読書とは何か
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ギリシア語を学ばなくてもホメロスが読める素晴らしさ
読書とは何か(4)現代の日本語で気軽に「古典」を読む
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
休日には、平素の考えを見直し、深め、反省して次に生かしたいと考える人が多いだろう。そのための手段こそ「古典」だと山内昌之氏は言う。古典に接して開かれる世界の広さと豊かさ、その全てを自国語で読める喜び。当たり前に見過ごしている書店の情景から、日本文化の特質も見えてくる。(全6話中第4話目)
時間:15分10秒
収録日:2014年4月23日
追加日:2014年8月1日
≪全文≫

●教養習得と人生修養のために本を読んだ武家階級


 皆さん、こんにちは。新しく企業や官庁に入られた皆さんも、そろそろ新しい環境に慣れてきているところだと思います。前回は、学生生活を終えられて、新しい職業に就き、職場に入られたばかりの皆さんに、書物を読む手がかりや私が考える読書の意味などについてお話ししました。

 前回、私は、江戸時代の「寛政の改革」の政治家であった、老中・松平定信について触れました。松平定信は非常に真面目な人でしたから、読書が非常に堅苦しい。それに比べて、謹厳そうに見える吉田松陰が、実は現代で言う雑本や一般書なども幅広く読む人であったことに触れた次第です。

 しかしながら、双方に共通・一致しているのは、やはり読書というものが、教養や知識を獲得するための大変大きな手段であった点です。彼らにとっての読書は、教養の習得を通して人生を修養すること、人生において自らを深めていく大きな手がかりであったということに触れました。今とはやや違うのはその点です。


●読書は、活字離れ世代にも与えられた大きな喜び


 かつて、武士階級は社会のエリートでしたから、読むべき本が人生のステージ(段階)や年齢に応じて違っていました。それを素直に順を追って読み進めていたということは、前回の松平定信についてもお話ししました。

 ところが現在は、松平定信が言う「通俗の書」である文学や芸能関係の書物を読まないどころか、何と申しましても本そのもの、あるいは活字を読まないという学生たちが増えてきました。

 新しく社会に出た皆さんは、これからはどうしてもさまざまな形で活字に接せざるを得なくなりますが、現在の若い世代が、インターネットやアニメーションあるいは漫画によって育っているということは、否定できない事実です。

 しかしながら、読書というものの意味を考えてみると、やはり本を読み、活字を読むのは、人間にとって無上とは申しませんが、すこぶる大きな喜びの一つを与えてくれる。このことは、だんだんと社会生活を経験していくうちにお分かりになられるかと思います。


●世界中の古典が容易に楽しめる日本文化の素晴らしさ


 現在の若い社会人の皆さんも、松平定信や吉田松陰の時代と同じ日本人として、共通する面があります。確かに今、私たちは、この二人の偉大な先人たちのように四書五経や中国の古典...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(4)官僚集団の問題と井伊直弼のジレンマ
井伊直弼のジレンマ…政治家の実力と同居した致命的な矛盾
山内昌之
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子