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巧妙化する「振り込め詐欺」の悪質な手口とは?
犯人が電話で被害者の息子などになりすまして虚偽の事情を話し、被害者をだまして金銭を振り込ませる「オレオレ詐欺」。社会で広く知られるようになったのは2003年ごろからといわれます。
名前の由来は犯人が自分から名乗らず、「オレ、オレ」と言うだけで被害者に親族と思い込ませることからきていますが、これは代表的な手口にすぎません。ほかにも犯人が警官や弁護士になりすまして「お宅のお子さんが事故を起こした」などと嘘をつくパターンもあります。このため「オレオレ詐欺」だとイメージが画一的になるとして、翌2004年に警察庁が「振り込め詐欺」と新たに命名し、現在はこの名称が主に使われています。
振り込め詐欺には次の4種類があります。
・オレオレ詐欺…かつては振り込め詐欺全般を指しましたが、現在は振り込め詐欺の1種類とされています。電話を使用して親族や警察になりすまし、「お金を貸してほしい」、「示談金が必要」などと嘘をついて現金を犯人の口座に振り込ませるほか、被害者から直接現金やキャッシュカードをだまし取る詐欺。
・還付金詐欺…税金や医療費の還付に手続きが必要と嘘をつき、被害者と犯人の口座間送金で振り込ませる詐欺。
・架空請求詐欺…郵便物やメールを使用して架空のサイトやサービスを利用したと嘘をつき、料金請求文書などを送りつけて現金を犯人の口座に振り込ませる詐欺。
・融資保証金詐欺…本当は融資する意思がないのに融資するという文書などを発行し、保証金という名目で現金を犯人の口座に振り込ませる詐欺。
中でもオレオレ詐欺と架空請求詐欺は、恐喝にもあたる悪質な犯罪です。
これ以外の、犯人が指定する口座に振り込みを促す詐欺を振り込め類似詐欺といい、架空の有価証券などの購入を名目に金銭をだまし取る「金融商品等取引」や、ギャンブルの虚偽の情報を提供して登録料や情報料を名目に金銭をだまし取る「ギャンブル必勝情報提供」などがあります。
架空請求の悪質なケースでは、犯人が請求者の名前を実在する公的機関に似せるばかりでなく、実在の省庁や公益法人と同じにすることまであります。郵便物を使用する場合は、公証人が作成したと記載したり、裁判所内の郵便局から発送したりして正当な請求だと思い込ませようとすることも。このようにさまざまな手を使って不安をあおるので、振り込め詐欺の被害はなくならないのです。
また、集金手段にも変化が。2003年から施行された「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」によって請求書への銀行口座の記載が難しくなったため、現金書留やレターパックで送らせるケースが増えています。金融機関では振り込め詐欺を疑う声掛けが活発になったため、コンビニATMから送金するよう指定することもあります。
そもそもレターパックでの現金送付は規則違反なので100%犯罪です。また、支払いをコンビニのみに指定するのも不自然ですよね。もしこのような指示をされたら振り込め詐欺と思って間違いありません。犯人は「今日中に」などと急かしますが、それは冷静な判断力を奪うため。親族の名を名乗っているなら、本人に確認を取りましょう。判断に迷うときは地域の消費生活センターに相談して、警察にも通報してください。周囲の意見を聞いてからでも遅くないので、焦って対応しないことが大切です。
名前の由来は犯人が自分から名乗らず、「オレ、オレ」と言うだけで被害者に親族と思い込ませることからきていますが、これは代表的な手口にすぎません。ほかにも犯人が警官や弁護士になりすまして「お宅のお子さんが事故を起こした」などと嘘をつくパターンもあります。このため「オレオレ詐欺」だとイメージが画一的になるとして、翌2004年に警察庁が「振り込め詐欺」と新たに命名し、現在はこの名称が主に使われています。
2023年の振り込め詐欺被害額は441億円超
それから20年程になりますが、いまだに被害は発生しています。警察や金融機関が協力して防止に努めたことから2009年には一度大きく減少しましたが、2013年ごろから再び増加傾向に。そして2023年の振り込め詐欺被害額は、なんと約441.2億円。これだけ注意喚起されているのに、なぜ振り込め詐欺はなくならないのでしょうか。振り込め詐欺も含まれる「特殊詐欺」とは
まず、振り込め詐欺とはどのようなものか整理しましょう。振り込め詐欺は「特殊詐欺」の一種です。特殊詐欺とは、電話やメールなどを使用して、不特定の相手に対して対面することなく行う詐欺を指します。「振り込め詐欺」と「振り込め類似詐欺」に分類されます。振り込め詐欺には次の4種類があります。
・オレオレ詐欺…かつては振り込め詐欺全般を指しましたが、現在は振り込め詐欺の1種類とされています。電話を使用して親族や警察になりすまし、「お金を貸してほしい」、「示談金が必要」などと嘘をついて現金を犯人の口座に振り込ませるほか、被害者から直接現金やキャッシュカードをだまし取る詐欺。
・還付金詐欺…税金や医療費の還付に手続きが必要と嘘をつき、被害者と犯人の口座間送金で振り込ませる詐欺。
・架空請求詐欺…郵便物やメールを使用して架空のサイトやサービスを利用したと嘘をつき、料金請求文書などを送りつけて現金を犯人の口座に振り込ませる詐欺。
・融資保証金詐欺…本当は融資する意思がないのに融資するという文書などを発行し、保証金という名目で現金を犯人の口座に振り込ませる詐欺。
中でもオレオレ詐欺と架空請求詐欺は、恐喝にもあたる悪質な犯罪です。
これ以外の、犯人が指定する口座に振り込みを促す詐欺を振り込め類似詐欺といい、架空の有価証券などの購入を名目に金銭をだまし取る「金融商品等取引」や、ギャンブルの虚偽の情報を提供して登録料や情報料を名目に金銭をだまし取る「ギャンブル必勝情報提供」などがあります。
さらに巧妙化している手口を知って自衛を
こうして見てみるとどのタイプの振り込め詐欺も知っているという方が多いのではないでしょうか。だからといって「自分は大丈夫」と思うのは危険です。振り込め詐欺の被害者は誰もが「まさか自分がひっかかるとは思わなかった」と言います。特に近年は手口が巧妙化しているので油断禁物です。架空請求の悪質なケースでは、犯人が請求者の名前を実在する公的機関に似せるばかりでなく、実在の省庁や公益法人と同じにすることまであります。郵便物を使用する場合は、公証人が作成したと記載したり、裁判所内の郵便局から発送したりして正当な請求だと思い込ませようとすることも。このようにさまざまな手を使って不安をあおるので、振り込め詐欺の被害はなくならないのです。
また、集金手段にも変化が。2003年から施行された「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」によって請求書への銀行口座の記載が難しくなったため、現金書留やレターパックで送らせるケースが増えています。金融機関では振り込め詐欺を疑う声掛けが活発になったため、コンビニATMから送金するよう指定することもあります。
そもそもレターパックでの現金送付は規則違反なので100%犯罪です。また、支払いをコンビニのみに指定するのも不自然ですよね。もしこのような指示をされたら振り込め詐欺と思って間違いありません。犯人は「今日中に」などと急かしますが、それは冷静な判断力を奪うため。親族の名を名乗っているなら、本人に確認を取りましょう。判断に迷うときは地域の消費生活センターに相談して、警察にも通報してください。周囲の意見を聞いてからでも遅くないので、焦って対応しないことが大切です。
<参考サイト>
・特殊詐欺 発生状況│警察庁
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/circumstances/
・警視庁:特殊詐欺(振り込め詐欺等)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kurashi/tokushu/furikome/furikome.html
・国民生活センター:悪質な「利用した覚えのない請求」が横行しています
http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/twoshotto.html
・特殊詐欺 発生状況│警察庁
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/circumstances/
・警視庁:特殊詐欺(振り込め詐欺等)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kurashi/tokushu/furikome/furikome.html
・国民生活センター:悪質な「利用した覚えのない請求」が横行しています
http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/twoshotto.html
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