「アフォーダンス」心理学~環境に意味がある
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
アートや建築など多領域に広がるアフォーダンスの考え方
「アフォーダンス」心理学~環境に意味がある(2)アフォーダンスとは何か-2
佐々木正人(多摩美術大学美術学部・統合デザイン学科客員教授/東京大学名誉教授)
アフォーダンスの特徴として、アフォーダンスを特定するのは刺激ではなく情報だと佐々木正人氏は言う。また、われわれは最初、環境の意味をぼんやりと知覚しているが、段々と分化してきめ細やかになっていく。つまり「意味が先」であるということもアフォーダンスの特徴だ。近年こうした特徴を踏まえて、リハビリテーションやアート、建築など多領域にアフォーダンスの考え方が広がっている。(全9話中第2話)
時間:6分38秒
収録日:2019年3月18日
追加日:2019年7月29日
カテゴリー:
≪全文≫

●アフォーダンスを特定するのは刺激ではなく情報


 アフォーダンス心理学の特徴の1つは、アフォーダンスを特定するのが情報だということです。「特定する」は、英語で“”specify”“specific to”と言いますが、「警察が犯人を特定する」というように、アフォーダンスを特定するのは情報です。刺激ではなく、情報だということです。これについては後でまた説明します。

 その情報は解釈するのではなく、ダイレクトに知覚されます。ジェームズ・ギブソンは“direct perception”という言葉をつくりました。Indirect(間接的)に知覚されるものではなく、情報の中にアフォーダンスを特定するものがそのままある。そのアフォーダンスを特定するマクロな単位のことを「エコロジカルなインフォメーション」と呼んだのです。

 確かにわれわれは考える動物です。「考えない」ということは難しいのです。しかし、言葉にする、考える、思い付く、その前に知っていることを「無意識」というのは少々疑問が残ります。ギブソンは「注意、意識(awareness)」と言いましたが、周りに対する思考とか言葉を介さずに知っている、そういうことを「インフォメーション(information)」と言っているのであり、それがアフォーダンスを知るための根拠になっているのです。


●「意味が先」で、知覚はぼんやりした状態からきめ細やかに分化する


 もう1つ、アフォーダンス心理学の特徴についてお話しします。

「なんだか分からないけれども、これかな」と思うことがよくあると思います。「なんか分からないのだけれど、あいつと気が合う」とか、「うまく言えないけれど、あそこに行くと気が落ち着く」などといったことです。

 例えば、食器や衣服を選ぶとき、なぜそれを選んだのかということははっきりと言えないでしょう。それを目の前に置いたときの自分の生活の変化というもの、すなわち意味を感じて、それを選んでいると思います。つまり、まずはぼんやりとアフォーダンスに気付くのです。そして、「なぜこれがいいのだろう」という探りが始まって、だんだん「こういうわけでいいのか」と感じて、アフォーダンスについての意味がしっかり分かってくる、確実になってくる、そして見方がきめ細やかになってくる、ということです。

 この...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化
日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化
田口佳史
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2025(33)2025年を振り返る
2025年のテンミニッツ・アカデミーを振り返る
テンミニッツ・アカデミー編集部
新しい循環文明への道(2)都市鉱山のデジタルツイン
都市鉱山のデジタルツイン…金やレアアースの宝庫がわが国に
小宮山宏
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
平和の追求~哲学者たちの構想(2)世界市民と国家連合
「コスモポリタニズム」の理想と「国家連合」というプラン
川出良枝
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑