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DATE/ 2024.11.28

人が「育ちの良さ・悪さ」を感じるポイントとは

 「氏より育ち」という言葉が示す通り、血筋や家柄よりも育った環境や教育が人格形成に大きく影響します。

 幼少時から身についた振る舞いや言葉遣いの問題は、自分ではなかなか気がつくのが難しいものです。こうした問題は、ときに「育ちのよさ・悪さ」として厳しく審判されることがあります。

 多様な社会や文化においては「育ちのよさ・悪さ」の感覚が違ってくることをおことわりしつつ、気をつけたいポイントをおさらいしてみましょう。

身だしなみ

 もっともわかりやすいのは、身だしなみです。人を不快にさせる「鼻をつく臭い」、「目につく汚れ」など、不潔な要素が散見すると、「育ちが悪い」と見なされることがあります。

 汚れや乱れに慣れてしまうとなかなか気がつくことができません。「一事が万事」、ちょっとした身だしなみの乱れから、人の目線が変わってきます。

 体質や経済状況といったデリケートな問題を含みますが、臭いや汚れについては対処できるかどうかを含めてチェックされます。歯磨き、入浴、洗濯など、基本的な生活習慣で問題がないか見直してみましょう。

言葉づかい

 ちょっとした会話で、「この人は大丈夫だろうか」と感じることは少なくありません。
たとえば、「金くれ!」と「お金をください!」。メッセージは同じでも、受け取り方の印象はどうでしょう。言葉にも装いがあるのです。

 これは、「酒、化粧、花、昼、飯、茶碗、箸、...」といった言葉に、「お」や「ご」をつけて、会話表現に品や美しさを上げるために使われる「美化語」の効果です。この美化語を使わないと、一般的に下品で粗暴な印象を相手に与えかねません。

 初めてのデートなど、照れ隠しもありますが、印象をよく振る舞いたいときには、こうした言葉遣いへの配慮を心がけたいものです。

ルールとマナーへの感度

 社会にはさまざまなルールやマナーがあります。こうした、マナーやルールへの感度が「育ちのよさ・わるさ」の評価につながることを知っておきましょう。

 ・挨拶をしない
 ・履き物を揃えない
 ・電車やバスでお年寄りや身体の不自由な人への配慮
 ・ドライブで、無理な追い越しやスピード違反、信号無視
 ・ゴミやタバコなどのポイ捨て
 ・職場での遅刻や居眠り
 ・人前で怒鳴りちらす、泣きわめく

 あげればキリがありませんが、社会生活を営む上で、人が不快に思うことや反社会的なルール破りを平気でする振る舞いを、社会の目は決して見逃しません。

 「育ちのよさ・悪さ」を口にすることは、人を誹り避けるようにやや差別的なニュアンスを含みます。実に「育ちの悪さ」を感じさせる言葉ではあるのですが、そこで指摘される事柄そのものには大切な意味があることを覚えておきましょう。

 「人の振り見て我が振り直せ」ではありませんが、無意識に繰り返してしまう「育ちの悪さ」を感じさせてしまう習慣や癖については、意識的に正していきたいものです。
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