テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2018.02.21

のどに穴が開く?くしゃみの我慢に要注意!

 あと少ししたら花粉が嫌な季節がまたやってきますが、2018年は花粉量が例年より多く、期間も長いと予測されています。ただ、花粉症で鼻がむずむずしてもくしゃみを避けたいタイミングってありますよね?会議中だったり、コンサートの最中だったり―。周囲に迷惑がかからないようにするのはエチケットとして正しいことではありますが、我慢の仕方によってはのどに穴が開いてしまう、なんて驚くべき症状もあるようです。

鼻と口、閉じてくしゃみするのは厳禁!

 世界三大通信社のひとつであるAFP通信が伝えたところによると、「喉の裂傷や鼓膜の損傷、脳血管の破裂などを引き起こす可能性がある」とイギリスの研究者が警鐘を鳴らしたそうです。同国の医学誌に載せられた論文では「鼻をつまみ、口を閉じてくしゃみをこらえようとした後、首の辺りで破裂するような感覚を覚えたと話した」という患者を紹介。この患者は抑え込まれたくしゃみの力によって、のどの後ろの部分が破裂してしまったのだといいます。まれな症例であるという前置きつきではありますが、「くしゃみを抑制したことにより両肺の間に空気がたまってしまった例や、脳血管が膨張した状態にある脳動脈瘤(りゅう)の破裂が起きた例」などなど、想像しただけで恐ろしいケースがあるようです。

 くしゃみの力とはいったいどれほど大きなものなのでしょうか。2018年1月に放送されたフジテレビの情報番組「直撃LIVE グッディ!」によると、くしゃみの初速は新幹線とほぼ同じ速さの時速300キロ、空気の量はペットボトル1本分になるそうです。それだけの勢いを持った空気を抑えると耳やのどに逆流し、体を痛めてしまう、というわけです。

2018年の花粉は多く、期間も長~い

 また、日本気象協会が出している春の花粉飛散予測だと、「東北の飛散量は前シーズンの約2倍、関東甲信、四国では約1.5倍」「東京のスギ花粉のピーク期間は3月上旬から4月上旬までの約1カ月と長期間」とのこと。例年より苦しい季節となりそうです。

 じゃあくしゃみは我慢しなくていいのか?そう言いたいわけではありません。飛沫が他人にかかったら汚いですし、大きな声を出すのもマナー違反。ですので、鼻や口を閉じずにハンカチや手で抑えるようにしましょう。周りの人たちに迷惑をかけず、自分の体も大切にしてくださいね。

<参考サイト>
・AFP BB News:くしゃみ抑制すると脳血管や喉、鼓膜が破裂する恐れ 医師ら警鐘
http://www.afpbb.com/articles/-/3158716
・せーの!グッディ!:あなたの“くしゃみの仕方”大丈夫!? くしゃみのガマンで命に係わる危険性も!
http://blog.fujitv.co.jp/goody/E20180117002.html
・日本気象協会:2018年春の花粉飛散予測(第3報) -
https://tenki.jp/pollen/expectation/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

叩き潰せ、正しいのは自分だけ…ロイ・コーンの教えとは

叩き潰せ、正しいのは自分だけ…ロイ・コーンの教えとは

[深掘り]世界を壊すトランプ関税(1)トランプ大統領の動機と思考

トランプ政権が発表した関税政策は、世界を大きな混乱に落とし込んでいる。はたして、トランプ大統領の「動機」や「思考」の淵源とはいかなるものなのか。そして世界はどうなってしまうのか。

島田晴雄先生には、...
収録日:2025/04/15
追加日:2025/04/25
2

共生への道…ジョン・ロールズが説く「合理性と道理性」

共生への道…ジョン・ロールズが説く「合理性と道理性」

危機のデモクラシー…公共哲学から考える(5)共存・共生のための理性

フェイクが含まれた情報や陰謀論が跋扈する一方、多様性が尊重されるようになり多元化する人々の価値観。そうした現代社会で、いかにして私たちはともに公共性を保って生きていけるのか。多様でありながらいかに共存・共生でき...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/04/25
齋藤純一
早稲田大学政治経済学術院政治経済学部教授
3

水にビジネスチャンス!?水道事業に官民連携の可能性

水にビジネスチャンス!?水道事業に官民連携の可能性

水から考える「持続可能」な未来(8)人材育成と水道事業の課題

日本企業の水資源に関するリスク開示の現状はどうなっているか。革新的な「超越人材」を生み育てるために必要な心構えとは何か。老朽化する水道インフラの更新について、海外のように日本も水道事業に民間資本が入る可能性はあ...
収録日:2024/09/14
追加日:2025/04/24
沖大幹
東京大学大学院工学系研究科 教授
4

太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない

太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない

ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系

銀河の中心にある巨大なブラックホールは一体何なのか。それを考えるためには、宇宙にある数多の銀河の構造について正しく理解する必要がある。私たちが住むこの太陽系は、天の川銀河という巨大な銀河のごくごく小さな一部分で...
収録日:2018/10/31
追加日:2019/03/26
岡朋治
慶應義塾大学理工学部物理学科教授
5

実は考古学者と人類学者で違う!? 渡来系弥生人の定義

実は考古学者と人類学者で違う!? 渡来系弥生人の定義

弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(6)弥生人のDNA

後の二重構造説の見直しにつながっていく「ヤポネシアゲノムプロジェクト」は、これまで手薄だった弥生人のDNA分析によって、古代人の分布について新たな見方を示した。そして、鳥取県にある青谷上寺地遺跡の調査では、現代日本...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/04/23
藤尾慎一郎
国立歴史民俗博物館 名誉教授