認知バイアス~その仕組みと可能性
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「サラダ記念日」誕生秘話でわかる “じわじわ”のホント
認知バイアス~その仕組みと可能性(3)創造のバイアス〈中編〉
鈴木宏昭(元青山学院大学 教育人間科学部教育学科 教授/博士(教育学))
ひらめきを邪魔しているものに「制約(constraint)」がある。これは、日常の標準的な事態に迅速に対処するため、私たちに備わっている認知メカニズムだが、創造やひらめきのためにはそれを緩める必要がある。そして、そのプロセスを経て訪れるひらめきは、突然思いついたような実感を伴うことが多い。しかし、実際には“じわじわ”ひらめいているのだ。「サラダ記念日」誕生秘話とともに、その秘密に迫る。(全7話中第3話)
時間:10分25秒
収録日:2022年5月26日
追加日:2022年10月25日
カテゴリー:
≪全文≫

●円滑に行動するための「制約」がひらめきを邪魔している


 ひらめきというのはなかなか訪れないわけです。最初にも申し上げましたけれど、すぐに思いつくものはひらめきとは言わない。3+2の答えが5だということに対して、「5とひらめいた」とは誰も言わないわけです。その“ひらめかない”理由は何かということについては、いろいろな考え方があるのですが、その中で大変有望な考え方の1つに「制約」があります。これは、最初にバイアスの類語のところでお話ししました。

 私たちは標準的な事態に迅速に対処するため、すぐにうまく働くような認知メカニズムを持っています。これを「制約(constraint)」と呼んでいます。これによって不要な情報を排除して、それから情報を絞り込んだり、あるいは、全ての可能性を列挙して、考えなくてもいいことをいちいち1つずつ検討するということなく、「ここらへんでしょ」というような絞り込みができるようになったりすることで、迅速な処理が可能になります。

 これを図に表してみました。私たちの周りの世界にはいろいろなものが存在しています。でも、この全てが重要であるはずはないし、全部が重要だったら頭がパンクしてしまいます。ですので、私たちは特定のものにスポットライトを当て、「ここらへんでしょ、ポイントは」というような分かり方をするわけです。これはまさに制約の1つの働き方です。

 もう1つ。あることを問われて、「これかな」「あれかな」といろんな可能性が頭の中に思い浮かぶかもしれないけれども、それを1つずつ、どれが正しいだろうと検討していけないので、「多分これでしょ」というような決め打ちをする。これによって、他の可能性を考えるために払うコストをゼロにすることができるわけです。ですので、制約というのは普通の世界の中ではうまく働いています。

 しかし、ひらめきが必要になるような問題においては、実はこの制約がひらめきを妨げてしまうのです。スライドの図で説明します。上の図で見ると、私たちは右側にあるような情報が大事なのだろうという決め打ちをやっています。しかし、洞察問題を解決するひらめきに至るためには、実はこちら(左)の情報が大事だったということがあるのです。

 下の図でも、左から2つ目を「これでしょ」...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
リーダーの心得…幕末の偉人たちを育てた佐藤一斎に学べ!
田口佳史
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか?
田村潤
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(10)ユダヤ人特集~鶴見太郎先生
【10min解説】鶴見太郎先生《教養としてのユダヤ人の歴史》
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(3)戦争終結シナリオと大統領選挙の行方
MAGA連合に亀裂!?イラン戦争が及ぼす大統領選への影響
東秀敏
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹