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DATE/ 2018.04.26

働きすぎで罰金?日本と違う「世界の働き方」とは

 24時間365日営業の店があるのが当たり前の日本ですが、7日間休まずに営業したパン屋が「働きすぎ」という理由で罰金を命じられるという出来事がフランスで起こったのをご存知ですか?フランス北部のオーブ県では、県の法律でパン屋は一週間に1日は休まなければいけないと決められているため、この法律に違反してしまったというのです。

 日本では考えられないような出来事ですが、それぞれの国によって働くことに対する考え方は違うもの。日本と世界でどんな違いがあるのか、調べてみました。

日本人の労働時間はやっぱり長い?

 「日本人は働きすぎ」とよくいわれますが、労働政策研究・研修機構が調査している長時間労働者(週49時間以上働いている人)の割合を見てみると、2015年時点で日本は20.8%と、およそ5人に1人が当てはまることが分かっています。ヨーロッパはドイツが9.6%、フランスが10.1%と全体的に10%前後ですので、比較してみるとやはり日本は長時間労働の傾向が強いといえるでしょう。ただし、韓国は32.0%、台湾で30.1%となっているので、日本だけが極端な結果というわけではなくヨーロッパに比べてアジアは長時間労働者が多いことが分かります。

残業するのはえらい?それとも仕事ができない?

 日本の長時間労働が多いのは残業が多いことも大きく関係しています。勤勉な性格の日本人は「仕事が終わらなければ残業してでもやる」という風潮がいまだ根強く残っていますが、ヨーロッパでは残業することは時間内に仕事が終わらせられないこと、すなわち仕事ができないと判断されるのです。

 「上司が帰らないから自分も帰れない」「同僚の仕事を手伝わなくてはいけないと思って」といった、組織の中で和を重視する考え方も日本独特といえるでしょう。こうした理由から仕事がなくてもだらだら残業している人もいるため、日本は長時間労働者が多い割に生産性はあまり高くありません。

 一方、短い労働時間で高い生産性を誇るドイツでは、仕事は超効率主義。自分のやるべきことを終わらせたら仕事を切り上げるのは珍しいことではありません。また、アメリカでは「明日やれることは明日やる」という考え方が強く、定時になるとみんなが一斉に席を立つという光景もよく見られるといいます。こうして仕事を切り上げた後は家族と時間を過ごすなどプライベートの時間を充実させているのです。

日本はワースト1位…有休消化率の違い

 旅行サイトのエクスペディアが30か国を対象に有休消化率を調べたところ、日本は2016年、2017年の2年間は50%にとどまっていて、2年連続ワースト1位となっています。一方でブラジル、スペイン、フランス、香港といった国は2017年の有休消化率は100%、アメリカで80%、イタリアで75%となっていますから、日本がどれだけ有休の取りにくい国であるかが分かるでしょう。

 よくフランスはバカンスのために働くといわれますが、年間の有休は大体30日。多くの人が長い休暇をきちんと取得して家族との時間を過ごすなどのプライベートを充実させているのです。ドイツも年間30~40日の有休があり、きっちり有休を消化させています。

「ワークライフバランス」が重視される傾向に

 こうしたオンオフをきっちりと分ける「ワークライフバランス」を徹底しているところが、欧米と日本の大きな違いといえます。最近の日本では、特に若い人の間でこれまでの組織の和を重視する日本的な労働観ではなく、成果主義的な欧米の労働観にシフトしつつあります。売り手市場で働き手が会社を選べるいま、より自分らしく働けることが重視されるようになってきています。これに合わせて日本企業も考え方を欧米化していくことが求められているのかもしれません。

<参考サイト>
・JILPT:データブック国際労働比較2017、長時間労働の割合(就業者)
http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2017/06/p206_t6-3.pdf
・OECD Data:Hours worked
https://data.oecd.org/emp/hours-worked.htm#indicator-chart
・Expedia:【世界30ヶ国 有給休暇・国際比較調査2017】日本の有休消化率、2年連続 世界最下位
https://welove.expedia.co.jp/press/31575/
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