少子高齢化と財政の役割
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
日本の財政赤字の要因は「世界一弱い財務大臣」にある
第2話へ進む
「日本再興戦略」の欠点は優先順位、原因分析の欠如
少子高齢化と財政の役割(1)経済と財政の現状
田中秀明(明治大学公共政策大学院専任教授)
明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授の田中秀明氏が少子高齢化とひっ迫する日本財政の問題を取り上げる。第1回レクチャーでは、アベノミクスの経緯、成果に触れつつ、日本の経済および財政の現状を概観。経済はそこそこ回復したように見えても、真の経済力、健全な財政には程遠い日本の現状を、データをもとに鋭く分析する。(全12話中第1話)
時間:14分19秒
収録日:2017年7月28日
追加日:2017年9月6日
≪全文≫

●日本の最大課題、少子高齢化・巨額の債務残高問題を分析


 明治大学公共政策大学院の田中秀明です。今回は「少子高齢化と財政の役割」と題して、日本の経済と財政についてお話をしたいと思います。

 最初に、本シリーズの目的、趣旨について簡単に説明します。ご承知のように日本は、急速に少子高齢化が進んでいます。これをどうやって乗り切るかというのが、当面の最大の課題だと思います。これを踏まえて、財政の役割、あるいは経済について論じることが必要です。

 もう少し具体的な話をしますと、日本は世界に例を見ないスピードで少子高齢化が進んでいます。さらに、総人口の減少も進んでおり、あと100年で日本の人口はおよそ半分になるといわれています。こうした中で格差や貧困が増大し、人々は将来に対して大きな不安を抱いています。そのことが消費が伸びない一つの要因にもなっているのです。

 他方、日本は先進諸国において財政が非常に厳しい状況にあり、債務残高について見れば日本は非常に金額が大きいわけです。安倍政権では消費増税が2度延期され、財政再建のめどは立っていません。そして、教育・育児への資源の投入も十分とはいえません。

 もとより、財政とは手段です。日本の課題は、繰り返しますがどうやって少子高齢化を乗り切るかということです。では、どうしたらいいかということですが、まずは問題を冷静に分析し、どのような処方箋が必要か、それを冷静に考えることだと思います。そこで、本シリーズでは財政の問題にとどまらず、年金や医療、介護、あるいは教育、雇用の問題についても議論して、問題解決を論じたいと思います。


●経済は良くなったのに、財政はむしろ悪化


 第1回では、日本の経済、財政の現状を概観したいと思います。特に2012年末に誕生したアベノミクスについてお話をしたいと思います。既に4年半が経過しているわけですが、その軌跡をたどります。

 最初に主な経済財政の指標について簡単に触れたいと思います。実質GDP成長率、つまり日本経済がどのように成長しているかを示している数字ですが、これは2013年以降、毎年1パーセントから2パーセント程度というのが現状で、安倍政権が期待した数字には残念ながら届いてはいません。政権発足直後は円安になり、企業収益も増大しました。足元では失業率はゼロに近くなりほぼ完全雇用で、GDPギャップといって...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(2)明治以降の物価推移とインフレ率
戦後日本のハイパーインフレの真実…その時、何が起きたのか
養田功一郎
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
AI時代と人間の再定義(2)仏法僧の三宝と対話による道徳的進歩
考えるとは相手の頭を使って考えること…共同で思考する意義
中島隆博
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(4)社会課題の解決に取り組む人財産業
メダカの学校・総合的な学習(探究)の時間・逆参勤交代
小宮山宏
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(1)AIに代わられない仕事とは何か
江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事
與那覇潤
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(2)機械学習と大規模言語モデル
常識を初めて知った!?生成AIの大規模言語モデルとは
岡野原大輔