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なぜ日本で一番暑いのは沖縄ではないのか?
暑い日を表す言葉として「真夏日」や「猛暑日」といった言葉はよく聞きますが、最近「酷暑日」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。気象庁では最高気温が35℃以上の日を猛暑日としていますが、日本気象協会が独自の呼び方で40℃以上の日を酷暑日としており、もはや日本国内で40℃超えを観測することは毎年恒例となっています。
四方を海に囲まれた沖縄では、海風が常に陸地へ吹き込むため、陸地が適度に冷やされます。昼間は日光を受けてギンギンに暑くても、夜になると涼しくなるのは地面の温度がそれほど上がっていないためです。逆に言うと、内陸の平野部では逆の現象がおこっていると考えられます。
では、そもそもなぜ夏は暑いのでしょうか。太陽との距離が近くなる? いえ、そんなことはありません。『科学の事典』(岩波書店)によると、ある場所の気温は、暖かい空気や冷たい空気が流れてこないかぎり、日射と地球放射のバランスによって決まります。
正解は、地球が傾いているからです。地球の地軸が公転面に対して23.5度の傾きがあるため、北半球の夏は太陽の光を「まともに」浴びることになり、日射量が増えるのです。
かつて1933年に山形県山形市が40.8度を記録した7月25日は、長らく「最高気温記念日」とされていました。1978年にも山形県酒田市で40.1度まで気温が上がりました。
フェーン現象は、湿った空気が山を越えて、乾いた暖かい風となって吹き下ろす現象です。冬の「からっ風」で有名な地域は、だいたい、このフェーン現象の影響を受けています。
こうして大きな都市の中心部で、郊外よりも気温が高くなる現象を「ヒートアイランド」と呼びます。熊谷市など埼玉県の内陸都市で東京以上の高温が記録されるのは、地域自体にもヒートアイランドが起こっていることに加え、東京のヒートアイランドの余波を温風として受けていることが指摘されます。
埼玉県の平野部は関東平野の奥まった場所に位置し、南からの海風が届きにくくなっています。さらに、海風が東京という大都市を通る間に温められ、到達する頃には冷却効果のない温風となっているわけです。
特に怖いのが熱中症。中には自覚症状がないまま脱水状態になっていた、なんてこともあります。こまめな水分補給を心掛けて、健康に夏を過ごしたいものですね。
そもそもなぜ夏は暑いのか
全国的に猛暑が続く夏、実は沖縄は意外と涼しい顔をしています。そもそも「沖縄が一番暑いはず」と考えるのは、沖縄の緯度が日本国内では最も低く、赤道に近いから。赤道付近は地球の真ん中にあるので、太陽の光を一年中たくさん浴びる。そのために暑いのは頷ける話ですが、夏に限ってはそうでもありません。四方を海に囲まれた沖縄では、海風が常に陸地へ吹き込むため、陸地が適度に冷やされます。昼間は日光を受けてギンギンに暑くても、夜になると涼しくなるのは地面の温度がそれほど上がっていないためです。逆に言うと、内陸の平野部では逆の現象がおこっていると考えられます。
では、そもそもなぜ夏は暑いのでしょうか。太陽との距離が近くなる? いえ、そんなことはありません。『科学の事典』(岩波書店)によると、ある場所の気温は、暖かい空気や冷たい空気が流れてこないかぎり、日射と地球放射のバランスによって決まります。
正解は、地球が傾いているからです。地球の地軸が公転面に対して23.5度の傾きがあるため、北半球の夏は太陽の光を「まともに」浴びることになり、日射量が増えるのです。
山から熱気が下りてくるフェーン現象
「暖かい空気や冷たい空気が流れてこないかぎり」と言いましたが、山の上から暖かい空気が流れてきて、平野部の気温を上げるのが「フェーン現象」です。かつて1933年に山形県山形市が40.8度を記録した7月25日は、長らく「最高気温記念日」とされていました。1978年にも山形県酒田市で40.1度まで気温が上がりました。
フェーン現象は、湿った空気が山を越えて、乾いた暖かい風となって吹き下ろす現象です。冬の「からっ風」で有名な地域は、だいたい、このフェーン現象の影響を受けています。
年々過熱する「ヒートアイランド」の影響
もう一つ、内陸の平野部が暑くなる原因に「ヒートアイランド」現象があります。誰もが感じているように、都会ではエアコン利用による人工排熱が多く、市街化による蒸発減少がおこっています。海から風が吹いてきても、地面や樹木が少ないために冷却効果が低く、逆に密集した建物やアスファルト道路で蓄熱がおきるため、夜の間も十分に気温が下がりません。こうして大きな都市の中心部で、郊外よりも気温が高くなる現象を「ヒートアイランド」と呼びます。熊谷市など埼玉県の内陸都市で東京以上の高温が記録されるのは、地域自体にもヒートアイランドが起こっていることに加え、東京のヒートアイランドの余波を温風として受けていることが指摘されます。
埼玉県の平野部は関東平野の奥まった場所に位置し、南からの海風が届きにくくなっています。さらに、海風が東京という大都市を通る間に温められ、到達する頃には冷却効果のない温風となっているわけです。
暑い日は無理をしないで
全国どこにいても暑いものは暑い!というのが本音。気温が高い日はなるべく屋外での活動を避け、屋内にいてもエアコンを使うなどして、体温が上がりすぎないよう注意しましょう。特に怖いのが熱中症。中には自覚症状がないまま脱水状態になっていた、なんてこともあります。こまめな水分補給を心掛けて、健康に夏を過ごしたいものですね。
<参考文献>
『科学の事典』(岩波書店辞典編集部編集、岩波書店)
『科学の事典』(岩波書店辞典編集部編集、岩波書店)
<参考サイト>
・真夏日の定義とは?夏日・猛暑日との違いや真夏日日数の推移もチェック│みんなのマネ活
https://www.rakuten-card.co.jp/minna-money/feature/article_2012_00003/
・気温35度以上の猛暑日(「高温注意情報」発表時)の注意点とは?│損保ジャパン
https://park.sompo-japan.co.jp/japanda_ch/japanda-ch/trouble/protect/500298.html
・真夏日の定義とは?夏日・猛暑日との違いや真夏日日数の推移もチェック│みんなのマネ活
https://www.rakuten-card.co.jp/minna-money/feature/article_2012_00003/
・気温35度以上の猛暑日(「高温注意情報」発表時)の注意点とは?│損保ジャパン
https://park.sompo-japan.co.jp/japanda_ch/japanda-ch/trouble/protect/500298.html
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