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「おばさん」と「お姉さん」の境界は?
単純に「年を取ればおばさん」なのか?
90年代からトップアーティストとして音楽界を牽引してきた「平成の歌姫」安室奈美恵さんが、2018年9月16日に芸能界を引退しました。このとき安室さんは40歳。それから4日後の20日に誕生日を迎え、41歳になっています。1996年には安室さんのファッションを真似する女性「アムラー」が流行語大賞トップテンに入賞しましたが、現在でも安室さんの美しさや抜群のスタイルは変わりがなく、女性たちの憧れであり続けています。マイナビニュースが男女各150人を対象に行った「女性は何歳から「おばさん」ですか?」というアンケートでは、男性の63%が40代、女性の55%が30代の特に35歳以降からと回答しました。しかし、40代だからといって安室さんを「おばさん」と感じる人は少ないのではないでしょうか。むしろ「お姉さん」と呼びたくなりますよね。
そうだとすると、おばさんとお姉さんの境界は単純に年齢で線引きできるものではないようです。一体どんな女性がおばさんと呼ばれるのか探ってみましょう。
「おばさん」の条件とは
おばさんとお姉さんの境界としてわかりやすい条件が、「結婚対象ではない」ということです。具体的には既婚者や子持ちの人があげられます。30代から40代はこの条件を満たしてくる時期なので、年齢的におばさんと考える人も多いのですね。さらに結婚対象ではないという理由の延長で、「女性的な魅力が感じられない」ということもおばさんとお姉さんの境界線です。具体的にはファッションやスタイルに気を遣わなくなることがあげられます。楽だからといって体型をカバーするチュニックやウェストがゴムのボトムばかり着ていると垢抜けない印象になるうえ、体形が崩れても気づきにくくなります。同窓会で久しぶりにかつてのマドンナに会ったら、ポヨポヨに太っていてショックを受けた……という男性は多いもの。いつもビシッとしている必要はありませんが、意識して自分をキレイに見せる努力を忘れない人がお姉さんでい続けられるといえるでしょう。
見た目がゆるくなると同時に周囲への気遣いまでゆるくなることも、「おばさん化」の特徴です。場所を選ばず大声で話したり、お店の人に無理なサービスを要求したりする人はおばさん認定されてもやむなし。ここまでくるともはや女性として扱ってもらえなくなってしまいます。
女性が自信満々にふるまえないことも問題
しかし日本の女性がおばさん化してしまう背景には、女性が歳を重ねるごとに堂々とふるまえなくなる社会の風潮も大きく影を落としています。結婚対象でなければ女性としての価値がないというのは、男性優位社会特有の男性目線による価値観です。これは家名をなにより重視する武士が長年に渡って支配してきた日本だからこその考え方といえるでしょう。武士にとっての女性は家名を存続させるために後継者を生むことが最も重要な使命なので、結婚対象でなければ意味がありませんし、たくさん子どもをつくるためには若いほうが好都合です。このため若くて結婚対象になる女性にこそ価値があるという考え方がいまだに根強く残っているのです。
海外に目を向けてみると、結婚とはパートナーシップを築くものという考え方の国がヨーロッパを中心に多くあります。もちろん子どもも大切ですが、それよりも結婚したもの同士の信頼関係が大切なので、若さは重要ではありませんし、結婚という契約にもあまりこだわりがありません。
日本では年齢を重ねた女性が目立ったことをするとすぐに、「年甲斐もない」とか「若い女の子に張り合っている」と言われてしまいます。このような世の中でお姉さんとして生き続けることは、安室さんのような「選ばれしもの」でなければ難しいでしょう。日本の女性がお姉さんからおばさんへの境界を越えてしまうのは、女性本人だけが原因ではないのです。
<参考サイト>
・マイナビニュース 女性は何歳から「おばさん」ですか?
https://news.mynavi.jp/article/20150630-a304/
・マイナビニュース 女性は何歳から「おばさん」ですか?
https://news.mynavi.jp/article/20150630-a304/
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