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DATE/ 2017.05.19

空前の大ヒット!「うんこ漢字ドリル」とは?

 今、売れに売れている漢字ドリルがあります。「漢字ドリルなんてただの小学生の学習教材でしょ?」と思うなかれ。確かに教材ですが、学校が一括購入して児童に配るような類のものではなく、各家庭がこぞって買っているのです。そのタイトルは、ずばり「うんこ漢字ドリル」。

圧巻?壮観?3018例文全てがうんこ入り!

 ふざけたタイトルだと思ったことでしょう。ふざけているのはタイトルだけではありません。その内容もタイトル通り、いや、タイトル以上にふざけています。例えば「日本一楽しい漢字ドリル うんこ漢字ドリル 小学4年生」に出てくる例文を見てみると「象」という字を勉強するためのものが「気象予報士が生放送でうんこをもらしている」「これは、うんこを表す象形文字です」。徹底して例文をうんこに絡めているのです。

 3月下旬に発売以来、売り上げはシリーズ累計で80万部を突破。小学生の学年ごとに1冊、シリーズで全6冊あるのですが、紀伊国屋書店の5月4日~10日の週間ベストセラーの和書一般部門トップ5で小学1年生が2位、2年生が3位、3年生が4位にランクイン。アマゾンの5月12日時点での本の売れ筋ランキングではトップ10に3、4、6、7、9、10(上から小学1年生~6年生)と全6冊がランクイン。オリコンの週間BOOK総合ランキング(5月1日~7日)でも同じく全6冊がトップ10入りしています。

漢字の勉強×うんこ → 小学生をとりこに

 面白いのはどのランキングでも若い学年の方が上位を占めていること。小さい子どもの方がうんこネタへの食いつきが尋常ではないということなのでしょうか。

 小学1年生から6年生までに習う漢字1006字全てについて3例文、つまり全てで3018例文収録されており、もちろん全てうんこが登場。中でもこれは!というものを紹介します。

 「重いうんこを持ち上げようとして、関節をいためた」
 「自己しょうかい代わりにうんこをさせていただきます」
 「わざわざうんこを見せに来るとは、仁義を重んじる男だ」

 どうですか?どれも情景が思い浮かんできませんか?と、大人でさえ笑える内容なのだから、子どもが食いつくのはまったく不思議ではないでしょう。

 しかも商品開発の観点から見ると、漢字ドリルにうんこを掛け合わせるというアイデア一本勝負でここまでの大ヒットを生んだのだから大したものです。5月に入りテレビ番組で紹介されることも増えてきました。話題がさらに話題を呼ぶ「うんこ漢字ドリル」。うんこ旋風はまだまだ続きそうです。

<参考文献・参考サイト>
・『うんこ漢字ドリル』シリーズ(文響社)
・紀伊国屋書店 5月4日 ~ 5月10日のベストセラー
https://www.kinokuniya.co.jp/disp/CKnRankingPageCTop.jsp?vTp=w
・Amazon 本の売れ筋ランキング
https://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/books
・オリコン 週間 BOOK総合ランキング
http://www.oricon.co.jp/rank/ob/w/2017-05-15/
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