新型コロナウイルスによる世界変動
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
新型コロナへの中国の対応は今後のモデルケースになるのか
新型コロナウイルスによる世界変動(5)中国の措置の是非
小原雅博(東京大学名誉教授)
中国が新型コロナウイルスに対して取った措置は、果たして今後のモデルとなり得るのか。民主主義国家の場合、権威主義体制の国家とは異なり、プライバシーや人権に配慮した対策を取らなければならないため、中国のような措置は取れないが、学べる部分もある。それは何か。米中対立、世界の安全保障問題と合わせて議論する。(全7話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分35秒
収録日:2020年4月3日
追加日:2020年4月29日
≪全文≫

●中国の権威主義的措置はお手本になるのか


小原 前回お話したことを踏まえると、中国の権威主義体制が望ましい国家モデルになり得るのかということは、論点になってくると思います。

―― 民主主義国家では、前回おっしゃった学校閉鎖などの3つの介入が行われています。それに対して中国は、全土に監視カメラが張り巡らされた社会なので、誰が発熱しているかなどを全て把握し、どこに濃厚接触者がいるのかも、ネットワークの中で把握できます。さらに、人々の行動もWeiboというアプリで登録させるなどして、完全な封じ込めを行いました。中国はこうした体制が取れていたからこそ、ウイルスとの戦いに勝てたのだと、今後主張されるかもしれません。前回のスペインインフルエンザの報告書と比較すると、こうした施策は新たなモデルになるのでしょうか。

小原 モデルになり得る部分となり得ない部分があると思います。モデルになりにくいのは、民主主義国家が保障する人権やプライバシーなどに強く抵触するような手段だからです。今回、中国がそうした手段を取ったことは効果的だったとは思うのですが、民主主義国家では、それはできません。例えば、禁足のような容赦のない検疫は、当時、中国でも関連の動画が出回っていましたが、車から人を引きずり出して消毒するなど、かなり強制的なものです。隔離も同様です。

 医療体制に関しても、対応できなくなると仕方ない部分もありますが、体育館のような場所にプライバシーもない状態で人が詰め込まれるケースもあります。途上国の場合、医療が整っていないとこうなってしまうこともあるのですが、人権問題とは別個に、感染症を防ぐのに十分な施設があるのかという問題とも関わってきます。日本でも、医療現場が持ちこたえられずに、設備面から崩壊してしまう可能性を最も恐れています。そのため、軽い人は自宅や指定のホテルなどで様子を見ることが推奨されています。こうしたことが許されるかどうかがポイントになるでしょう。

 ただ、イタリアなどを見てみると分かるように、設備や能力がある一定のレベルに到達していなければ、医療崩壊は免れません。しかし、そうした状況は国家に能力がないからなのか、能力があろうとなかろうとせざるを得ない対応なのか、という違いはあると思います。


●各国で医療水準は異なるが、中国の措置には学べる部分もある


小原 さ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
国際地域研究へのいざない(1)地域研究の意味とイスラエル研究
なぜ経済学で軽視されてきた「地域研究」が最高の学問なのか
島田晴雄
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(4)ユダヤ人と金融
金融業にユダヤ人が多い理由、そして大国興亡史の裏面のユダヤ人
鶴見太郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
編集部ラジオ2026(10)ユダヤ人特集~鶴見太郎先生
【10min解説】鶴見太郎先生《教養としてのユダヤ人の歴史》
テンミニッツ・アカデミー編集部
ユダヤ神話の基本を知る
ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界
鎌田東二
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純