保障制度改革についてのお話をしたいと思います。

 日本が急速に少子高齢化し、人口減少が起こっていることは、皆さんすでにいろいろなところで聞かれていると思いますが、改めてその動きを見てみましょう。

 まず、後60年余りで日本の人口は半分になります。これは非常に驚くべきことです。また、高齢化においては「2020年」がしばしば注目されます。それは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、医療費や介護にお金がかかるということなのですが、これはまだまだ序の口です。問題は「2050年」前後、団塊ジュニアが後期高齢者になる時期です。人口構成も大きく変わり、後期高齢者が全人口の約4分の1になる。最も厳しいここに向けて、われわれは準備をしなくてはいけないと、私は思っています。

 今後、65歳から74歳までの層は今後どんどん減っていく一方、後期高齢者が非常に増えていきます。単に数が増えるだけではなく、都市部において、一人暮らしで、しかも所得の低い高齢者、なかんずく女性が増えることが予測されています。なぜかというと、生涯未婚の人が増えていて、彼らには面倒を見てくれる子どもたちがいないからです。

 また、最近は非正規雇用や就職氷河期で正規雇用に就けなかった人が増えています。彼らの中には年金保険料を納めていない人もいますから、将来の生活保護予備軍といってもいいかもしれません。それから女性は、結婚しても(夫と)死別するリスクが非常に高く、そうなると支給される年金は高くありません。したがって、今後は高齢者が増えるだけではなく、一人暮らし、しかも所得の低い人たちが増えるということで、非常に深刻な問題だと思っています。


●改革の基本的な方向は「公私の役割分担」から


 本シリーズの前半では年金と医療についてお話をしてきました。今後これらをどうすればいいのかということを、ごく簡単に申し上げたいと思います。

 日本の社会保障支出は、すでにOECD諸国の平均からそれ以上に達しています。社会保険が原則といいながら、大量の一般財源が投入されており、保険制度における財政調整は困難です。その結果、保険の給付と負担を一致させる「ガバナンス」が効かない仕組みになっているのです。

 他方、保険料の負担は逆進的です。貧しい若者...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
三つの建国――その歴史的背景から迫るアメリカの原点
中西輝政
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(16)宮本弘曉先生:AI大格差
【10min解説】宮本弘曉先生「AI大格差」仕事と給料の未来
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(4)「国のかたち」を守った男たち
全責任をかぶることを恐れず本義を貫く…樋口季一郎の決断と行動
門田隆将
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
百人一首の和歌(1)謎の多い『百人一首』
『百人一首』の歌が選ばれた理由とは?今も残る3つの謎
渡部泰明
ウェルビーイングを高めるDE&I(4)人的資本経営の核となるDE&I:後編
日本は不寛容な国か?完璧主義の弊害とDE&Iを進める必要性
青島未佳
経験学習を促すリーダーシップ(4)成功を振り返り、強みを伸ばす
なぜ強みが大事なのか?ドラッカー、西田幾多郎の答えは
松尾睦
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(2)ノイズと半身社会の処方箋
ノイズを楽しむ――半身社会の「読書と教養のすすめ」
三宅香帆
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将