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認知症予防で重要なコグニサイズ、食事の工夫、回想法

認知症とは何か(7)認知症の予防とその秘訣(下)

遠藤英俊
元国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 長寿医療研修センター長/いのくちファミリークリニック院長
概要・テキスト
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター長寿医療研修センター長の遠藤英俊氏は、最新の研究成果から、認知症予防のためのエクササイズや食品の開発を行っている。中でも注目したいのは「コグニサイズ」というエクササイズ。いったいどのような運動なのか。遠藤氏に解説いただく。(全7話中第7話)
時間:08:03
収録日:2018/05/26
追加日:2018/09/28
カテゴリー:
≪全文≫

●体と頭を同時に扱う「コグニサイズ」が浸透しつつある


 国立長寿医療研究センターは愛知県大府市にあるのですが、大府市では「コグニサイズ」という認知症予防のエクササイズを積極的に取り入れています。

 コグニサイズは、足踏みや散歩などをしながら数を数えるのですが、その際に3拍子ごとに手を叩いたり足を上げたりするなど、頭と体を使うエクササイズです。このエクササイズによって、認知症になりにくいというデータが出てきました。検査結果では、1年後に認知機能が改善され、4年後に認知症になりにくくなるというデータが上昇しています。そうしたことから、認知を意味する「コグニ」(コグニション)とエクササイズから採った「サイズ」を合わせた造語である「コグニサイズ」が、愛知県や神奈川県で浸透しつつあります。

 この絵を見ても分かるように、コグニサイズでは、ステップをしながら3秒ごとに拍手をしたり手を挙げるといったタスクをどんどん増やしていきます。認知症予防には良い方法であると考えられています。

 「コグニウォーク」もあります。お年寄りの方が歩きながらしりとりや掛け算をやってみたり、向かい側からくる車のナンバーを足し算したりするといったものです。これも頭を使いながら運動するものなので、良い方法であるといえます。

 この写真は、コグニサイズを行っている実際の現場なのですが、愛知県大府市で行われているものです。週1回90分の運動なのですが、みんなで楽しく運動しながらクイズを出し合って頭を使うというもので、とても良い活動となっています。最近ではお年寄りの方を対象としたジムなどで、運動しながらしりとりのようなゲームをするといった試みも行われています。そういうところに通うのもオススメです。

 この写真は、私自身が「コグニバイク」を実際に行っているところです。30分間これを漕ぎながらタッチパネルで検査を行ったり、ゲームをしたりして頭を使います。これも認知症予防のために開発されました。1台105万円です。

 実際にこうしたコグニサイズ...
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