「アフォーダンス」心理学~環境に意味がある
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アートや建築など多領域に広がるアフォーダンスの考え方
「アフォーダンス」心理学~環境に意味がある(2)アフォーダンスとは何か-2
佐々木正人(多摩美術大学美術学部・統合デザイン学科教授/東京大学名誉教授)
アフォーダンスの特徴として、アフォーダンスを特定するのは刺激ではなく情報だと佐々木正人氏は言う。また、われわれは最初、環境の意味をぼんやりと知覚しているが、段々と分化してきめ細やかになっていく。つまり「意味が先」であるということもアフォーダンスの特徴だ。近年こうした特徴を踏まえて、リハビリテーションやアート、建築など多領域にアフォーダンスの考え方が広がっている。(全9話中第2話)
時間:6分38秒
収録日:2019年3月18日
追加日:2019年7月29日
カテゴリー:
≪全文≫

●アフォーダンスを特定するのは刺激ではなく情報


 アフォーダンス心理学の特徴の1つは、アフォーダンスを特定するのが情報だということです。「特定する」は、英語で“”specify”“specific to”と言いますが、「警察が犯人を特定する」というように、アフォーダンスを特定するのは情報です。刺激ではなく、情報だということです。これについては後でまた説明します。

 その情報は解釈するのではなく、ダイレクトに知覚されます。ジェームズ・ギブソンは“direct perception”という言葉をつくりました。Indirect(間接的)に知覚されるものではなく、情報の中にアフォーダンスを特定するものがそのままある。そのアフォーダンスを特定するマクロな単位のことを「エコロジカルなインフォメーション」と呼んだのです。

 確かにわれわれは考える動物です。「考えない」ということは難しいのです。しかし、言葉にする、考える、思い付く、その前に知っていることを「無意識」というのは少々疑問が残ります。ギブソンは「注意、意識(awareness)」と言いましたが、周りに対する思考とか言葉を介さずに知っている、そういうことを「インフォメーション(information)」と言っているのであり、それがアフォーダンスを知るための根拠になっているのです。


●「意味が先」で、知覚はぼんやりした状態からきめ細やかに分化する


 もう1つ、アフォーダンス心理学の特徴についてお話しします。

「なんだか分からないけれども、これかな」と思うことがよくあると思います。「なんか分からないのだけれど、あいつと気が合う」とか、「うまく言えないけれど、あそこに行くと気が落ち着く」などといったことです。

 例えば、食器や衣服を選ぶとき、なぜそれを選んだのかということははっきりと言えないでしょう。それを目の前に置いたときの自分の生活の変化というもの、すなわち意味を感じて、それを選んでいると思います。つまり、まずはぼんやりとアフォーダンスに気付くのです。そして、「なぜこれがいいのだろう」という探りが始まって、だんだん「こういうわけでいいのか」と感じて、アフォーダンスについての意味がしっかり分かってくる、確実になってくる、そして見方がきめ細やかになってくる、ということです。

 この...

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