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「超高級」ビニール傘が売れている?
今年もまたジメジメする季節がやってきました。傘の出番が増える季節ですね。傘は持ち歩かず、必要になったときにその場で買う、という人もいるかもしれません。
コンビニで販売されている傘は60センチでおおよそ400円程度です。ビニール傘は安くて便利ですね。しかし、ここ数年の間に、デザイン性が高くて長持ちするビニール傘も登場し、しかも、売れているといいます。今回はこういったビニール傘を巡る状況を整理してみましょう。
全て手作業で、さまざまなデザインのものがつくられます。多いときは国内50社ほどが製造していたようですが、昭和60年代(1985~)になると、中国で量産されたものが入り、国産は激減したとのこと。のち、輸入されるビニール傘もコスト削減のための工夫が行われ、品質が落とされ、現代のようにほぼ使い捨て感覚のビニール傘になります。
こうして、ビニール傘は「安いけれど壊れやすい」イメージになった、と須田社長は語ります。
また、選挙の街頭演説などでも高級ビニール傘は大活躍しています。同社で選挙用の傘として売り出されているのは「シンカテール」。こちらは演説する人が中心になるように、なるべく目立たないようにデザインされているとのこと。価格は5,800円(税込み)。直径110cm、重さ525g。こちらも「縁結(えんゆう)」と同様に風を逃がす構造が採用されており、機能性は抜群です。
園遊会や選挙の街頭演説では、やはり透明な傘の方がいいですよね。傘が存在を隠してしまっては困ります。ということで透明なビニール傘の出番なのですが、風に煽られて用をなさなくなってしまっては元も子もありません。ということで、しっかりと作られた高級ビニール傘が必要になるようです。
「EVEREONエバーイオン」は、伸縮性・耐久性に優れたビニール傘です。風で逆に開いてしまっても元に戻して使用できるとのこと。骨組みにグラスファイバーを用いているため、さびにくく長持ち。カラフルなものやドット柄なども選べる楽しさもあり。重さは340g、価格は2,052円(税込み)。
また、ちょっとおもしろい傘としては、ホワイトローズ「テラ・ボゼン」。大きさは二人分なのでしっかりと相合い傘もできます。ちょっとしたパーティやイベントごとで使えそうです。もともとはお坊さんが雨の日の法要などでお経を上げる際に濡れないように作られたもの。大きさは140cm。重さは680g、価格は12,960円(税込み)です。
雨の日は、駅や道路脇に放置されたビニール傘をよく見かけます。これは美観を損ねるだけでなく、処理するコストもかかります。また、強風時など、道路に放置されれば危険な凶器ともなります。
こういった観点からも、ビニール傘が見直されているのは正しい方向性かもしれません。せっかくの雨の季節、お気に入りの傘を持って楽しい気分で過ごしてみるのもいいのではないでしょうか。
コンビニで販売されている傘は60センチでおおよそ400円程度です。ビニール傘は安くて便利ですね。しかし、ここ数年の間に、デザイン性が高くて長持ちするビニール傘も登場し、しかも、売れているといいます。今回はこういったビニール傘を巡る状況を整理してみましょう。
ビニール傘は日本発
ビニール傘を生み出したのは「ホワイトローズ(東京都台東区)」という傘の老舗。現社長の須田宰社長によると、ビニール傘は今から60年ほど前に生み出されたようです。昭和40年代(1965年~)では、大卒初任給の3分の1くらいという、たいへん高価なものだったとのこと。全て手作業で、さまざまなデザインのものがつくられます。多いときは国内50社ほどが製造していたようですが、昭和60年代(1985~)になると、中国で量産されたものが入り、国産は激減したとのこと。のち、輸入されるビニール傘もコスト削減のための工夫が行われ、品質が落とされ、現代のようにほぼ使い捨て感覚のビニール傘になります。
こうして、ビニール傘は「安いけれど壊れやすい」イメージになった、と須田社長は語ります。
皇后様の傘は高級ビニール傘
園遊会で天皇、皇后両陛下が使用している傘は、前出「ホワイトローズ」の「縁結(えんゆう)」という傘です。現在は一般販売されており、価格は8,640円(税込み)。ビニール傘として考えればおそろしく高価ですが、確かにエレガントな雰囲気、かつしっかりしていそうです。細かい技術が注がれ、風が吹き抜ける作りになっています。このため突風やビル風などでも壊れることがないとのこと。直径94cm、重さ400g。カラーはゴールド、シルバー、ピンク、ネイビーがあります。ちなみに写真からすると美智子さまはゴールドを愛用されている様子。また、選挙の街頭演説などでも高級ビニール傘は大活躍しています。同社で選挙用の傘として売り出されているのは「シンカテール」。こちらは演説する人が中心になるように、なるべく目立たないようにデザインされているとのこと。価格は5,800円(税込み)。直径110cm、重さ525g。こちらも「縁結(えんゆう)」と同様に風を逃がす構造が採用されており、機能性は抜群です。
園遊会や選挙の街頭演説では、やはり透明な傘の方がいいですよね。傘が存在を隠してしまっては困ります。ということで透明なビニール傘の出番なのですが、風に煽られて用をなさなくなってしまっては元も子もありません。ということで、しっかりと作られた高級ビニール傘が必要になるようです。
「ポキっと折れるんです」「エバーイオン」「テラ・ボゼン」
最近はもうちょっと庶民的、かつ丈夫なビニール傘も出回っています。2017年6月に45都道府県4500の郵便局で販売開始された「ポキっと折れるんです」というもの。化粧品や石鹸などの通販を行っている「長寿乃里(横浜市西区)」が中国の工場で製造しているビニール傘です。特徴は15メートル以上の風が吹くと、内側の風圧に対してヒンジが折れ、折りたためば元通りになるという構造。価格は1,080円(税込み)。もちろん通販で買うこともできます。「EVEREONエバーイオン」は、伸縮性・耐久性に優れたビニール傘です。風で逆に開いてしまっても元に戻して使用できるとのこと。骨組みにグラスファイバーを用いているため、さびにくく長持ち。カラフルなものやドット柄なども選べる楽しさもあり。重さは340g、価格は2,052円(税込み)。
また、ちょっとおもしろい傘としては、ホワイトローズ「テラ・ボゼン」。大きさは二人分なのでしっかりと相合い傘もできます。ちょっとしたパーティやイベントごとで使えそうです。もともとはお坊さんが雨の日の法要などでお経を上げる際に濡れないように作られたもの。大きさは140cm。重さは680g、価格は12,960円(税込み)です。
雨の日は、駅や道路脇に放置されたビニール傘をよく見かけます。これは美観を損ねるだけでなく、処理するコストもかかります。また、強風時など、道路に放置されれば危険な凶器ともなります。
こういった観点からも、ビニール傘が見直されているのは正しい方向性かもしれません。せっかくの雨の季節、お気に入りの傘を持って楽しい気分で過ごしてみるのもいいのではないでしょうか。
<参考サイト>
・withnews:高級ビニール傘、売り切れの理由 皇族の注文で脚光 老舗守った国産
https://withnews.jp/article/f0160813002qq000000000000000W04h10301qq000013849A
・SankeiBiz:日本郵便、なぜビニール傘販売? その名も「ポキッと折れるんです」
https://www.sankeibiz.jp/business/news/170717/bsc1707170500005-n1.htm
・White ROSE
http://whiterose.jp/
・withnews:高級ビニール傘、売り切れの理由 皇族の注文で脚光 老舗守った国産
https://withnews.jp/article/f0160813002qq000000000000000W04h10301qq000013849A
・SankeiBiz:日本郵便、なぜビニール傘販売? その名も「ポキッと折れるんです」
https://www.sankeibiz.jp/business/news/170717/bsc1707170500005-n1.htm
・White ROSE
http://whiterose.jp/
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