認知バイアス~その仕組みと可能性
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ホモ・サピエンスの進化に貢献した「共同」のパワーとは
認知バイアス~その仕組みと可能性(5)共同のバイアス〈前編〉
鈴木宏昭(元青山学院大学 教育人間科学部教育学科 教授/博士(教育学))
私たちは他者との「共同」を前提にして、日常生活を送っている。その共同の中にもさまざまなバイアスが潜んでいるが、ホモ・サピエンスの進化、成功を支えたのは共同のパワーではないかと考えられている。そこで今回は、薄め効果、ホームベース仮説、模倣、言語による文化的学習など、共同のポジティブな面に焦点を当てて解説する。(全7話中第5話)
時間:10分19秒
収録日:2022年5月26日
追加日:2022年11月8日
カテゴリー:
≪全文≫

●私たちの日常生活は「共同」を前提にしている


 共同のバイアスについて、お話ししていきたいと思います。

 人は1人で何かをするときもあるのですが、大概、他の人と何らかの関わりを持ちながら、いろいろな生活をしているわけです。ここにもバイアスというものが関わってきます。まず、バイアスの話に入る前に、「共同」というもののポジティブな面についてお話ししたいと思います。

 共同というと、すぐ会議やミーティングのようなことを思われるかもしれないのですが、私たちの日常生活は基本的には共同というものを前提にして生きています。

 例えば、出勤するとき。出勤は1人でするから別に関係ないと思うかもしれませんが、着替えをしますよね。着替えるということは、服がなければいけません。では服は自分で作ったのかといったら、そんな人は誰もいないでしょう。服を作る人がいます。そして、それを買ったお店で販売している人もいます。もちろん、服を作る会社だって何から何まで全部自分たちでやっているわけではなく、素材は別の会社から買っていたり、それを織り上げたり縫ったりする機械はまた別の会社でというように、いろいろな人たちの分業体制があります。その総体を「共同」とここではいっています。そういうものが私たちの生活を成り立たせています。ロビンソン・クルーソーのような生活というのはあり得ないわけです。


●人間も動物も個体の習性の蓄積が意図しない共同を生み出す


 これは人間の話なのですが、動物たちの中でももちろん共同する動物たちがいます。

 シロアリは非常に大きな蟻塚というものを作るといわれています。5ミリに満たないような生き物が4、5メートルもあるような蟻塚を作ったりするわけです。だいたい1000倍ですから、人間でいえば1600メートルの建物を作るということです。そんな高い建物は世界中どこにもありません。そういうものを作っているのと同じくらいのことを5ミリほどの昆虫がやっているわけです。

 アリたちの面白いのは、「みんなで作ろう」と言って作っているわけではない点です。「おまえはこっちをやれ」ということはまったくなく、いわばノープランのようにやっているわけです。単純にアリたちは...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
「逆・タイムマシン経営論」で磨く経営センス(1)人口問題の本質
「逆・タイムマシン経営論」は本質を見抜くための方法論
楠木建
「ものがたり」のあるコンプライアンス(1)その本質とは
なぜ企業はコンプライアンスの本質から外れてしまうのか?
國廣正
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(4)アレクサンドル・ネフスキーの英雄化
ロシアの英雄「アレクサンドル・ネフスキー」はなぜ英雄か…ドイツ騎士団と戦った歴史がどう利用されたか
上月豊久
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(8)『オデュッセイア』の世界的影響
オデュッセイアが物語のフォーマット?…アラビアンナイトから百合若物語、ひまわりまで
松村一男
今後の技術革新と企業経営(6)仮想通貨とフィンテック
仮想通貨が本当の「通貨」にならない理由
柳川範之
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠