新型コロナウイルスの克服
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
ロックダウンには良いロックダウンと下手なロックダウンがある
新型コロナウイルスの克服(2)ロックダウンの舞台裏
橋本英樹(東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 保険社会行動学分野 教授)
今後のコロナウイルス対応は、政治にスピードを持たせる必要がある。特に都市のロックダウンは重要な課題だが、効果的な実現のためには、適切な情報共有とメッセージの伝達が必須である。(全5話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分16秒
収録日:2020年3月27日
追加日:2020年4月1日
≪全文≫

●政治にスピードを持たせる必要がある


橋本 今回のもう一つのチャレンジは、政治にスピードを持たせる必要があり、これがものすごく難しいです。

―― 現在、3月末頃の段階ですが、先生からご覧になると、政治のスピードに関する課題はどのあたりにありますでしょうか。

橋本 非常に多くのことが同時に起こっているので、専門家会議がタイムリーにアドバイスを出してはいたものの、優先順位を付けづらかったという問題があります。優先順位を付けるために重要なのは、最終的にどこに着地点を求めるのかについてのビジョンです。言ってみれば、今回の新型コロナウイルス感染拡大のコントロールについて、短期ビジョン、中期ビジョン、長期ビジョンが立てにくかったのです。

―― まさに新しい病気でもありますしね。

橋本 最初に情報がなかったので、そうしたビジョンを立てられませんでした。しかし、情報が出てきた段階でビジョンを明確に立てる必要が出てきました。その時にすでにさまざまな問題が新しく噴出しており、目の前の問題をクリアするので精一杯になっていました。それが一番の政治的ジレンマだったと思います。


●クラスター対策班は非常に重要な役割を担っている


―― その意味では、クラスター対策班の設立は重要な意味を持っているということでしょうか。クラスター対策班によって、クラスター(患者集団)がメガクラスターになっていかないよう、早期発見し、うまく隔離することができているということでしょうか。

橋本 彼ら(クラスター対策班)は本当に良い仕事をしています。クラスターの数がある程度以下であれば、早期発見と隔離ができるので、感染者数の急増を遅らせるのに有効な方法だったと思います。ただし、クラスター追跡によって最後まで感染を抑えられるとは限りませんし、専門家のあいだでも、そう考えられていました。一定程度のスピードで広がっていけば、いつかクラスターの数が増えすぎてコントロール、あるいは管理できなくなったり、そもそもクラスターが見当たらない、いわゆる感染源不明者が一定数出てきたりするということは、ウイルスの性質が明らかになってきた段階で分かっていました。


●ロックダウンまでにいかに時間を稼ぐか


―― つまり専門家の皆さんの間では、そうした状況は想定済みで、いかに時間を稼ぐのかが議論されていたということですね。

...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
こどもと学ぶ戦争と平和(3)「小さな外交官」と少年兵の問題
外国が攻めてきたらどうすればいい?戦争と少年兵の問題
小原雅博
編集部ラジオ2025(26)ソニー流!多角化経営と人材論
ソニー流「人材の活かし方」「多角化経営の秘密」を学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(4)新規事業成功のポイント
新規ビジネスの立ち上げ方、伸ばし方、見切り方の具体例
水野道訓
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(5)『秘蔵宝鑰』が示す非二元論的世界
雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命
鎌田東二
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子