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DATE/ 2018.07.08

今の「50代」が抱える悩みとは?

 今の「50代」といえば、バブル世代。景気のよい時代から人生の浮き沈みを経験し、先行きの見えにくい2018年において、どんな状況にあるのでしょうか?

 バブル期の売り手市場の環境で苦労なく上場企業などに就職していった世代ですが、仕事においてのどんな悩みを抱えているのでしょうか。

 そこで、今を生きる50代の男女数名にヒアリングしてみました。

仕事での浮き沈み、体力とストレスが悩みの種

・「某出版社で雑誌の創刊を担当するなどそれなりに楽しくやってきたものの、勢いあまって独立してからが下り坂人生かな。バブル崩壊以降仕事がなくなって…いまでは、運送会社のドライバーとして再起しているんだけど、とても体力的につらくて、60代まで持つかどうかといった状況…やっぱり、体力と気力の衰えが一番の悩み」(53才、運送会社勤務、男性)

・「同期で残っているのが数名。出ていっても、残っても、それぞれメリット、デメリットがある感じ。自分は、いろんな課を担当しながら、いい加減な上役と、堅実な部下に挟まれて、いい意味で調整役ではあるのだけどストレスが半端ない。それなりのポジションなので経済的には問題ないのだけれど、なんとか定年まで何も起きないことを祈るのみ。」(55才、地方公務員、男性)

 うまく世渡りしたようでも、体力とメンタル、それぞれに不安を残しつつ、定年まで悩みが尽きない状況が伺えます。

親と子ども、そして自分それぞれの問題

 世代的に順調に推移してきたように見えて、どこかに歪みが。家族や家庭状況についてのコメントです。

・「共働きで仕事も順調だったのですが、子どもに問題が。一人にさせていたせいかスマホゲームにハマって、中学からドロップアウトしてしまい、引きこもり状態でどうしたものかと。ゲーム以外すべて無気力で深刻な状況です…」(50才、主婦、女性)

・「田舎暮らしでそこそこ健康だった両親。でもその後、母の認知症とそれに何もできない父の問題で、東京と長野の半々の生活を余儀なくされ、仕事もままならず、貯蓄を切り崩している状況です。旦那と子どものケアも厳しく、家庭も険悪気味で…」(56才、主婦、女性)

・「いよいよ役職定年。仕事も遊びも充実させてしまったせいか、結婚の機会を逃してしまい、哀愁のおっさん化。飲み歩きが原因か、気がついたら糖尿病を発症し、さらにうつ気味で…気になって医者に相談したところ、男性更年期みたいで。かつてないほど、老いを実感して、これって負のスパイラルなのかと…」(54才、会社員、男性)

 すべてとはいいませんが、バブル世代にはものごとをノリで解決してきたという人も多いのではないでしょうか。50代にさしかかり、体力とメンタルの衰え、両親の介護、子育てなど、さまざまな問題を抱えながら過ごしてはいるものの、どことなく飄々とした生のコメントに、この世代の特質が感じられます。とはいっても、人生の過渡期ともいえる50代、やはり悩みはつきないようです。
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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授