老子の神髄
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
無為とは「絶対なる喜びを得る」こと…その境地こそ長寿への秘訣
老子の神髄(2)達人の境地と「無為」
人間から真の自由を奪っているのは社会や権力ではない。実は自分自身であると『老子』は説く。目指すべき究極の自由とは、私欲や人為を捨て去り、天の命ずるままに動く「無為」の境地であり、これはすなわち達人や名人の境地に達することである。この境地は、どうすれば実感できるのか。田口氏は日向ぼっこといった身近な行為を提示し、また堀江氏は認知症の事例を紹介して、さらにその境地を深掘りしていく。そして40歳という年齢を取り上げ、真の長寿への道について、老子の教えと絡めながら語り合う。(全9話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
時間:11分17秒
収録日:2025年11月27日
追加日:2026年6月26日
≪全文≫

●庖丁のエピソード…「本当の自由」は達人の境地にある


田口 (『老子』は)『老子道徳経』というのですけれど、その本の中でも自由とはどういうものかということで、「自由に反する不自由な生活を求めているのですか」というような質問がたくさんあって、「求めていない。自由を求めているのだ」と言うと、「それじゃあ、その行ないはおかしいじゃないか」というふうに言ってくるのです。

 そして「老荘」の「荘」、つまり『荘子』になると、もっとよそよそしくて、厳しい。どうして荘子はそんなに厳しく自由を求めるかというと、荘子は被征服民族だからです。

堀江 なるほど。

田口 ですから、殷から周になったのですが、(荘子は)殷の系統の人で征服された人です。ですから、社会的なポジションとして、もう上には行かないということで、不自由なのです。どんなに努力しても、ここまでしか行かない。だから、漆畑の管理人などで一生を終わるしかない。そういうことだったのです。

 ところが自由を求めていくと、今、先生が言われたことにも非常に関連するのだけれども、「実は本当に自由を奪っているのは自分だ」と。難敵中の難敵は社会でもなければ、社会の権威でもなければ、権力でもない。最終的には「自分が(自由を奪っている)」というのです。

 その最たるものは何かというと、例えば職業です。みんな持っていますよね。ですから、野球選手でいえば、野球を職業としてやっていると、「なんだ、そのバッティングは」とコーチも言うでしょうけれど、言われるのは一番自分(自身)なので、その自分への圧力に耐えられなくなって引退するのが基本で、その瞬間に不自由を受け入れて、それからの人生を歩みますという話になってしまいます。やっぱり、行き着く先の自由は「達人」「名人」だと言っているわけです。つまり、達人、名人を目指して生きるしかないというのが、荘子の自由論の基本なのです。

 よく料理で庖丁(包丁)を使いますよね。あれは料理人のことで、庖丁という料理人です。

堀江 はい、庖丁の。

田口 ええ。ある王様が、素晴らしい料理人だということで(庖丁を)招いて、牛を一頭、解体することになったのです。昔はそこから料理をやるわけですよね。それで、それを見せてくれと言うわけです。

 そうすると、牛が運ばれてきて、そこには音楽隊がいるわけでも何でもないけ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(8)『オデュッセイア』の世界的影響
オデュッセイアが物語のフォーマット?…アラビアンナイトから百合若物語、ひまわりまで
松村一男
「満洲」から考える日本とアジア(4)蒙古襲来と清朝建国
実は元寇はモンゴル人ではなかった?満洲をめぐる民族興亡史と「漢族」との関係…蒙古襲来から清朝建国まで
宮脇淳子
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
編集部ラジオ2026(32)鎌田東二先生の法華経講義解説-1
【10min名作探訪】鎌田東二先生の『法華経』講義の核心ビジョン
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸