「逆・タイムマシン経営論」で見抜く思考の罠
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
上質なスローメディアを教材に経営のセンスを磨く
「逆・タイムマシン経営論」で見抜く思考の罠(6)スローメディアと向き合う
楠木建(一橋大学大学院 経営管理研究科 国際企業戦略専攻 特任教授)
これだけスマートフォンが普及し、すぐに最新の情報にありつけるようになったファストメディアの時代には、情報自体はコモディティ化しており、差別化の要因とならない。むしろ今こそ、過去の本や新聞記事などスローメディアに向き合うことで、ある現象が起こる理由や背景に思いをめぐらせることが重要となる。その上で求められるのは、事実だけではなく、その裏にある本質を見極めて経営のセンスを磨いていくことだ。(全6話中第6話)
時間:6分33秒
収録日:2020年12月7日
追加日:2021年5月29日
≪全文≫

●ファストメディアの時代、情報のコモディティ化が進む


 われわれは、つくづく「ファストメディア」の時代に生きているなと思います。いつ、どこでも、最新の情報があふれています。ただし、肝心な「なぜある現象が起こっているのか」という論理が希薄になっています。これが「ファストメディア」だと思うのですね。

 受け手のほうは隙間時間にスマートフォンで、数多くのページを次から次へ遷移しながら、断片的にすぐにパッと目につく情報を吸収していきます。その結果、文脈理解がますます希薄になります。一方で、情報の供給側であるメディアも、オンラインではどれだけ読まれているかというページビューが可視化されるため、当然商業メディアなのでそれを最大化するインセンティヴを持ちます。そのような色気をもって編集をするようになると、多くの人が注目するバズワードを用いるようになります。

 人々が最も関心を寄せるのは恐怖ですので、「仕事がなくなる」などの恐怖を煽るような記事の作成に明け暮れるようになります。こうした需給が、悪い意味で合致して、悪循環が生まれていると思います。

 情報はコモディティ化しきっており、情報を持っているだけでは、その他大勢とほとんど変わらない状況です。だからこそ、逆・タイムマシンに基づけば、本質を引き出すセンスがますますこれから稀少になっていくといえるのです。逆にいえば、経営者やビジネスパーソンにとって、逆・タイムマシン経営論のような考え方が、差別化の武器になると考えております。ウォーレン・バフェット氏はつくづくうまいことをいっています。「われわれが歴史から学ぶべきは、人々が歴史から学ばないという事実だ」というのです。その通りだと思います。


●「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という思考法で経営センスを磨く


 われわれは改めて「スローメディア」と向き合う必要があると思います。いつの時代も読書、よい本を読むことが王道です。スローメディアの王道は本なのです。「新聞雑誌は寝かせて読め」という話の背景には、かつてはファストメディアだった古新聞古雑誌の記事が、時間を置くだけで、上質なスローメディア、論理を考えさせる教材に変容するという事実があります。半年前の新型コロナの記事を、ぜひ今ご覧になってください。早くも良い味を出しています。まだ引ききっていませんが、潮が引いた後で、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
営業から考える企業戦略(1)成功するブランド戦略とは?
ブランド力を高めるために「自社の強み」を徹底的に聞け
田村潤
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(5)1人の力で歴史を変えた男たち
大義にもとづく「個人の決断と行動」が歴史を動かす…名将の教訓
門田隆将
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎