社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
アフリカの人口増加で2050年に世界人口が約100億人に!?
現在の世界の人口は約76億人といわれます。日本では人口減少が社会問題になっていますが、世界的に見ると人口は増加しており、近年の増加率はおよそ1.1%。毎年8300万人ほど増えていることになります。
その10か国とは、増加人口が多い順にインド・ナイジェリア・コンゴ・パキスタン・エチオピア・タンザニア・アメリカ・ウガンダ・インドネシア・エジプトです。ほとんどがアジアとアフリカの国で、いわゆる先進国はアメリカ以外に入っていません。現在人口が約14億1000万人で世界1位の中国は、2050年に13億6000万人となり、現在の約13億4000万人から2050年には16億6000万人に増加するインドに抜かれると考えられています。
近年、インドを中心としたアジア諸国が急速に成長しているという話題はニュースや新聞でよく見かけますよね。実はさらに新しい波として、同じような変化がアフリカでも起きています。21世紀の世界をリードするのはアジア・アフリカ諸国になるでしょう。
もともとインドは貧困層の割合が高く、勉強をさせてもらえない子どもは労働力になるため、多産の傾向があります。しかし、モディ首相が衛生や教育に力を入れたことで子どもを守る制度が整えられました。このため、現在のインドは優れた人材に育った若者の人口が特に多く、経済的成長の原動力になっています。
アフリカはインドと比べると農業や居住に適さない砂漠や山地が多く、もともとの人口はさほど多くありません。これに加えてヨーロッパ諸国に支配された規模が大きいため、いまだに貧しい国がほとんど。しかし、近年は世界的に人権が重視されるようになり、独立国が増えることで少しずつ豊かになっています。つまりアフリカは成長のスタートラインに立ったばかりなので、潜在能力はとても高いのです。
中でも成長著しい国がナイジェリア。現在の人口は世界7位の約1億9000万人ですが、国連の世界人口推計では2050年に4億1064万人まで増えると予測されています。これは増加率で見ればインドよりも高く、まさしく急成長といえるでしょう。さらにアフリカ全体の人口まで視野を広げると現在は約12億人ですが、2050年にはほぼ2倍の約25億人まで増えると考えられています。
この結果、2050年の世界の人口は1位がインド、2位が中国、3位がナイジェリアになり、アジアとアフリカの国がトップ3を独占する見通しです。
日本の中にはまだまだアフリカに対して「貧しい」、「遅れている」というイメージを持つ人が少なくないかもしれませんが、実はすでに多くの企業がアフリカに進出しています。アフリカビジネスパートナーズが発表した「アフリカビジネスに関わる日本企業リスト2017年版」によれば、2017年6月の時点で販売代理店なども含めると、アフリカ54か国すべてに日本企業が拠点を持っています。
世界の舞台ではいよいよ、アメリカとヨーロッパ諸国中心の時代が終わろうとしています。アジアの躍進に注目している人は多いのですが、さらに一歩先のアフリカの成長まで意識することが、これからの時代を渡っていくために重要なのです。
2050年には世界の人口が100億人に迫る見通し
この状態が続くと、将来的にはどうなるでしょうか。国連が発表した世界人口推計では、2050年に98億人まで増えると予測されています。およそ30年の間に20億人以上増える計算です。そしてこの増加の半数以上が、10か国のもので占められるのだとか。その10か国とは、増加人口が多い順にインド・ナイジェリア・コンゴ・パキスタン・エチオピア・タンザニア・アメリカ・ウガンダ・インドネシア・エジプトです。ほとんどがアジアとアフリカの国で、いわゆる先進国はアメリカ以外に入っていません。現在人口が約14億1000万人で世界1位の中国は、2050年に13億6000万人となり、現在の約13億4000万人から2050年には16億6000万人に増加するインドに抜かれると考えられています。
近年、インドを中心としたアジア諸国が急速に成長しているという話題はニュースや新聞でよく見かけますよね。実はさらに新しい波として、同じような変化がアフリカでも起きています。21世紀の世界をリードするのはアジア・アフリカ諸国になるでしょう。
存在感を増すインドとナイジェリア
もちろん、インドは現在でも世界2位の人口を誇っています。アジアとヨーロッパを結ぶ交通の要衝なので人が集まりやすく、米や小麦などの食物生産量が高いので人口を支える力があるためです。この下地に加え、2014年に就任したナレンドラ・モディ首相による貧困層の救済政策によってさらに躍進しました。もともとインドは貧困層の割合が高く、勉強をさせてもらえない子どもは労働力になるため、多産の傾向があります。しかし、モディ首相が衛生や教育に力を入れたことで子どもを守る制度が整えられました。このため、現在のインドは優れた人材に育った若者の人口が特に多く、経済的成長の原動力になっています。
アフリカはインドと比べると農業や居住に適さない砂漠や山地が多く、もともとの人口はさほど多くありません。これに加えてヨーロッパ諸国に支配された規模が大きいため、いまだに貧しい国がほとんど。しかし、近年は世界的に人権が重視されるようになり、独立国が増えることで少しずつ豊かになっています。つまりアフリカは成長のスタートラインに立ったばかりなので、潜在能力はとても高いのです。
中でも成長著しい国がナイジェリア。現在の人口は世界7位の約1億9000万人ですが、国連の世界人口推計では2050年に4億1064万人まで増えると予測されています。これは増加率で見ればインドよりも高く、まさしく急成長といえるでしょう。さらにアフリカ全体の人口まで視野を広げると現在は約12億人ですが、2050年にはほぼ2倍の約25億人まで増えると考えられています。
この結果、2050年の世界の人口は1位がインド、2位が中国、3位がナイジェリアになり、アジアとアフリカの国がトップ3を独占する見通しです。
すでに熱視線を集めているアフリカ
さらに国連の推計では、2100年の世界の人口はアジアが47億人、アフリカが40億人になるとされています。これはアジアとアフリカだけで世界の人口の90%を締める数値です。日本の中にはまだまだアフリカに対して「貧しい」、「遅れている」というイメージを持つ人が少なくないかもしれませんが、実はすでに多くの企業がアフリカに進出しています。アフリカビジネスパートナーズが発表した「アフリカビジネスに関わる日本企業リスト2017年版」によれば、2017年6月の時点で販売代理店なども含めると、アフリカ54か国すべてに日本企業が拠点を持っています。
世界の舞台ではいよいよ、アメリカとヨーロッパ諸国中心の時代が終わろうとしています。アジアの躍進に注目している人は多いのですが、さらに一歩先のアフリカの成長まで意識することが、これからの時代を渡っていくために重要なのです。
<参考サイト>
・アフリカビジネスパートナーズ:アフリカビジネスに関わる日本企業リスト2017年版
https://abp.co.jp/PDF/ABP_List_Japanese_Companies_Doing_Business_in_Africa_Jpn_2017.pdf
・アフリカビジネスパートナーズ:アフリカビジネスに関わる日本企業リスト2017年版
https://abp.co.jp/PDF/ABP_List_Japanese_Companies_Doing_Business_in_Africa_Jpn_2017.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中...
収録日:2021/07/07
追加日:2021/09/07
ネット古書店で便利に買える時代…「歴史探索」の意義とは
歴史の探り方、活かし方(3)古書店巡りからネット書店へ
古本のインターネット書店が充実し、史料探しはずいぶん楽になった現在だが、地方にある書店の地元出版コーナーも見逃せない。新書などの文献目録を参考にするという手もあると中村氏は言う。ではそうして歴史を調べ、たどって...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/21
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
岡本浩氏、長谷川敏彦氏の話を受けて、今回から鎌田氏による講義となる。まず指摘するのは、空海が説く『弁顕密二教論』の考え方である。この著書で空海は、仏教の顕教は「中論」「唯識論」「空観」など世界を分割して見ていく...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/20
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
アメリカは一体どうなってしまったのか。今後どうなるのか。重要な同盟国として緊密な関係を結んできた日本にとって、避けては通れない問題である。このシリーズ講義では、ほぼ1世紀にわたるアメリカ近現代史の中で大きな結節点...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/10
島田晴雄先生の体験談から浮かびあがるアメリカと日本
編集部ラジオ2025(28)内側から見た日米社会の実状とは
ある国について、あるいはその社会についての詳細な実状は、なかなか外側からではわからないところがあります。やはり、その国についてよくよく知るためには、そこに住んでみるのがいちばんでしょう。さらにいえば、たんに住む...
収録日:2025/10/17
追加日:2025/11/20


