テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2018.09.20

【仕事と年収】DJ(30歳男性)

 今回は「DJ」の方に年収などのリアルなお金事情、その仕事の内容をうかがいました。

【年齢】30歳(男性)
【住まい】東京都
【独身or既婚】独身

経歴を教えてください。

 某私立大学在学中に趣味として活動していましたが、就職活動も視野に入った頃、自分の腕一つで名を上げていく超実力主義の世界に強く惹かれ、好きなことを突き詰めたいという思いで決心しました。幸い副収入の得られる環境にいたので、時間や経済的な自由がありプロとしての道を歩み始めました。

年収/月収/賞与について教えてください。

 (DJとして)年収50万円、月収2万、賞与はなし。完全歩合制。

貯蓄額はおいくらですか?

 200万円。

年間休日は?

 100日程度。

仕事の内容は?

 都内のバー・クラブでのプレイを中心に、某野外フェスティバルへの参加や、ミックスCD等の制作・プロデュース等も手掛けています。DJの主な活動内容は、会場やイベント内容・出演時間・オーガナイザーからのリクエストなどから総合的に判断し、雰囲気に合わせた選曲で盛り上げることです。

 バーのような空間では居心地をよくするために、落ち着くようなまったりとした曲や会話の邪魔にならないBGMのような曲を選ぶことが多く、音量にも気を使います。クラブでは反対に注目を集め、一体感を生むアップテンポのダンスミュージックや、流行の曲などを取り入れた選曲を心がけていて、耳の肥えたお客様相手にどれだけ楽しませることができるのかが大事なので、とにかくセンスとスキルがモノを言います。そういった無言のニーズを瞬時に正確にとらえ、最適な空間を提供するのが仕事です。

この仕事の良い点は?

 生で自分のスキルやセンスが問われ、オーディエンスの歓声が自分の評価のすべてというところに、わかりやすさと難しさが混在していて常に刺激的な現場です。毎回、同じものをセレクトすれば正解というわけでもなく、TPOに応じた対応力が求められます。注目という意味では、異性からの注目も浴びる事ができるのでセンスが良ければモテます。

 完全実力主義の世界ですが、そういったオイシイ思いもする事ができるだけでなく、最新の音楽事情にも敏感になるので、そのアンテナを張って集めた曲をかけてリアルタイムでどう受け取ってもらえるかが楽しみの一つでもあります。また、組織という概念がないので、常に新鮮な現場、毎回違う関係者、休むも働くも自分次第です。

この仕事の悪い点は?

 生活としての安定という意味では、オファーがかかる時期や回数、出演料などがまちまちで、常に待ちの姿勢のため、イメージ通りの年収をかなえることが容易ではありません。

 自主企画などで入場料から売上を得ることも可能ですが、ペースも限られるため結果的にプレイヤーとしての出演回数を伸ばすほかありません。大型野外フェス、海外ツアーなどの高みを目指して名前を上げ、活動の幅を広げることも成功への道ではあります。

 一方で趣味と仕事の境界線が曖昧なため、今や興味本位で始めることができる親しみのあるカルチャーとも言えます。他に本業、あるいは副収入・サイドビジネスがない限り、DJ一本で仕事をしている人はごく一部の成功例と言えるでしょう。

 定年もない世界ですが、常にシーンの第一線を走ることが必要なため、時代の変化に自分の価値観がどこまでついていけるかが問題です。特殊な世界ですので、一般的なビジネススキルや経歴として、転職に役立てることは難しいと言えます。

――――――――――

 「DJ」の仕事と年収、いかがでしたでしょうか?

 この方は副収入があり、DJの仕事をしているようですが、そこはやはり超実力主義の世界、DJ一本で生活していくというのは、かなり難しいようです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

グローバル主義が全ての元凶…トランプ政権がめざすのは?

グローバル主義が全ての元凶…トランプ政権がめざすのは?

米国システムの逆襲~解放の日と新世界秩序(1)米国システム「解放の日」

第二次トランプ政権は、その関税政策を発動させた日、4月2日を「解放の日」と称した。そこには、アメリカが各国の面倒を見るという第二次世界大戦以降の構図が、アメリカに損害をもたらしているという問題意識がある。「解放の...
収録日:2025/04/25
追加日:2025/05/20
東秀敏
米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー
2

「哲学・歴史」と「実証研究」の両立で広い視野をつかむ

「哲学・歴史」と「実証研究」の両立で広い視野をつかむ

デモクラシーの基盤とは何か(3)政治と経済を架橋するもの

「政治経済」と一口にいっても、両者を結びつけて思考することは簡単ではない。政治と経済を架橋するためには、その土台にある歴史や哲学、また実証的なデータを同時に検討する必要がある。これからの公共性を考えるための多角...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/05/23
3

トランプ政治と民主主義の危機…カント哲学から考える

トランプ政治と民主主義の危機…カント哲学から考える

編集部ラジオ2025(9)デモクラシーの危機と「哲学」

いま、世界各国で「デモクラシーの危機」が高まっています。これまでの常識を超えたドラスティックな政策を次々と打ち出す第2次トランプ政権はもちろん、欧州各国の政治状況もポピュリズム的な面を強くしています。また、ロシア...
収録日:2025/04/03
追加日:2025/05/22
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
4

日本のインテリジェンスは大丈夫か…行政機関の対応に愕然

日本のインテリジェンスは大丈夫か…行政機関の対応に愕然

医療から考える国家安全保障上の脅威(4)国家インテリジェンスの課題

「日本のインテリジェンスは大丈夫なのか」という声が海外から聞かれるという。例えば北朝鮮のミサイルに搭載されている化学剤について、「エイジング」と呼ばれる拮抗薬投与までの制限時間の観点からはまったく見当違いの神経...
収録日:2024/09/20
追加日:2025/05/22
山口芳裕
杏林大学医学部教授
5

ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視

ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視

第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?

「第二次トランプ政権は、第一次政権とは全く別の政権である」――そう見たほうが良いのだと、柿埜氏は語る。ついつい「第1次は経済重視の政権だった」と考えてしまいがちだが、実は第2次政権では「経済」の優先順位は低いのだと...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/10
柿埜真吾
経済学者