テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2018.01.03

「遠距離恋愛」が上手くいくポイントは?

 いまも昔も遠距離恋愛にはさびしさがついてまわります。電話やメール、SNSなど連絡するツールは増えたものの、恋人に会えないことに耐えられず別れる原因になる場合もあります。そんな人にとって遠距離恋愛はするものじゃないと思うかもしれませんが、実は遠距離恋愛からのゴールインはそう珍しいものではないことがわかっています。

 2012年にリクルート総研が行った「夫婦関係調査2012」では、既婚者の20%が遠距離恋愛からゴールインしているという調査結果が出ています。しかもその数字は1980年代から徐々に増えている傾向にあるのです。この数字、意外と多いと感じるのではないでしょうか。

 では彼らはどうやって遠距離恋愛を乗り越えてゴールインしたのでしょうか。その秘訣を、遠距離恋愛を経て結婚した20代の夫婦に聞いてみました。

嘘をつかないこと

「会いたいときには会いたい、さみしいときにはさみしい、と正直な気持ちと伝えて共有し合うことが大切」

 遠距離恋愛のときに不安なのは、病気をしてないか、仕事で疲れすぎてはいないか、はたまた浮気をしていないか、さまざまな不安を抱いても、すぐに会って確かめることはできないこと。会えば分かることも会えないから分からない、というのが遠距離恋愛の辛いところでもあります。

 だからこそ「嘘はつかないようにしていた」と、夫婦は語ってくれました。どれだけ仲の良いふたりでも、相手の思っていることを正確に理解することはできません。たとえば、彼女がずっと「会いたい」という言葉を我慢していたとしても、彼氏は彼女から「会いたい」という言葉が会話に出てこないと、もう会いたい気持ちがないのかと疑ってしまいかねません。顔を合わせていないときの不安の種は育ちやすいもの、それを防ぐのが「素直に話すこと」なのです。「会いたいね」「会いたいよ」と正直な気持ちを共有することは、距離を超えてふたりの心を同調させてくれる、大切なもの。恥ずかしがらずに、素直に話せば、より相手を身近に感じられるということでしょう。

会えないことに腹をくくる

「カップルができる多くの当たり前のことができないのはなんで、どうして、と思わないように腹をくくった」

 毎日会ったり、さみしいときにはすぐに会いに来てくれたり、距離の近いカップルができる多くのことも、遠距離恋愛では制限されてしまいます。そのことに大きな寂しさを感じることも少なくなかったという話を聞きましたが、いつまでも現実に打ちひしがれるのではなく、ある種の割り切りのようなものを持っていたといいます。

 つまり、会えない寂しい時間を、ひとりを思い切り楽しむ時間と割り切って考えたということです。自分磨きや新しい趣味など、ひとりでなければ挑戦できないようなことを試す良いチャンスだと考えることも、遠距離恋愛を成功させる秘訣かもしれません。

人として成長させてくれる遠距離恋愛

 また、「遠距離恋愛はタフじゃないとできない、精神力が鍛えられるものだ」と夫婦は笑っていましたが、それは人として成長させてくれた、ともいえるでしょう。そういう意味では、遠距離恋愛から学べることも多いのではないでしょうか。

<参考サイト>
・結婚を決めた当時の「同棲」「遠距離恋愛」の割合は?~『夫婦関係調査2012』より~
http://bridal-souken.net/research_news/files/soukenRN_120725.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く

学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く

編集部ラジオ2025(24)「理解する」とはどういうこと?

今井むつみ先生が2024年秋に発刊された岩波新書『学力喪失――認知科学による回復への道筋』は、とても話題になった一冊です。今回、テンミニッツ・アカデミーでは、本書の内容について著者の今井先生にわかりやすくお話しいただ...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/10/16
2

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち

たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
3

ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生

ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生

ショパンの音楽とポーランド(1)ショパンの生涯

ピアニスト江崎昌子氏が、ピアノ演奏を交えつつ「ショパンの音楽とポーランド」を紹介する連続シリーズ。第1話では、すべてのピアニストにとって「特別な作曲家」と言われる39年のショパンの生涯を駆け足で紹介する。1810年に生...
収録日:2022/10/13
追加日:2023/03/16
江崎昌子
洗足学園音楽大学・大学院教授 日本ショパン協会理事
4

最近の話題は宇宙生命学…生命の起源に迫る可能性

最近の話題は宇宙生命学…生命の起源に迫る可能性

未来を知るための宇宙開発の歴史(13)発展する宇宙空間利用と進化する技術

技術の発達・発展により、宇宙空間を利用したさまざまなサービスが考え出されている。人間の環境を便利にするものであり、また攻撃技術にもつながるものであるが、さまざまな可能性を秘めている。さらに宇宙空間の利用は、天文...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/10/19
川口淳一郎
宇宙工学者 工学博士
5

中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う

中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う

クーデターの条件~台湾を事例に考える(6)クーデターは「ラストリゾート」か

近年、アフリカで起こったクーデターは、イスラム過激派の台頭だけではその要因を説明できない。ではクーデターはなぜ起こるのか。また、台湾よりも中国のほうがクーデターが起こる可能性はないのか。クーデターは本当に「ラス...
収録日:2025/07/23
追加日:2025/10/18
上杉勇司
早稲田大学国際教養学部・国際コミュニケーション研究科教授 沖縄平和協力センター副理事長