比較制度分析とは何か
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
比較制度分析を3項目に分解して考える
比較制度分析とは何か(4)「比較」・「制度」・「分析」
谷口和弘(慶應義塾大学商学部教授/南開大学中国コーポレート・ガバナンス研究院招聘教授)
難解な印象のある比較制度分析を、慶應義塾大学商学部教授の谷口和弘氏が平易に解説する。「比較」・「制度」・「分析」の3項目に分けて捉えることで、比較制度分析の意義が見えてくるだろう。谷口氏によれば、制度とは「何々をすれば、何々だろう」という「If, Then」ルールとして理解できる。(全5話中第4話)
時間:10分33秒
収録日:2017年11月2日
追加日:2018年1月31日
≪全文≫

●複数の制度を比べ、その類似性や差異を明らかにする


 難しい言葉もたくさん出てきたところで、もう少し簡単に比較制度分析を説明してみましょう。比較制度分析という言葉を、「比較」・「制度」・「分析」の3つに分解して考えてみたいと思います。

 「比較」とは、複数の制度を比べることで、その間の類似性や差異を明らかにすることです。そこには共時的比較と通時的比較という、2つの見方があります。共時的比較とは、時間を固定して空間の違いに注目することです。例えばシリコンバレーと日本を比べてみましょう。

 シリコンバレーは、もともとサンタクララバレーと呼ばれていたカリフォルニア州の一地域でした。集積回路の技術が発展し、その材料がシリコンであったことから、シリコンバレーと呼ばれるようになりました。スタンフォード大学を中心として、産・学・官が協働して知識を生み出し、イノベーションに取り組む仕組みができてきたわけです。その中で重要な役割を果たしてきたのは、もちろん企業家精神を持ったベンチャーキャピタルです。専門的な知識を持つベンチャーキャピタリストが目利きをし、1度に企業に投資するのではなく、成功度合いに応じて段階的にファイナンスしていくという投資方法も出てきました。

 他方、日本では、メインバンク・システムのように銀行が大量の株を保有しながら融資を行ったり、時には役員を派遣して情報を集め、経営の状況をモニターしてきました。このように、企業組織のどこが似ていて、どこが違うのかを明らかにするのが、共時的な比較です。これは青木昌彦教授がずっと取り組んできたことでした。シリコンバレーの非常に興味深い歴史は、カリフォルニア大学バークレー校のアナリー・サクセニアン教授の『現代の二都物語』という本で扱われています。

 第2の通時的比較は、歴史的な変化を見ていくことです。時間を通じて、あるものがどういうふうに変化・進化していくかに着目するのです。例えば、日本におけるメインバンク・システムがどうやって発展してきたのか。東京大学名誉教授の奥野正寛氏や東京大学経済学部教授の岡崎哲二氏、一橋大学名誉教授の寺西重郎氏といった方が、その歴史的研究を行ってきました。

 例えば、戦時中の資金を集中的に配分する仕組みが、戦後も生き残っていたのではないかという見方があります。メインバンクは他の銀行よりもいろ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
リーダーの心得…幕末の偉人たちを育てた佐藤一斎に学べ!
田口佳史

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(6)エクイティ実現と特権性の理解:前編
改札、公衆トイレ、在宅勤務…構造的格差とエクイティの意味
青島未佳
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(2)失敗の本質
『失敗の本質』初版から30年…同じ失敗を繰り返す日本組織
三谷宏治
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
「不便益」とは何か――便利の弊害、不便の安心
川上浩司
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(序)『ばけばけ』と『神国日本』
ラフカディオ・ハーンの遺著『神国日本』の深い意義とは?
賴住光子
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄