不便益システムデザインの魅力と可能性
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「不便益」認定の3つの条件とアフォーダンスの考え方
不便益システムデザインの魅力と可能性(4)不便益を理論的に考察する
川上浩司(京都先端科学大学工学部教授)
さまざまな分野で用いられている不便益デザイン。しかし、不便であってなおかつ益があればそれは直ちに不便益とみなせるのだろうか。不便益として認定するためには、3つの条件を満たす必要があるという。さらに、不便益における益の性質を考える際には、「アフォーダンス」という概念は参考になる。(全7話中第4話)
時間:8分50秒
収録日:2020年12月8日
追加日:2021年5月14日
≪全文≫

●不便益認定条件は3つある


 このように、不便をあえてデザインに取り入れた例はたくさんあります。ここまで集めたものを分析、体系化してみました。

 不便益であることの認定条件として、この3つがあると思います。

 一つ目の条件は、不便だからこそその益が得られるというものです。「手間がかかり、頭を使う」からこそ得られるものであれば、それは不便益です。不便にしなくても得られる益だったら、それはそのまま便利にしておいてください。ここでは、「不便が不可欠だから」ということが大切です。

 二つ目の条件は、益も不便も、あなたのものであるということです。「あなたの不便が私の益」では最悪です。ある情報通信メーカー系の方が、「わが社の料金形態は非常に複雑にしてあります。これはユーザー様には不便かもしれませんが、ユーザー様が最安の、一番自分にフィットしたコースを選べなくて無駄に高いコースを選ばれるから、わが社はちょっと儲かっています。これ、不便益ですか?」と自嘲気味に冗談っぽく言いました。当然それはダメです。「あなたの不便が私の益」は最悪です。益と不便を被るのは同じ人ではないといけません。これも条件です。

 それから三つ目の条件は、益がそのマンマではないということです。ある人から「腹筋運動はしんどいから不便だけれども、腹筋が鍛えられるという益がある。これは不便益ですか?」と聞かれましたが、それは違います。それは、「そのマンマ」です。


●「不便益における益」と他の益との関係


 さらに先ほどお話した事例から、こうした3つの認定条件を踏まえて、それぞれの不便益において、どのような益がどのような益に関連するかという、益と益の間の関連図を作ってみました。

 ある益が存在することが原因で、ある他の益が結果として得られるという因果関係や、一方の益が他方の益に寄与しているという寄与関係が矢印で示されています。この図は整理したというにはグチャグチャしすぎですが、一つ一つまた説明すると繰り返しになってしまうので、ここではざっくりと説明します。

 この関連図の左半分に書いてあることとかなりよく似た説があります。


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
音楽の父バッハ…なぜ「音楽」が西洋でリベラルアーツなのか?
樋口隆一
「良き対話」とは?――哲学から考える(1)対話とは何か――会話・説教との違い
「良き対話」のヒントを哲学から考える…「対話」の大前提とは、そして「会話」「説教」「場回し」とは何が違うのか?
納富信留
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
ロシア「内政・経済・外交」の真実(1)国民の支持を意識するプーチン政治
ウクライナ侵攻も支持率対策か…プーチン政治の実態に迫る
上月豊久