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なぜ嫌われる人はそのことに気付かないのか?
職場や学校、地域や親族、趣味の集まりなど、社会にはいろいろな集団があり、多種多様な人で成り立っています。そして、集団が発生すると決まって好かれる人と嫌われる人がでてきます。
その際、「嫌われる人ほどそのことに気付いていない?」そう思ったことはないでしょうか。なぜ、嫌われる人はそのことに気付かないのでしょうか。考察してみたいと思います。
ちなみにこの結果について、東京工芸大学芸術学部教授でビジネス実務論やパフォーマンス学を研究する大島武氏は「“聞く”よりも“話す”ほうがの脳の働き的にはラクだから」と解説しており、他者に対する“気遣い”よりも、自分の“ラク”を優先していることがわかります。
そのほかの不満の上位にも、メール・SNSで「敬語ができない」、人付き合いにおいて「礼儀を知らない」、態度・見た目が「威圧的・横柄な態度」など、“気遣いのない”行為や態度が挙げられています。
同様に、元検察官で弁護士の堀田力氏も『堀田力の「おごるな上司!」』で、組織のポストに応じた権限の力を自分の実力と勘違いした“おごった上司”ほど「そのことに本人はなかなか気が付かない」、そして「困ったことに、思い違いをしている人に限って、間違った指示を強引に押しつけてくる」と指摘しています。
なお、上記においては社会的に権威のある人や会社での権限を持った人を特に取り上げましたが、権威や権限を持つ立場にない人であっても、自分の実力や役割以上に自分を大きく見せようとし、勘違いした行動で周囲の人に嫌な思いをさせることがあります。
つまり、実際の自分と言動のギャップに“気付かない”からこそ困った人やおごった人となり、結果として嫌われてしまうのではないでしょうか。
作家・早稲田大学名誉教授でニッポン放送「テレフォン人生相談」のパーソナリティも務める加藤諦三氏は、「出しゃばりは嫌われる」と提言しつつ、「好かれる人は、自分と他人の関係が分かっている<中略>“自分と他人の関係が分かっている”ということは、周囲の人が自分に何を期待しているかを理解しているということである」と説いています。
そのうえで嫌われないためのコツとして、他者と付き合いには常に「己をわきまえる」こと、すなわち1)立場をわきまえ、2)場をわきまえながら、3)自分の位置を作り、4)自分の位置を確認することの大切さを示唆しています。
また、対人心理学の基本原則には「好意の返報性」(好意を好意で返したい、好意にむくいたくなる心理)があるともいいます。これらの心理メカニズムからは、たとえ嫌いな人や苦手な人であったとしても、あえてこちらから好意を持って接することによって、相手との関係が改善もしくは良好になる可能性がみえてきます。
その上で齊藤氏は、「価値観が多様でありながら、その一方で、価値観の固定化が進行する成熟社会では、多種多様なステレオタイプが存在するようになります<中略>他者と接するとき、いかに素直に固定観念からフリーな立場を保てるかどうかが、人間関係を改善できるキーポイントとなる」とも提言しています。
嫌われる人がそのことに気付かないように、誰かを「嫌い」と思う自分の固定観念にも、人は気付きにくいものかもしれません。他者を変えることの困難度に比べれば、自己を変えることはまだ容易といえます。ことわざにも「人のふり見て我がふり直せ」とあるように、嫌われる人の“嫌われる所以”に気付くことが、“新たな自己の気づき”につながるかもしれません。
その際、「嫌われる人ほどそのことに気付いていない?」そう思ったことはないでしょうか。なぜ、嫌われる人はそのことに気付かないのでしょうか。考察してみたいと思います。
「気遣いがない」ため「気付き」もない?
まずは嫌われる人の特徴をみてみましょう。少し古いデータですが、雑誌『PRESIDENT (プレジデント) 2016年 8/1号』の「職場の不満500人調査」によると、「人の話をきちんと聞かない人」が嫌われ度ナンバー1という結果が出ています。ちなみにこの結果について、東京工芸大学芸術学部教授でビジネス実務論やパフォーマンス学を研究する大島武氏は「“聞く”よりも“話す”ほうがの脳の働き的にはラクだから」と解説しており、他者に対する“気遣い”よりも、自分の“ラク”を優先していることがわかります。
そのほかの不満の上位にも、メール・SNSで「敬語ができない」、人付き合いにおいて「礼儀を知らない」、態度・見た目が「威圧的・横柄な態度」など、“気遣いのない”行為や態度が挙げられています。
困った人ほど「気付かない」?
他方、精神科医で作家・エッセイストの斉藤茂太氏は『なぜか好かれる人、嫌われる人』において、雑誌の特集で「“嫌われる人”の筆頭に挙げられていたのは“権威の人”だった」とし、類推して「地位や肩書をひけらかして威張る人」が嫌われるのではないか、「しかも、こういうタイプの人は自分の立ち居振る舞い、あるいはその結果、自分が“嫌われる人”であることがなかなか自覚できないこところに、重要な問題がある」と述べています。同様に、元検察官で弁護士の堀田力氏も『堀田力の「おごるな上司!」』で、組織のポストに応じた権限の力を自分の実力と勘違いした“おごった上司”ほど「そのことに本人はなかなか気が付かない」、そして「困ったことに、思い違いをしている人に限って、間違った指示を強引に押しつけてくる」と指摘しています。
なお、上記においては社会的に権威のある人や会社での権限を持った人を特に取り上げましたが、権威や権限を持つ立場にない人であっても、自分の実力や役割以上に自分を大きく見せようとし、勘違いした行動で周囲の人に嫌な思いをさせることがあります。
つまり、実際の自分と言動のギャップに“気付かない”からこそ困った人やおごった人となり、結果として嫌われてしまうのではないでしょうか。
自身に気付き、自己をわきまえる
以上のように「嫌われる条件」を考察してみると、“嫌われる人はなによりも自分自身のことに気付いていない”ことがわかります。つまり、“嫌われる人は自己認識が不充分”といえるのかもしれません。作家・早稲田大学名誉教授でニッポン放送「テレフォン人生相談」のパーソナリティも務める加藤諦三氏は、「出しゃばりは嫌われる」と提言しつつ、「好かれる人は、自分と他人の関係が分かっている<中略>“自分と他人の関係が分かっている”ということは、周囲の人が自分に何を期待しているかを理解しているということである」と説いています。
そのうえで嫌われないためのコツとして、他者と付き合いには常に「己をわきまえる」こと、すなわち1)立場をわきまえ、2)場をわきまえながら、3)自分の位置を作り、4)自分の位置を確認することの大切さを示唆しています。
「好意の返報性」で対人ストレスの減少を
心理学者で立正大学心理学部教授の齊藤勇氏は、社会心理学的にいえば「対人関係とはすべからく相互的で、なおかつ相対的なもの<中略>人は、他者との“相応性”に縛られた言動を採る」といいます。また、対人心理学の基本原則には「好意の返報性」(好意を好意で返したい、好意にむくいたくなる心理)があるともいいます。これらの心理メカニズムからは、たとえ嫌いな人や苦手な人であったとしても、あえてこちらから好意を持って接することによって、相手との関係が改善もしくは良好になる可能性がみえてきます。
その上で齊藤氏は、「価値観が多様でありながら、その一方で、価値観の固定化が進行する成熟社会では、多種多様なステレオタイプが存在するようになります<中略>他者と接するとき、いかに素直に固定観念からフリーな立場を保てるかどうかが、人間関係を改善できるキーポイントとなる」とも提言しています。
嫌われる人がそのことに気付かないように、誰かを「嫌い」と思う自分の固定観念にも、人は気付きにくいものかもしれません。他者を変えることの困難度に比べれば、自己を変えることはまだ容易といえます。ことわざにも「人のふり見て我がふり直せ」とあるように、嫌われる人の“嫌われる所以”に気付くことが、“新たな自己の気づき”につながるかもしれません。
<参考文献>
・『PRESIDENT (プレジデント) 2016年 8/1号』解明!敵をつくる言動vs味方が増える言動(PRESIDENT編集部著、プレジデント社)
・『なぜか好かれる人、嫌われる人』(斎藤茂太著、ワック)
・『堀田力の「おごるな上司!」』(堀田力著、講談社文庫)
・『好かれる人』(加藤諦三著、PHP研究所)
・『なぜ、嫌われ者だけが出世するのか?』(齊藤勇著、プレジデント社)
・『PRESIDENT (プレジデント) 2016年 8/1号』解明!敵をつくる言動vs味方が増える言動(PRESIDENT編集部著、プレジデント社)
・『なぜか好かれる人、嫌われる人』(斎藤茂太著、ワック)
・『堀田力の「おごるな上司!」』(堀田力著、講談社文庫)
・『好かれる人』(加藤諦三著、PHP研究所)
・『なぜ、嫌われ者だけが出世するのか?』(齊藤勇著、プレジデント社)
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