激動の世界情勢を読む~米中対立の行方
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新型コロナウイルスが14億の中国人に与えた心理的影響
激動の世界情勢を読む~米中対立の行方(3)新型コロナウイルス問題:後編
ウイルスの蔓延がもたらす中国への影響はどのようなものが考えられるのか。そこは、14億の中国人の自国への信頼感にも関わるものであり、注視していく必要がある。(2020年2月15日開催・テンミニッツTV講演会「激動の世界情勢を読む――米中そして日本を中心に」より:第3話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分33秒
収録日:2020年2月15日
追加日:2020年2月27日
≪全文≫

●長期的な経済的社会的影響を考慮するべきである


―― 小原先生は、今後の見通しについてどのようにお考えでしょうか。

小原 経済、政治、社会への影響をそれぞれ考える必要があると思います。中国だけを見る場合には、1つには経済です。よく言われるのは、こうした病気や疫病は経済に対して中立的であるということです。短期的にはやはり、経済に対して非常に厳しい衝撃を与えても、長期的にはそうたいしたことはない、ということが一般的にいわれます。

 しかし、政治や社会への影響を考えた際には、投資活動などにも関わりますが、やはり長期な将来への信頼、安定という面を踏まえる必要があります。そうした心理的な影響をどうカウントするのかということが重要です。これを前提に経済への影響を考えると、一番大変なのが、小売・サービスです。レストランなどの飲食、ホテルなどの観光、娯楽関係、これらへの影響が今、一番出ています。


●中小企業の倒産や雇用減少、物価上昇の恐れもある


小原 また、中小・零細企業が中国ではどんどんと倒れています。とにかく流動資金がなくなってくるのです。下手をすると、全滅してしまうかもしれません。これについては、清華大学の研究チームが数字を発表しています。賃金や利子、賃借力、あるいは戻ってきた人たちを隔離するなどのコストも含めて、そうした資金が足りなくなってくるということで、85パーセントの企業が3ヶ月以上存続することができないのではないかという研究結果が出ているのです。あるいは中国社会科学院では、製造業でも、操業の再開延期が2週間以上続けば、67パーセントが倒産の危機に至ると分析しています。こうした意味では、影響は非常に大きいといえます。

 最も深刻に考えなければならないのは、雇用への影響です。実は民営企業は、規模は小さいのですが、GDPの6割、雇用の8割を支えています。これがどんどん潰れていくということは、失業者がもっと増えていくことを意味します。そのため、雇用への影響は甚大です。習近平国家主席も大量解雇を回避せよと指示を出したといわれていますし、雇用をどう確保していくのかが重要な問題なのです。

 さらに、物価上昇もあり得ます。物流が動いていないので、その影響で物価が上がります。また、工場に人が戻ってくるかどうかという点も含めて、人の確保も重要です。特に沿海部の賃金が10~20パ...

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