テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2018.12.24

クレカの落とし穴!分割払いとリボ払いの違いとは

元金が全然減らないリボ払いの底なし沼

 クレジットカードでの買い物は、お金が減る感覚がないので買いすぎてしまうとよくいわれますよね。特に毎月の返済額が一定になるリボ払いは危機感が芽生えにくく、つい利用限度額ギリギリまで買い物してしまう人が少なくありません。しかしこれが大きな落とし穴。通常、カード利用での買い物の返済に支払ったお金はまず利息に充てられ、残った分がおおもとの利用額である元金に充てられます。つまり元金が大きかったり毎月の返済額が少なかったりするといつまでも利息ばかり払うことになるので、いくら利用しても返済額が一定のリボ払いを続けていると、元金がほとんど減らない「返済底なし沼」に引きずり込まれてしまうのです。

 最近、SNS上で話題になった「16円返済マン」もこのような「リボ地獄」に陥ってしまったケースです。この人の場合はすべての支払いをリボ払いに集約し、利用額が増えたことでカードがランクアップして、リボ払いの限度額も増えたためさらにリボ払いで買い物を続けました。この結果、リボ払いの残高が140万円以上にふくれあがったうえ、元金に対する利息の割合を示す実質年率が15%もあるにもかかわらず月に15000円しか返済していないので、気がつけば元金を毎月16円しか払っていないという惨状になったのです。これでは一生かかっても返済できませんよね。

リボ払いは分割払いとまったく違うもの

 「買い物をした代金を何回かに分けて支払う」という点では、分割払いもリボ払いによく似た返済方法です。では両者は同じものかというとそうではなく、システム的にはまったく別のものです。

 分割払いとリボ払いの大きな違いは、分割払いが「返済回数」、リボ払いが「毎月の返済額」を固定するところです。このため分割払いでは、何回払いにするかによって返済額は変動します。基本的に2回払い以上になると、利息と同様の「サービス利用料」といえる分割手数料がかかりますが、返済回数が少ないほど分割手数料も少なくなることがほとんどです。一方のリボ払いでは、利用残高がいくらあっても毎月支払う金額は同じですが、返済期間は変動します。ただし利用残高が大きくなると返済額が増えることもあり、返済期間も長期化する傾向にあります。

 分割払いもリボ払いも買い物をした商品の金額に「サービス利用料」が上乗せされるので、キャッシュレス主義だとしても支払いは一括で済ませるのが賢明です。どうしても一度に支払えない場合は、なるべく少ない回数で分割払いしましょう。一番注意すべきなのがリボ払いです。なぜなら金利が非常に高いから。多くのカード会社で実質年率15%に設定していますが、これは利息制限法で定められた上限ぎりぎりの数値です。「16円返済マン」は特殊な例ではなく、リボ払いを選択すればだれの身にも起きる可能性がある悲劇なのです。

リボ払い自体が悪いものなのではない

 しかしリボ払いは毎月同じ金額を返済するので、収支計画が立てやすいという利点があります。また、返済額を少なめに設定できることが多いので、お金があまりないときでも無理なく返済できます。リボ払いにもメリットはあるので、このシステム自体がすべて悪いというわけではありません。

 むしろ問題なのは、リボ払いのデメリットや危険性をきちんと説明しないクレジットカード会社でしょう。お金のノウハウを扱うサイト・ファイグーが5人のカード会社社員に行ったインタビューによると、カード会社側はリボ払いと認識しないで利用している顧客がいても「本人の確認不足が悪い」という態度でいるようです。このため、申し込みのときに自動リボ払いやリボ払い専用カードを選んでも確認や注意喚起をしないところがほとんどです。

 なぜこのような対応なのかというと、「リボ払いは儲かる」からにほかなりません。インタビューに参加したカード会社では、収益のうち3~4割程度がリボ払いによるものという意見もあり、顧客がきちんと理解していようがいなかろうがリボ払いを選ぶならそれでいいと考えているのがわかります。

 カード会社は「自動リボ払いにするとポイントをプレゼント」とか「リボ払い専用カードだけは年会費無料」などの特典を用意してなんとかリボ払いをさせようとしてきます。中でもお金に対するリテラシーが低い若者や主婦はカード会社に狙われやすく、実際に返済地獄に陥ったケースが増えています。冷静に考えれば、「いくら買い物をしても支払いは一定額」という都合のいい話があるわけないですよね。どんなにおいしい話でも、最後に得するのはカード会社です。自分のお金は自分で守り、計画的にカードを利用してください。

<参考サイト>
・ダイレクトワン クレジットカードの「分割払い」と「リボ払い」は手数料以外に何が違う?
https://www.directone.co.jp/directone/10_column/kiso/20170203.html
・ファイグー なぜ、カード会社は高リスクのリボ払いをやたらと勧めてくるのか?
https://camatome.com/2014/06/card-highrisk-revo.php
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

なぜ遣唐使は神頼み?「好去好来の歌」から浮かぶ疑問

なぜ遣唐使は神頼み?「好去好来の歌」から浮かぶ疑問

山上憶良「好去好来の歌」を読む(2)言霊の加護ある国の神様と遣唐使

山上憶良の「好去好来の歌」にはどのようなことが詠われているのか。言霊に加護された大和の国から荒海を旅する遣唐使の危険に対して、海上の道も陸上の道も大和の神々がきっと守ってくれると、その一首には詠まれている。ここ...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/05/26
上野誠
國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)
2

人間だけが大人になっても「学び」を持続できる

人間だけが大人になっても「学び」を持続できる

「学びたい」心のための環境づくり

人生を豊かに、充実したものにするために、必要不可欠なスパイスとなるのが「好奇心」であることを否定する人はいないだろう。しかし、この「好奇心」は、進化生物学見地からすると、どのように考えられるのだろうか。行動生態...
収録日:2018/02/14
追加日:2018/05/01
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長
3

地域間の不均衡解消、電力移動を可能にする「3つの階層」

地域間の不均衡解消、電力移動を可能にする「3つの階層」

日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(7)電力供給の「3つの階層」

カーボンニュートラルな再生可能エネルギーを生み出す技術は、すでに確立されつつある。問題は、それをいかにして社会に実装し、使用率を高めるかである。分散型の電力供給が前提となる中で、地域間や消費者間の電力移動を可能...
収録日:2024/02/07
追加日:2024/05/25
岡本浩
東京電力パワーグリッド株式会社取締役副社長執行役員最高技術責任者
4

日本が必要なのは「軽武装・経済優先主義」からの大転換

日本が必要なのは「軽武装・経済優先主義」からの大転換

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(8)日本の新しい平和戦略

日本は戦後70年以上、日米安保の下で経済活動だけに注力してきた。そして1人当たりのGDPではアメリカと肩を並べるほどに急成長したものの、この「軽武装・経済優先主義」の代償として国民の安全保障への意識低下を招いた。だが...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/05/22
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
5

隠れている好奇心をあぶり出す癖をつけるのが教養の第一歩

隠れている好奇心をあぶり出す癖をつけるのが教養の第一歩

いま求められる「教養」とは(2)教養と好奇心

教養を身に付けるには、「正解のない問いを考えて答えを見つけていく」こととともに、「相手の立場になってものを考える」ことが重要だと第1話で話された柳川範之氏。そこで大事なのは好奇心だが、「みんな、好奇心の芽を摘まれ...
収録日:2019/07/10
追加日:2019/09/16