豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
豊臣秀吉と徳川家康の差から学ぶ補佐役育成の重要性
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(4)豊臣秀吉と徳川家康の差
小和田哲男(静岡大学名誉教授/文学博士)
豊臣秀長の死で、組織に不可欠な補佐役を失った豊臣政権は暗転する。組織を牽引するリーダーの出来もさることながら、補佐役として機能する人物を育てなかったことが禍根である。同様の問題は今川義元など他の戦国武将にも共通していたが、徳川家康だけがその重要性を十分に予知して、独特の人事に生かしていった。(全5話中第4話)
インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12分02秒
収録日:2020年11月10日
追加日:2021年4月25日
≪全文≫

●関ヶ原の戦いにつながる朝鮮の役の苦闘


―― 朝鮮の役が起こると、朝鮮に渡って苦闘している武将たちと石田三成との間には非常に深い溝ができますね。

小和田 そう。それが関ヶ原の戦いに持ち越されるわけですから、これは大きいことです。

―― これは、なぜそういう溝ができてしまったのでしょうか。

小和田 これはやはり三成が豊臣秀吉の命令を忠実に伝えたこと、しかも「軍監」という地位について、朝鮮における豊臣の武将たちの実際の働きはどうかを見張ったことです。見張り役はやはり見張られた側からは嫌われます。しかも三成の性質上、忠実に報告してしまいますからね。例えば、加藤清正などは呼び戻されたりもした。

 そういう恨みつらみというのは、言葉はちょっと悪いですが、秀吉の尻ぬぐいのようなことを三成がさせられていたからです。それが、豊臣政権の中でのいわゆる奉行派と武功派の暗闘につながってしまったという印象を持っています。

―― 非常に難しいのは朝鮮という場だったからかもしれませんね。秀吉は北九州の名護屋までは行っていますけれども、朝鮮には渡っていません。当時の秀吉からすれば、「朝鮮などは早く攻め取って、明へ行け」というつもりなのに、現地では苦戦が続いている。秀吉からすると、「何をやっている。早く攻めろ、攻めろ」ということになりましょうし、現地では「いやいや、なかなか」となる。非常にリーダーのあり方が問われるところでしょうね。

小和田 そうですね。あの時点での秀吉の朝鮮出兵というのは、私は大きな失敗だと思います。歴史に「もし」はあり得ませんが、もし秀長が生きていれば、あの朝鮮出兵はなかったと思うのです。天正19(1591)年の秀長の死が、豊臣政権に暗雲を呼び込む大きなきっかけかなという気がします。


●弟・秀長を失った豊臣秀吉、諫言する家臣に恵まれた徳川家康


―― その頃になると、豊臣家臣団が天下を取っていったときの機能は本当に四分五裂していて、千利休も難癖をつけられて切腹させられますし、黒田官兵衛も警戒されて…。

小和田 隠居させられます。

―― まさに前回、先生がおっしゃった「暴君」としての姿になってくるのかもしれないですが、その辺の秀吉の姿についてはどう見ておられますか。

小和田 秀長が亡くなったけれども、「殿、これは違いますよ」と言える家臣がいれば良かった。このあたり...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(1)危機の台湾への密航
「国共内戦」危機の台湾…根本博の密航と涙で迎えた中国人将軍
門田隆将
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(2)高齢者総合機能評価とフレイル
“マッチョな老衰”はいない!?若い頃からいかに骨格筋肉量を蓄えるかが健康長寿の鍵
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(6)21カ条の要求と第一次世界大戦
日本が中国に出した「21カ条の要求」の罠と必然…不安定な満洲利権を手にした日本が直面した難題とは?
宮脇淳子
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(5)東洋的リーダーシップ
『貞観政要』が人気…日本の経営幹部研修で好まれる理由
三谷宏治
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸