関ケ原の戦い~勝者と敗者を分けたもの
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
黒田長政が毛利家・小早川秀秋を味方につけた外交術
関ケ原の戦い~勝者と敗者を分けたもの(2)黒田長政の知略
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
関ケ原の戦いは天下分け目の争いであるにもかかわらず、わずか1日で決着が付いた不思議な戦争である。この戦争で家康に勝利をもたらした最大の功労者は、武将・黒田長政だった。長政はどのようにして豊臣恩顧の武将を説得し、毛利家や小早川秀秋を味方につけることができたのか。歴史学者の山内昌之氏が解説する。(第2話)
時間:12分09秒
収録日:2017年12月4日
追加日:2017年12月14日
≪全文≫

●家康の戦略に一番貢献した武将は黒田長政である


 皆さん、こんにちは。関ケ原合戦についての2回目になります。前回申し上げたように、関ケ原合戦があれほど簡単に決着がつくとは誰も思っていませんでした。テレビドラマにもなった、歴史上有名な武将である真田昌幸や黒田如水らは、関ケ原合戦を期に、東西対決の持久戦争が長引くと予想していました。その反面、ここが徳川家康の政治家としての端倪(たんげい)すべからざる点ですが、家康は多角的な政治戦略と機動的な戦術を結び付ける柔軟な戦略によって、決戦を結果としてわずか1日で片付けてしまったのです。

 そして、この家康の戦略に一番貢献した武将が黒田長政でした。彼の遺書をそのままご紹介しましょう。

 「当日の奮戦などは珍しからざることに候ふ」。つまり、ちっとも珍しいことではないというのです。自分の最大の貢献は、「第一、知謀をもって毛利家ならびに金吾中納言、味方となり候ふ。これにつき、その他味方つかまつるもの多くなり候ふ」。つまり、自分の貢献は何よりも知謀、すなわち知恵と謀りごとをもって、毛利家一同や小早川秀秋を味方にできたことだというのです。その結果、他にもたくさんの味方が増えたと自慢しています。


●東西両軍の主力はいずれも豊臣秀吉恩顧の武将だった


 関ケ原合戦が不思議な戦争になったのには、他にも理由があります。それは、東西両軍の主力がいずれも太閤・豊臣秀吉恩顧の武将だったということです。これは戦局と政局をまことに不透明にする原因でした。

 そもそも家康は、秀吉の忘れ形見である秀頼の命令によって、黄金2万両と米2万石を下賜され、いわば豊臣の命令に従って東に下っていました。しかし、家康の留守をついた石田三成の画策によって、すぐに秀頼の敵だと認定されてしまったのです。その間、広島に本拠を置く毛利輝元が大坂城の西の丸を占拠し、西軍の総大将格になりました。

 秀頼を擁する状況において、本来は豊臣陣営であったはずの武将たちは、上杉景勝を攻めるために会津に向かっていたところでした。その道中、現在の栃木県の小山の陣において、家康が秀頼の敵だと認定されたという事実を知った武将たちは、深刻なジレンマに陥ります。なぜなら、一方で自分たちは総大将として家康を担いでおり、他方、家康を誅戮(ちゅうりく)、すなわち逆臣として扱う旨は、自分たちが恩顧を...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
技術と民生から見た明治維新(1)遠藤謹助
遠藤謹助―造幣局をつくった「造幣の父」
山内昌之
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(5)心理的安全性の高い組織づくり
無知、無能、邪魔!?…心理的安全性を阻害する5つの要因
青島未佳
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(6)賃金の未来シナリオ
AIが人間の仕事を「完全代替」したらどうなる?…仕事と賃金の未来
宮本弘曉
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子