テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2017.08.24

夏休み限定『夏休み子ども科学電話相談』が話題!

 ラジオのNHK第1放送で放送中の『夏休み子ども科学電話相談』が「面白い!」と話題です。この番組は小中学生の科学に対する素朴な疑問や興味に、専門家が直接電話で答えてくれるというもの。

『夏休み子ども科学電話相談』ってどんな番組?

 質問のカテゴリーは昆虫、天文・宇宙、植物、動物、科学、鳥、水中の生物、深海の生物、恐竜、心と体、ロボット、天気・気象に分類。答える専門家の先生たちは大学の教授から、プラネタリウムの解説員、動物園や水族館の関係者・スタッフ、作家までと多彩な顔ぶれです。

 質問の仕方は2つ。ひとつ目は、直接電話をかける方法。放送の開始30分前~放送終了30分前まで受け付けています。もうひとつは番組HPにある質問フォームからメールで質問を送る方法。ピックアップされた質問をした本人に、番組内で電話をかけて直接話しながら質問に答えます。疑問を持った子どもと、その質問について子どもにもわかるように丁寧に説明をする先生。そのほんわかした雰囲気や、時には鋭い子どもの視点に感心させられる瞬間など、臨場感のあるやりとりがこの番組の醍醐味であり、人気の理由のようです。

ひとりで聴いていても盛り上がる高いエンタメ性

 一部をご紹介すると、質問にはこんな例が。

「なぜ、昆虫の血は透明や緑色なんですか?」
「なぜ動物は肉食動物と草食動物がいるのですか?」
「どうしてフクロウは細くなるのですか?」
「どうして、水は冷たいのですか?」
「どうして、ゴリラはウンチを投げるのですか?」

 質問を見ると、大人が「たしかに自分も子どもに聞かれたら答えられないなぁ」というものも。そこがポイントで、質問を知ったら最後。答えを知らないままではモヤモヤが募り、聴かずにはおけない絶妙なツボをついてくるんです。

 番組の構成はいたってシンプル。あくまで質問者の子どもに説明するというスタンスなので、「例えばこれは知っている?」と先生と子どもの対話方式で進められます。時に子どもの知識の深さに先生が唸る場面もあり、聴いているリスナーも「お、いいぞ」となぜか応援モードになるから不思議です。

 また、子ども&先生の組み合わせ次第でエンタメ度がググッとアップする回もあり。たとえば「どうして、ゴリラはウンチを投げるのですか?」という質問では、旭川動物園の元園長の小菅正夫先生とこんなやりとりが。

先生:「じゃぁまずね、ゴリラがウンチを投げてきたらどうする?」
小学二年生の男子:「ウンチを手に持ってだーんって投げ返す」
先生:「うわぁほんとか!」(笑) 

 これにはリスナーも先生と一緒に「えー投げるの!?」となるわけですね(笑)

 またはこんな回も。

アナウンサー:「こんにちは、質問はなんですか?」
小学五年生男子:「パキケファロサウルスの仲間のホマロケファレの頭は平たくて、頭突きには向いていないと思います。あの頭は、どんなことに役に立っているのですか?」
アナウンサー:「パ、パキ?」

 というように、普段言い慣れない固有名詞が飛び交うため、司会進行のアナウンサーもついていくのに一苦労。こんなアナウンサーの反応には「わかる、わかる、普通その長い恐竜の名前言えない!」と激しく同意しつつホッコリしたり。そうしている間に、子どもと先生の早口言葉のような恐竜の名前の応酬が繰り広げられ、気がついたら「おーっ、さすが」とパチパチと拍手をしそうになっているという…。このようなスピード感のある展開には、アスリートの試合を観た後のような満足感を得られることも。このようにひとりで聴いていてもどんどんテンションが上がってしまうのです。

 番組の魅力をお伝えしてみましたがいかがでしょうか。『夏休み子ども科学電話相談』はNHK第1放送で2017年8月24日(木)~8月31日(木)の午前8時5分~11時49分まで放送中です。また過去の放送分は一部、番組HPと「らじるらじる」で聴くことができるので興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。

※放送時間は変更になることがあるのでご注意ください

<参考サイト>
・『夏休み子ども科学電話相談』番組HP
https://www.nhk.or.jp/radiosp/kodomoq/
・NHKラジオ らじるらじる
http://www.nhk.or.jp/radio/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

トランプ政治と民主主義の危機…カント哲学から考える

トランプ政治と民主主義の危機…カント哲学から考える

編集部ラジオ2025(9)デモクラシーの危機と「哲学」

いま、世界各国で「デモクラシーの危機」が高まっています。これまでの常識を超えたドラスティックな政策を次々と打ち出す第2次トランプ政権はもちろん、欧州各国の政治状況もポピュリズム的な面を強くしています。また、ロシア...
収録日:2025/04/03
追加日:2025/05/22
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
2

日本のインテリジェンスは大丈夫か…行政機関の対応に愕然

日本のインテリジェンスは大丈夫か…行政機関の対応に愕然

医療から考える国家安全保障上の脅威(4)国家インテリジェンスの課題

「日本のインテリジェンスは大丈夫なのか」という声が海外から聞かれるという。例えば北朝鮮のミサイルに搭載されている化学剤について、「エイジング」と呼ばれる拮抗薬投与までの制限時間の観点からはまったく見当違いの神経...
収録日:2024/09/20
追加日:2025/05/22
山口芳裕
杏林大学医学部教授
3

イヌ、ネコ、ニワトリ…弥生時代の役割と縄文時代との違い

イヌ、ネコ、ニワトリ…弥生時代の役割と縄文時代との違い

弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(10)弥生人と動物

われわれにとって馴染み深いイヌやネコなどの動物。縄文時代や弥生時代は、その役割、位置づけはどうなっていたのか。また、現代との違いはどこにあるのか。出土品から見えてくる動物との関係について、当時の食生活にも触れな...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/05/21
藤尾慎一郎
国立歴史民俗博物館 名誉教授
4

メタボリックシンドロームを単なる肥満と侮ってはいけない

メタボリックシンドロームを単なる肥満と侮ってはいけない

健診結果から考える健康管理・新5カ条(6)メタボを侮ってはいけない

「メタボリックシンドローム」を単なる肥満と侮ってはいけない。内臓脂肪が蓄積すると、血糖値や血圧の上昇を招き、さまざまな健康リスクを高めることになってしまう。自覚症状のないまま血管障害が進行するリスクの上昇を防ぐ...
収録日:2025/01/10
追加日:2025/05/20
野口緑
大阪大学大学院医学系研究科 公衆衛生学 特任准教授
5

デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題

デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題

危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化

ショーヴィニズム(排外主義)、反エリート主義、反多元性を特徴とする政治勢力が台頭するなどポピュリズムと呼ばれる動きが活発化する中、「デモクラシーは大丈夫なのか」という危惧がかなり強まっている。アメリカのトランプ...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/03/28
齋藤純一
早稲田大学政治経済学術院政治経済学部教授