サービソロジーと経営~サービスイノベーション
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
サービス産業の生産性を上げれば日本経済は様変わりする
サービソロジーと経営~サービスイノベーション(2)経済はサービスで動いている
村上輝康(産業戦略研究所 代表 )
今や日本経済の4分の3がサービス産業に支えられているという状況の中、なおも日本は「モノづくり立国」だといわれている。それは、いつ始まった産業価値観なのだろうか。それによって失ったものはないのだろうか。「経済はサービスで動いている」時代が生まれた経緯と、今の日本経済に必要な対応策を、産業戦略研究所代表の村上輝康氏が、サービソロジーの観点から紹介する。(全9話中第2話)
時間:13分34秒
収録日:2017年9月20日
追加日:2017年11月16日
≪全文≫

●「モノづくり立国」の産業価値観を生んだ70年代の経済成長期


 サービソロジーが企業経営や経済にとっていかに重要であるかをお話しするために「経済はサービスで動いている」というテーマを取り上げたいと思います。

 これは1955年からほぼ10年おきに日本の産業構造を表した図表です。これを見ると、産業というものがあたかも意志を持った生きもののように、環境に合わせて、明快な戦略を持ってどんどん変わっていっていることが、非常によく分かります。

 この系列のデータが取られはじめた1955年の段階では、日本経済の2割近くを農業が占めていました。製造業と建設業などの第二次産業を足すとおよそ53パーセントで、サービス産業は47パーセントほどしかありませんでした。

 1955年から1970年にかけては、日本経済が「奇跡の経済成長」を経験する時期です。その主役になったのは製造業で、55年におよそ27.5パーセントだった製造業は、70年にはおよそ34.8パーセント、つまり35パーセント近くまで拡張していきました。破竹の勢いの成長だったわけですが、おそらくこの時期に日本では「モノづくりが大事だ」「モノづくり立国」だという産業価値観が形成されていったのではないかと思います。


●2010年代現在、日本でも世界でも経済はサービス軸で動いている


 このように1970年の時点で製造業は拡大したのですが、サービス産業はおよそ47パーセントから51パーセントとほとんど変わりませんでした。ところが1980年代に入ると、製造業の方は韓国や台湾、中国との競争にさらされ始めて、どんどんシェアを落としていくのです。

 サービス産業は、およそ51パーセントから58.6パーセント、60.9パーセント、69.8パーセントと拡大して、2014年時点で74パーセント。つまり経済のおよそ4分の3がサービスに占められている状態になっています。一方の製造業は、1955年の27.5パーセントよりもシェアが小さくなり、およそ18.7パーセントです。現在の日本経済は「サービスで動いている」といっても過言ではない状態になっています。

 これは、日本だけの現象ではありません。日本の74パーセントに対して米国は78パーセント、英国は78.4パーセント、ドイツは69パーセントと、サービス中心の経済構造が定着しています。先進国だけでなく途上国も入れた世界全体で見ても、現在第三次産業は64.4パーセントを占めています。世界...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(2)「時代の大転換期の選挙」特集を解説!
「大転換期の選挙」の前に見ておきたい名講義を一挙紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
これからの社会・経済の構造変化(4)日本企業の課題と組織改革の壁
日本の場合、トップダウンよりボトムアップで変えるべき?
柳川範之
AI時代と人間の再定義(5)AI親友論と「WE」という概念の問題
AI親友論って何?「Self-as-WE」と京都学派の思想
中島隆博
ポスト国連と憲法9条・安保(2)有志多国籍軍と西側同盟の可能性
国連改革は可能か…残されているのは「西側同盟」の可能性
橋爪大三郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
プロジェクトマネジメントの基本(7)アジャイルプロジェクトと成功の鍵
発注側と受注側で異なるプロジェクトの成功・失敗要因
大塚有希子
会計検査から見えてくる日本政治の実態(3)戦後初となる補正予算の検査
繰越金が4割も…戦後初「補正予算の会計検査」の実態
田中弥生
哲学から考える日本の課題~正しさとは何か(1)言葉の正しさとは
「正しい言葉とは何か」とは、古来議論されているテーマ
中島隆博
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(5)共存・共生のための理性
共生への道…ジョン・ロールズが説く「合理性と道理性」
齋藤純一