激動の世界情勢を読む~米中対立の行方
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「中国の夢」とは覇権国家になることなのか
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(5)中国の夢とトゥキディデスの罠
中国は、アメリカと競争して覇権国家を目指そうとしているのか。習近平国家主席が語る「中国の夢」とは「強国強軍の夢」、つまり強い国になり、強い軍隊を持つことだと小原氏は言う。では米中対立は新しい冷戦なのか。「トゥキディデスの罠」では過去に覇権国家と新興国家が衝突した事例を挙げているが、米中対立はどうなるのだろうか。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より第5話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分05秒
収録日:2020年2月15日
追加日:2020年3月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本は中国とどのような関係を築くべきか


―― また、小原先生にお聞きしたいことがございます。以下もご来場の方からのご質問です。

「中国は将来、アメリカと競争して覇権国家を目指そうとしているのではないでしょうか。その目的は、いずれは日本の沖縄県尖閣諸島を中国のものだと主張し、権利を得ることではないかと思います。『一帯一路』で東南アジアでの経済成長を考えているようですが、はたしてどのようになるのか、先生のお考えを教えていただきたいと思います」

 このご質問に、前回お聞きできなかった、「一帯一路」や「中国製造2025」といった中国の戦略を絡めて、先生がどのようにご覧なっているかをお聞きできますでしょうか。

小原 こうしたテーマは、グラスに水が半分入っているのを見て、「半分も入っている」と考えるのか、「半分しか入っていない」と考えるのかの違いだと思います。つまり、楽観論か悲観論か、リベラリストかリアリストか、ということです。どちらの立場を取るかによって、見方がずいぶん違ってくると思います。もちろん、このたびの新型コロナウイルスの問題によって、今後、中国の政治や社会、経済が良くなっていくという面もあると思います。だから、問題を一面的に見ないということが大事です。


●北京オリンピック以降、中国政治のメッセージは変わってきている


小原 「一帯一路」も、プラスの部分はあります。だからこそ日本は、「一帯一路」という言葉は使っていませんが、「第三国市場協力」という言葉を使って、中国との連携を図っています。これは日本の国益にも関わっています。日本企業に勤められている方々からすれば、中国経済の今の勢いを日本経済に取り込んで、日本の利益にすることは重要です。日米の同盟関係も頭に置きながら、それをしたたかにやっていくために、こうした言葉を使って中国との協力を進めているのです。

 そういうことからすると、「中国は覇権を取りにいっているので、とにかく全て反対だ」という単純な理屈ではないと私は思います。ただし、今のアメリカにおける政治の転換も含めたこれまでの流れを考えると、少し慎重になる必要もあります。これまでアメリカは中国に対し、関与と競争を重視してきました。しかし、今や議会では超党派で、また国内社会でも、中国警戒論・強硬論が広がっています。この背景には、やはり中国政治のシグ...

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